舞台どろろを観てきたよ

舞台どろろ大千秋楽、おめでとうございます~!!
何度も感想を書こうとして結局書けなかったんですが、鈴木拡樹さんがテレビに出てツイッタートレンド入りしたことで自分の中でまたすこし盛り上がったのでやっぱりつらつら書いてみようと思います。まあテレビは見逃したんだけども。

結論から言うと舞台どろろは鈴木拡樹成分をめちゃくちゃに浴びれたという点ではたいそうしあわせな舞台でした。
でも舞台自体は個人的にちょっと…かなり引っ掛かるとこあったな……てのが正直な感想。いや個人的にとか要らんな、言うまでもなく以下はすべて私個人の感想です。ネタバレあり。
ぶっちゃけ文句も多くて手放し大絶賛!ではないんですがトータルではすき!てかんじですのでゆる~く読んでネ。

「映画刀剣乱舞」をみなさんはご覧になったでしょうか?
一時期ライトながらも審神者なる者だった私、最近すっかり本丸から足が遠のいたけれど刀剣男士たちがキライになったわけじゃないし骨喰カワイイし伊達日本号だしなにより休みでヒマなんだよね~みたいなかるーいノリで公開初日に観に行ったのですが……。
結果、さらに観に行くこと3回で映画泥棒全制覇、応援上映も行って映画刀剣乱舞大展覧会も行ったしムック本買ってコンビニでブロマイドプリントしてBlu-rayアニメイト豪華版も昨日予約して…。ふっと気付けばすっかりドハマリしていたのでした。

何回も行くのは脚本が素晴らしいから…と自分に言い聞かせつつ、そしてそれは決して嘘じゃないんだけど、観に行くたびに目が追ってしまうのは国宝付喪神、三日月宗近……。
いやまじでちょっとなんなんですかどういうことなのまじでやばないですかあれいやちょっとまじでほんとなんなのだあれは……。

殺陣の激しさ、所作の美しさ、とぼけてるように見えてどうにも食えないあの感じ、シーンによってまったく変わる表情…。ステもミュもぜんぜん観たことないライト審神者にあの存在はインパクトデカ過ぎたんじゃ…。

前置き長いですねすいません、まあそんな矢先に知ったのがどろろ舞台化だったんです。
しかも百鬼丸役!てゆーかアニメも声やってたとかぜんぜん喋らんから気付かなかったよ!!
どろろ自体もすきなのにそんなもん観たいに決まってるでしょーが鈴木拡樹を!!!
と思った時にはとっくにチケット売り切れです、完全なる情弱。

ダメ元当日券狙いで宿を取ってみたものの、譲渡もぜんぜん出ないしもう諦めようかな…と心折れかけつつもさらに探して探して…。
なんとかホテルキャンセル可能ギリギリの日に幸運にも譲っていただけることに!ありがとうご縁!!後で知ったけど当日券もそう多く出なかったみたいだし本当に本当に感謝でございます…。

譲ってもらえただけでもめちゃくちゃありがたかったんですが、発券してみたらまさかの一桁台で死?てなりました。えぇえだいじょうぶなのそんな近くであの鈴木拡樹を観てしなない?みたいな。しななくても身体になんらかの変調をきたすのでは?みたいな。
まあしにはしなかったですがステージ奥から手前に向かってガンガン歩いてくるシーンではやっぱりちょっとビビりました。目が見えない役とはいえね、もう圧がすげぇんだ…。

あとせっかく近くで観れたのであほな感想で申し訳ないですが言っとくと、ひざこぞうがとにかくめっちゃくちゃ可愛いかったです。
カーテンコールで舞台が明るくなって初めて気付いたんですが、鈴木拡樹さん、膝周りやたら打ち身出来てるし、膝裏のすこし上あたり擦ったのかちょっと出血もしてて(演出小道具の欠片とかがくっついたのかもですが血っぽく見えた)うわ~膝まるだしであんだけの殺陣やるのやっぱり大変なんだな~~そしてちゃんと人なのですね~~~などと思ってしまったのでした。

そうなんです、殺陣、とにかく殺陣が凄かった!
映画でもあの動きにくそうな狩衣でくるくる回るなど、素人目にもなんかスゲー!な殺陣を見せていた鈴木拡樹さんですが、百鬼丸の動きもやはり物凄かった…。
走り回っての殺陣はもちろん、最小限の動きで相手の攻撃を避けては斬り捨てる動作、最高……。
百鬼丸だけでなく他の役者さんたちの殺陣も凄くて、とくに妖刀に取り憑かれた男の動きは怖かったな…。相手が生きてるとか死んでるとか関係ない無茶苦茶な攻撃はとても残酷でイヤ~な迫力がありました。どろろと百鬼丸の殺陣もハラハラしつつ面白かった。
最高の殺陣を生で観れたの最高でしたけど、たぶん映像で観ても凄いと思いますあれは。



