当直対応ルーティン

1めまい
2意識障害
3発熱
4頭痛
5胸痛
6腹痛
7呼吸困難
8腰背部痛
9倦怠感
10外傷
11嘔吐
12便通異常
13動悸不整脈
14失神
15ショック
16.けいれん
17.低Na血症

①めまい



問診

O ずっと前からある?最近急に?
P 頭位変換とかで増悪?
Q ぐるぐる?(回転性)ふわふわゆれる?(浮動性)真っ暗?(TIA、迷走神経反射、貧血、出血性病変)
R ××××××
S 感冒症状だと前庭神経炎、耳鳴りだとメニエール。とか
T 持続時間。bppvは教科書的には数十秒

ABCDEFG

診察
NIHSSとって中枢性を否定!!
眼球運動、視野、額しわ寄せ、パタカ、バレー、鼻指鼻(小脳)など

検査
ルート確保、採血(脳梗塞あるから凝固は必須。特にd-dimer)
めまい強いならアタP25mg+プリンペラン(血液検査待つ間とかアタPで眠っといてもらうと、治ったりする)
CTは撮るのが無難!脳梗塞はわからんから、症状やNIHSSの結果でMRIも考慮。

帰宅入院の判断
アタPプリンペランでめまいおさまらないとかなら入院。

説明

言い切らないこと!耳鼻科受けさせること!
予防薬や対症療法薬は処方


②意識障害




cf.脳梗塞で意識障害は稀

来た時も意識障害がある場合

❶まずはABCD!!!GCS測定!

すぐに起動確保しモニター装着バイタル測定!心電図も!
ルート確保採血!ブドウ糖測定❗️❗️❗️❗️❗️❗️

低血糖なら、ブドウ糖10g経口or50%ブドウ糖液20ml2回投与。効果なければ10%ブドウ糖液40ml/hr

GCS 測定。
E:開眼。呼びかけと痛み
V:見当識のみ聞けばおけ。(場所、何月)
M:命令する。聞けなければ痛み刺激

❷AIUEOTIPSで鑑別!基礎疾患や身体診察、検査

問診(家族)

O
P
Q
R
S もごもご 痙攣 
T

A
B
C ?
D DMや睡眠薬
E
F
G

周囲に何か散らばってない?

診察

眼:眼球運動、共同偏視、瞳孔径、対光反射、眼球結膜、眼瞼結膜、頭位変換眼球反射(人形の目。脳幹)
項部硬直、jolt accentuationなど
明らかにおかしいならCT!

呼吸:
cheyne-stokes呼吸: 脳障害→脳卒中、心不全、尿毒症
kussmaul:DKA、尿毒症
過換気:代謝性アシドーシスの代償、低酸素

四肢:
babinski、kernig、羽ばたき振戦、四肢の温感、冷感、振戦、発汗

CTの前に、細菌性髄膜炎とか疑わしいなら血液培養からの抗菌薬!(セフトリ+バンコ+アシクロビルの2〜3剤併用。)
項部硬直見る。

検査
採血:  生化学(AMY、CK、トロポニン、甲状腺)、凝固、血ガス、アンモニアBNP‼️


来た時意識回復してる場合

1番多いのは迷走神経反射。
必ず除外しなければならない↓
TIA、てんかん、心臓弁膜症、徐脈、重度貧血

診察:NIHSS、胸部聴診
検査:心電図、一般採血。

疾患ごと対応シリーズ

【低血糖】
50%ブドウ糖2A。

【高血糖、 DKA、HHS】
生食1000ml/hとインスリン0.05単位/kg IV
ICU管理。血糖、低K注意⚠️

【TIA疑い】
NIHSS結果疑わしいならMRI。


【薬物中毒】
胃管挿入や胃洗浄考慮





③発熱


鉄則!
❶まずは‼️‼️‼️qSOFA採点‼️
❷迅速な対応を要する発熱を見逃さない
❸診察は頭からつま先まで!
❹院内発症の発熱は7Dで鑑別!

大切なのは、背景、臓器、病原体!

診察:叩打痛、腹部診察、項部硬直、

❶qSOFA

収縮期血圧だけ見るな!意識障害とRRも注意⚠️
敗血症とは、病原体に対する宿主の免疫が破綻し生命に危機を及ぼす臓器障害が生じている状態。

❷迅速な対応必要な発熱

敗血症、髄膜炎、発熱性好中球減少症、AOSC、壊死性筋膜炎、結石性腎盂腎炎、腹膜炎、化膿性関節炎、膿瘍 IE 側頭動脈炎

頭痛+発熱+意識障害→髄膜炎!
①血培2セット→②抗菌薬(セフトリ、バンコ、アシクロ)→③ct→④腰椎穿刺の順!


