【前編】詭弁の正体。
こんにちは、もすです。
3日前まで、7泊8日で沖縄に行ってました。
そしてその時にTwitterのアカウントが凍結されてしまって、旅行中というのもあって新しいアカウントを作ることもせずnoteも書かず、って感じでした。なので久しぶりの投稿です。
今日のお題は、詭弁講座です。
言ってることに全く納得できないのに言いくるめられてしまったこと、誰しも人生で一度はあるはずです。
それの正体は、たいてい詭弁です。そんな詭弁の正体を3部作で暴いていきましょう。
前編では、A.論点のすり替え(①相殺法、②トーンポリシングについて)
中編では論点のすりかえ(③人身攻撃、④ストローマン論法)
後編では
「B.感情論」
「C.ポジショントーク」
「D.チェリーピッキング」
「E.二元論」
「F.難しい言葉を使う」
「G.逆を用いた詭弁(後件肯定の虚偽 )」
「H.裏を用いた詭弁(前件否定の虚偽)」
「I.主語がでかい(早まった一般化)」
「J. 悪魔の証明」
「K.ダブルスタンダード」
を解説します。
(予定)
要約
突然だが皆さんはひろゆきをご存知だろうか。最近ネット番組やYouTubeなどでよく見かけるあの人である。
今ネット上最強格の論客として扱われているひろゆきだが、正直言って彼は詭弁が上手くて多少知識があるだけのただのおじさんである。
世の中にはその詭弁の正体に気付けず言いくるめられてしまう人がいて、それを見て論破したと勘違いしたりそういう人を信仰してしまうバカが多くいるが、この記事はああいうのに議論で言いくるめられてしまう人にこそ読んでほしい記事である。
余談はさておき、そもそも詭弁とはなんだろうか。
簡単に言えば、「黒を白と言いくるめる方法」である。「無理を通せば道理が引っ込む」とも言える。
世の中の人間は意図的か非意図的(この場合は誤謬[ゴビュウ]と言う)かは別として、議論はおろか日常会話においてさえ詭弁や誤謬を多用している。ひろゆきはそのスペシャリストと言って良いだろう。
その技術の正体に気付けない限り、あなたはこれからも議論に置いては不利な状況に置かれ続けるだろう。
そうならないために詭弁の正体に気付くことで、相手の戦術を理解し、議論に「ゆとり」が生むことが大切なのである。
今回は、「あ、されたことある!心当たりある!」と思って頂けるようなありふれた詭弁をいくつか紹介し、議論に負けない頭を作ってもらおうと思う。
※これ以降、詭弁は誤謬も含むものとして表現する。
※あくまで「議論に勝つ」ことが目的ではなく、「議論に負けない」ことが本記事の趣旨であり、詭弁を推奨するものではないことを断っておく。
A.論点のすり替え
まずは、簡単なものから紹介していきたいと思う。言葉は誰しも聞いたことがあるのではないだろうか。
1つ例を出そう。
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ある1人の捕まってしまった泥棒がいたとする。
その泥棒がこう言った。
「ちくしょう!盗みを働いている奴なんて他にもたくさんいるのに、どうして俺だけ捕まらなくちゃいけないんだ!」
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↑誰しも、この発言が間違っていることは分かるだろう。しかし、何がどう間違っているか言葉で説明できるだろうか。
答えは、「その泥棒が犯した罪」と「他にも泥棒がいること」は全くもって別問題であり、論点のすり替えに過ぎないことである。
簡単に言えば、
論点をすり替えることで自分の罪を棚に上げようとしているだけだから論理として間違っているのである。
ちなみに、↑の例は論点のすり替えの中でもwhataboutism(ワットアバウディズム、そっちこそどうなんだ論法)という手法で、なんJ語で言う「ほならね理論」と同じである。
そのwhataboutismも、①相殺法という手法の一部である。
そして、論点のすり替えには相殺法だけでなく、
②トーンポリシング、③人身攻撃、④ストローマン論法などが存在する。
そう、詭弁は一枚岩ではないのだ。
それを1つずつ整理していこうと思う。
---①相殺法(whataboutismなど)
まずは相殺法の説明からしていきたいと思う。
相殺法とは、公平不公平の原理を並べ、自分(あるいは擁護する人)の落ち度を棚上げするという詭弁である。
いわば無理な帳消しである。
2つ例を挙げるとわかりやすいだろう。
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アパートに子持ちの家族が住んでいるとする。
隣の住人が夜中にピアノを弾いていてうるさいから注意しに行くと
「あんたの家だって、子どももうるさいし、なんならトイレの音だってうるさいわ。ピアノをやめても良いけど、あんたの家の子どもとトイレの音を無くしてから言ってくれないかしら?」
言い返すことができず、「まあ気をつけてくださいね」とだけ言って家に帰ることになった。
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石投げ刑による死刑が決まった女性の死刑状でのこと。
イエスは言った。
「この中で罪を犯したことのないものがまず石を投げよ」
するとみな立ち去り、女性は救われた。
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↑2つは、先ほどの泥棒の言い分とは違い見事な相殺法である。
なぜなら、こちら側にも罪悪感を植え付けることで巧妙に自分達の落ち度を棚に上げ、無かったことに(相殺できたことに)しているのだから。
これらのすり替えられているという状態に気付けないと、↑2つの例のようにむざむざ立ち去ることしかできない(議論に負ける)のである。
対処法も伝授しておくと、
「それとこれとは全く別問題で、あなたがしたことの棚上げにはならないから、まずはあなたのしたことから話し合いましょう。そのあとでいくらでもこちらの落ち度については追及してください。」と言えば良い。
---②トーンポリシング(口調警察)
簡単に言えば、主張の内容よりも言葉遣いや態度を非難する論点のすり替えである。tone(口調)をpoliceする(取り締まる)からトーンポリシング。口調警察である。
例を挙げていく。
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「まあそんなムキにならないでください笑」
「幼稚な話し方だな」(人身攻撃でもある)
「親に向かってなんだその態度は!」(ポジショントークでもある)
2016年に流行語となった「保育園落ちた日本死ね!!!」という言葉に対する反応で
「死ねは良くない」「言葉が汚い」というもの。
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↑は全てトーンポリシングである。
↑の全てに言える巧妙な点は、相手の主張の内容に全く触れてもいないのに自動的に優位に立つことができる点である
勝手に相手ムキになってることにして自分は冷静であることにできるし、勝手に相手を幼稚と貶められるし、親という威厳を傘にかぶることもできる。
だから厄介なのである。しかし、対処法が1つ存在し、それは超強力なので是非伝授したいと思う。それは
「それ、トーンポリシングですよ」と一言言うだけである。
その一言を言うだけで、優位に立たれたかと思われた状況は一気にイーブンもしくはこちらに傾く。
なぜなら、トーンポリシングに気付けるほどこちらの頭は冷静だから。(そのためにはまずトーンポリシングに気づかないといけない。)
まとめ
今回は、論点のすり替えの中の①相殺法(whataboutism)と②トーンポリシングについて解説した。
相手の詭弁の正体に気付かないことには、いかに議論を進めることができないかはわかっていただけたかと思う。
次回は③人身攻撃 ④ストローマン論法について解説する。
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