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ゆっくりとジブンゴトに。

知らないこと・分からないことと接するときに、なんだか傷物に触れるような接し方をしてしまう時があるのかもしれない。

例えば、企業が障がい者を雇用する時に、障がい者だから何か企業側が気にしなければいけないところが多くて、その問題をどう対処するかを考えることが多い。マイナス面と共存する方法を模索するようなイメージだ。だけれど、今回のカフェゼミのゲスト中富紗穂さんが話してくださった株式会社ボーダレス・ジャパンでは違う。障がい者だけでなく健常者や誰にだって苦手なことはある。その苦手なものを一緒に解決するにはどうしたら良いか、また、得意なところを活かす方法を模索するような考え方なのだ。

お話を聞く中で、目の前にいる障がい者の方が、「どんなことが苦手なのか」だけではなく「どんなことが得意なのか」が分かるまでコミュニケーションをする際に、ゆっくり丁寧に時間をかけることと、「その人の問題」ではなく「私たちの問題」と考えられるかが大切なのではないかと思った。

それは越境にも共通している大事な2点だと思った。越境は自分の知らない世界に行ってみて、体験して感じて話すことで自分の世界を広げることができる。しかし1回行っただけでは、大抵何となくの驚きと興味が刺激されて終わることが多い。その興味を持っているうちに、もう1回、もう1回と何回か行くようになると、より広い視点や深く考えられるようになるのだと思う。何度も通い、違和感を感じ、時間をかけて理解をし、考えていく。その中で、単なる情報から自分の中に落とし込んで、ジブンゴトとして考えられるかも大切だと思っている。今年の東京レインボープライドのボランティアに参加し、先日その反省会と交流会があった。交流会で多くのLGBTの方とお話をしていて、不思議な感覚だった。その場にいた方は自分のセクシュアリティに自信を持っているように思えて、そこまで深く考えてこなかった自分のセクシュアリティはなんだろうと考えていた。また、自分と同じセクシュアリティの人は多分いないように感じて、少し隠しておきたい感情を抱いた。たまたまゲイの方が多く、共通している話で盛り上がっているのを見て、「自分は異なる」というのは、きっと受け入れてくれる、むしろウェルカムな安心な場であっても少し言い出しにくいなと思った。でも、その経験はもっとジブンゴトとして考えられるきっかけになったと思っている。

障がい者の話でも、LGBTの話でも、今起きていることに対して違和感を感じられなければ、何かアクションしようと思わないだろう。その違和感を感じるのは、自分が今生活をしている範囲外に行った時。今まで重なっていなかった自分の円と他の人達の円が重なった時、その重なっている部分を、自分とみんなが居心地が良かったりお互いに良い状態にするにはどうしたらいいのかを一緒に考えたい。どちらが上の立場、下の立場とかではない、一緒に考える。とても素敵だと思う。

#MELCブログ #カフェゼミ49th_mb

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