❸診察は頭からつま先まで(top to bottom aproach)

感染症は背景、臓器、病原体!
↓に、症候ごとの診察書いてる!特に皮膚や関節は見落としやすいので注意⚠️褥瘡とかね


❹院内発症の発熱は7Dでd/d!!!

誤嚥性肺炎をタゾピペでtx中患者

Drug
Device
CDトキシン
decubitus
cpp D 偽痛風
Debris 胆泥

下痢ない!?下腿把握痛や腫脹熱感圧痛、褥瘡、腹痛などない?
s/oならCDトキシンとかみよ!

❺非感染症の発熱

院内発症。
ひとまずtop to bottom aproach診察し、各種培養(血培、尿培など)提出が原則‼️否定されるまで抗菌薬投与あり。感染否定されたら解熱薬対応でもおけ。

cf.38℃で110/分以下、39℃で120/分以下、40℃で130/分以下は比較的徐脈s/o。非感染性の発熱らしさがある。






④頭痛

一次性頭痛と二次性頭痛。二次性頭痛の悲鳴が命!


頭痛だけでなく意識障害ある場合

ABCDを常に優先!
すぐにモニター装着バイタル測定!心電図も!
ルート確保採血!ブドウ糖測定❗️❗️❗️❗️❗️❗️
→ CTへ。

意識障害ない場合

鑑別は問診と診察が命! クモ膜下出血、動脈解離、脳卒中、側頭動脈炎、脳幹梗塞、髄膜炎、緑内障、耳鼻科疾患(副鼻腔炎など) は意識。

問診
O 外傷 突然 だんだんと 以前から。(急性かどうかとか、一次性かどうか)
P ストレス 睡眠 月経 天気 動くと悪化
Q 激痛 拍動性 締め付ける 刺すような
R 全体 片側 こめかみ(側頭動脈炎) 眼(群発、緑内障)
S 首の突っ張り 閃輝暗点
T 持続時間

かむと痛い→側頭動脈炎

神経診察

歩行可能か
眼球運動
視野
対光反射
額しわ寄せ、アーイー
パタカ
舌運動
上肢バレー
鼻指鼻くらい


⑤胸痛

killer chest painは必ず除外!(AMI、PE、Ao解離、緊張性気胸、食道破裂)


⑥腹痛


⑦呼吸困難(酸素飽和度低下)



o 突然→気胸、PE、上気道閉塞(喉頭浮腫や異物) 過換気
数時間→気管支喘息 うっ血性心不全 ARDS 急性喉頭蓋炎 肺炎 胸水 間質性肺炎やCOPD急性増悪
p---
q---
r×××
s---
tんー

a 呼吸器 心臓 喫煙 DM 脂質異常症 HT 手術後 (pe) 肥満 ピル(PE)   アレルギー
b 木造 職業 長期臥床 
cアレルギー?
d 薬剤性肺炎
e bと同じ
f ×

診察:頸静脈怒張 呼吸補助筋 起座呼吸 浮腫 下腿把握痛 聴診(左右差 wheeze ロンカイ クラックル) Ⅲ音Ⅳ音?


❶SpO2低下あれば、まず気道確保!!

(もちろん、パルスオキシのズレや体動、マニキュア、循環不全、血圧測定中、SAS、cheyne-stokes呼吸などではないことを判断してから)

【1】気道閉塞
頭部後屈、顎先挙上!
舌根沈下にはネーザルエアウェイとオーラルエアウェイ

【2】適切な呼吸をしていない場合
アンビューバッグ(二酸化炭素排出)
ジャクソンリース(PEEPかけられる) 気管支喘息やCOPD増悪などPEEPが必要なやつ


❷呼吸数をチェック!

例1.呼吸数36/分 SpO2 90%
例2.呼吸数7/分 SpO2 88%
例3.呼吸数 40/分 SpO2100%

急性肺炎
ナルコーシス、ベンゾやモルヒネのOD
過換気


⑧腰背部痛


⑨倦怠感


⑩外傷


11.嘔吐


12.便通異常


13.頻脈、徐脈、不整脈

❶安定?不安定?

まずはバイタルサインを確認!意識、血圧、酸素化。

その後心電図評価!

