倫理とリュウソウジャー

夏のジオウ&戦隊映画を観に行くつもりなので録り貯めてた「騎士竜戦隊リュウソウジャー」をようやっと見出しました。

風の噂で「今回の戦隊は倫理観がヤバイ」とばかり聞いてたので面白いものを見たいだけなのに気分わるくなっちゃったらやだな~ておそるおそる見始めたんですが今のところべつに平気。えっ?もしかして私の倫理観、世間とずれちゃってる?て不安になるくらい。
わりと片手間に見てるので見落としもあるのかもだけどほんとなにがそこまでダメなのか知りたいんだよね。

人間のことをなんとも思わずマイナソーの根源としてすぐ絶とうとする兄弟?
人の資料を勝手に持ち出すコウ?
仲間が死んでも呑気にケバブ屋やってる長老?
意志のある宝箱一刀両断?
仲間(幻影)をあっさり斬り捨てるとこ?
国と国民をテキトーに捨てる首相?
敵キャラ(スライムみたいなヤツ)の性格と口の悪さ?
ういの盗撮?
子ども(オトちゃん)に性的なセリフを言わせたこと?
あっ思ったよりあるな…。

でもでもそこまで責められるほどの酷さは正直感じられないんですよね。
人間に冷たかったのが変わっていくのはよくある規定路線だし敵キャラが憎たらしいのも敵なので当たり前と言えば当たり前。
検索しても宝箱かわいそうとオトちゃん関連くらいしかめぼしい批判が見当たらない…検索が甘いのかもだけど。

個人的な当面の結論としては『リュウソウジャーはネット特有の「倫理観が破綻した戦隊もの」「蛮族」みたいなネタで盛り上がるお祭り状態のコンテンツになっている』ですね。ある意味人気があるからこそいじられるんだろうな、という印象。

そこへ今週の話、十七話ですよ。
いや~ちょっとすごく良い話ではないですかこれ。
人間なんてどうでも良さげなバンバがその昔人間と恋をしていた、これだけで見える景色がだいぶ違ってくる。
首相にした「配られたカードで勝負しろ」て説教にもがぜん説得力が出てきましたよ。

バンバは自分のカードを放り投げないでこれまでやってきたことで仲間を得、かつての恋人から「あなたはあの人とそっくりだと思ったけどやっぱり違うわね」と言われるような変化を遂げる。バンバも一瞬ちょっぴりショックぽかったけど私も最初ここでえっ切な…てなりました。
でもその後の恋人のセリフ「あの人はもっと孤独な目をしてたもの」でバンバの変化は良い変化なのだと示されたことにグッときました。
自分は良い方向に変わったと恋人からお墨付きをもらったような気持ちを仲間たちと話していて思い出し、そこで思わず微笑むバンバ。
その笑顔にバンバ笑った!てなる仲間たち。
良すぎる…。

首相は以前のバンバの姿だったんだよね。
人間を愛することはあるけどほんの一部の人だけであとの人たちはどうなろうと特に構わない。
最近まで同じような状態だったバンバが仲間と過ごすことで大事な人間以外のことも思いやれるようになった。そりゃ首相に説教もするよね。


アスナの「元カノだ~♪」とか極めつけコウの「昔の知り合いに会えて良かったじゃん」にはデリカシーガバか?て思いましたけどこのこたちはまだ中身は人間の中学一年生くらいと思って見てるのでそこまでストレスにはなりませんでした。

あっもしかしてこの「種族ちがうしまだ子どもなんだろなぁ」て視点こそが倫理観ストレスを感じずに観賞出来てる重要なポイントだったりして。

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