さて、冒頭でも書きましたが、気になったのは演出と音響。ここからちょっと文句コーナーです。

役者さんがいるのに琵琶丸がその人の台詞を喋り出す冒頭で、まず、ん?てなりました。いや役者さんがいるならその役者さんが喋れば良くない?
そんな始まり方なので琵琶丸は狂言回しのような立ち位置でいくのかな…と思いきや途中から普通に舞台の登場人物になります。

えっまた火炎?
いや火炎はとってもすきですし冒頭で流れた時はめちゃくちゃアガりましたけど、台詞をのせるBGMとしてはうるさすぎる…。役者さんの台詞に合わせて音は絞ってましたが、なまじ歌詞が聞き取れるので気が散るし。あと喋り終わると次の台詞までまた音量上げるのも気になる…ずっと下げといて…。
女性ボーカルの曲も美しいけれど、耳馴染みのある火炎ですらもういいよてなってるのに初めて聴く歌入りの、しかも誰かの心情というわけでもなさそうな曲をあちこちで使われても…。どうにも感情移入出来なくて、せめて後ろでうすーく流しとくか音のみの曲にしてもらえんか…という気持ちに。
音響周りの表現が合わないのは自分にとってかなりストレスなことに気付きました。

あとこれはそういう表現?とも思ったんですけど、百鬼丸くん、斬られすぎでない?
何度斬られても平気なことで人ならざるモノに近付いている状態を現しているのか…?などと思いつつもう音に対して懐疑的になっちゃってるので音響が合ってないだけでは?の疑念がぬぐえない…。
そういえば百鬼丸て全体的な身体の痛覚どうなってたっけ?もしかしてこれが正しいのかな?とか設定の考察の方に意識が飛んでしまったりして…。

転換が多くあちこちに物語が動くのもあわただしくて、判るけど判りにくいという感じ。そんなに場面を振らないで一個一個の話を終わらせて進んでくれた方が全体の筋が判り易い気がして、これはアニメ等で予習しているのが前提の舞台なのかな、と感じました。いや見てますけどねアニメ、でも舞台は舞台として観たいので。

アンサンブルさんたちのダンスは美しく、ばんもんやら鬼神の表現も舞台ならではの大仕掛けな見応えのひとつ、と頭では理解しつつもちょっと長すぎん?て思うことしばしば。
途中から庭に池を作ったらしいんですが、役者さんたちの工夫話は面白かったけれど設定増やすよりどっちかっつーと削って話を整理して…と思ったな。

はい、コーナー終わり。

もちろん良いところも多くて役者さんたちの演技はどなたもほんとう~に素晴らしかったです。とくにお父さんがすき。

百鬼丸と多宝丸の兄弟の絆、いやここはぶっちゃけ百鬼丸側はほとんど恨み寄りな感じしたけど、多宝丸ちゃん側の気持ちは切なかった…。恵まれてるはずなのに満たされてなくて、お兄さんに会えたのにお兄さんを選べない立場とか辛いよね…。

随所で描かれる様々な親子関係もとても良くて、役者のみなさんが親子で観て欲しいと言われていたのにも納得です。
多宝丸が足りないと感じていても母には多宝丸への愛はちゃんとあったし、百鬼丸と父親との間にもお互いに愛がないわけではなかったのが観ていて胸にきました。
でも私は血の繋がった親子同士よりも百鬼丸が寿海に母親を見出だすシーンが一番涙腺にきましたね。実の肉親ではないけれど間違いなく親子だった百鬼丸と寿海。母親の定義は判らなくても母親という概念をちゃんと理解していた百鬼丸。寿海は足りなかったと思っていてもちゃんと愛されてたこと判ってたんだよね。

どろろの性別を知っていても知らなくても楽しめる、観た人に想像の余地を与えるようなラストもすきでした。
性別を明かさないことで、どろろを美しいと言った百鬼丸の台詞が男女の愛のようにも、そうでないようにも感じられて、ふたりにはこれからどんな可能性もあるのだなあと思えて。
まあこれは完全に個人の好みなんであれなんですけど、私は修羅場を共に乗り越えた男女が必ずしも恋仲にならなくても良いと思う派なので。いやなってもいいんだけどラストに急にそこばっかりクローズアップされて終わるのがイヤというか…。
なので、この答えが出たようで、でも観た人に最終的な解釈を委ねるしあわせなラストはとても良かったです。



私に合わないだけと言えばそうなんですが、物語世界から乖離して没入感が削がれてしまうところがちょいちょいあったのが引っ掛かりの正体かな~。やっぱり私は「舞台空間」より「物語世界」を観たいんですよね。

でも凄い鈴木拡樹さんが観たい!という最初の欲望はめちゃくちゃに満たされたのですべてはオッケーです!!

#どろろ

#鈴木拡樹

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