❷心電図はQRS幅とリズム。まずはそれだけで鑑別


❸まずは洞性頻脈を除外!なぜ?そして原因検索

ただの代償反応の結果なので、レートを下げることで逆にバイタルを破綻させるきっかけになってしまう。代謝↑による必要な頻脈ってことね。


14.失神

出血 不整脈(adams-stokes。ブルガダ、QT延長など) AS ACS PE Ao解離 気胸 TIA 低血糖 低酸素 CO中毒 てんかん 外傷

問診で最も大事なのは、失神を起こした状況!

起立時?体位に関係なし?(adams、てんかん、低血糖、過換気)
咳嗽、排尿排便、食後→状況性失神
労作時?→ASやHOCM
前駆症状?悪心、発汗、顔面蒼白→迷走神経反射
胸痛→心原性
失神歴

診察:
バイタル、聴診、舌噛みや失禁→てんかん NIHSS 失神に伴う外傷の有無 直腸診 

検査:
ECG エコー、xp、ct MRI 、

基本入院で。



15.ショック

❶ショックの初期対応、鑑別
❷血圧90以下だけがショックではない!
❸ショックに輸液でダメなら0.06でγ計算(1μg/kg/min)して昇圧薬!

❶ショックの初期対応ルーティン!

①ABCの確認。A.Bに異常あればまずはその対応
②ルート確保(20G以上2本)、輸液全開。心原性ショックと確定するまでは輸液負荷ok。心原性疑わしいなら輸液速度落とせばいい。
③診察!頸静脈怒張、肺ラ音(肺うっ血)、末梢冷感の有無でd/d
④〜⑧検査
④血液検査(凝固、血液型クロスマッチ、血ガス、血培発熱してなくても)
⑤ECG
⑥心臓、腹部エコー
⑦胸部X線 CTR、CP-A、肺野浸潤影、肺うっ血、気胸、気腫など確認
⑧便潜血 入院後ストレス性胃潰瘍
⑨尿カテ 0.5ml/kg/hrを目標に輸液調節 60kgなら30ml/hr
10.診断の元コンサル

❷血圧90以下だけがショックではない!

頻脈を伴う出血

ショックとは、全身の組織灌流が低下し組織への酸素供給が障害された状態。つまり、血圧ではなく組織灌流がいけてるかどうか。

85mmhg→80mmhgはショックでないが、180mmhg→140mmhgはショックをs/o。
頻脈、脈圧低下、尿量低下もショックをs/o。 

意識障害、冷や汗、湿潤、蒼白、CRT>2sなど見る

❸ショックに輸液でダメならγ計算(1μg/kg/min)して昇圧薬!

γ計算はコツ掴めば簡単!

ml/hr=0.06×体重÷濃度(mg/ml)  これは1γあたりのml/hr‼️

3γならこれに×3だし、0.05rならこれに×0.05。

例題
40kgの敗血症性ショック患者にNAd0.05γ投与
今回3A(3mg)を47mgの生食で希釈するとすると、何ml/hrで行けばよい?


回答
0.06×40×50/3×0.05=2ml/hr‼️
これだけ。暗算する必要はない!電卓でやれたら良いぞ!!!!

NAdなら0.05γから開始。0.05γずつ漸増し0.3γが上限。
これで無理ならドブタミン5γ開始


16.けいれん


①けいれんが持続している場合

続くと乳酸アシドーシスや低酸素血症

まずはABC D確保 
気道確保
マスクで酸素投与しSpO2モニター バッグバルブマスク
心電図と血圧モニター
低血糖でもけいれん起きる。ウェルニッケも。→チアミン100mg+50%ブドウ糖液50ml(0.5g/kg/hr)

その後ルート確保しジアゼパム1/2A(5mg)
極量は20mg 。ルート取れないなら注腸、筋注

止めたら再発予防


②けいれんが収まってる場合:

原因検索。失神の除外も

問診。特に目撃者からの情報。:
発作の頻度、持続時間、変化、推移
発作の状況と誘因(光、過換気、睡眠など)
発作中の手足の動きの左右差や開閉眼、、
発作後意識、外傷、舌咬傷、尿失禁、頭痛、筋肉痛

検査:
血液検査:
アンモニア、ck、血ガス、抗てんかん薬の血中濃度
髄膜炎否定できないなら髄液検査

尿検査:薬物中毒?

ct.MRI MRIの方が感度高い

心電図、xp→けいれんによる誤嚥の可能


17.低Na血症

低ナトリウム血症

血症浸透圧と尿Na!

①まずは血症浸透圧を確認!280〜290mosm/l

高張性→高血糖など。水分を血管内へ引き込むためNa↓
等張性→脂質異常症、M蛋白↑
低張性→治療対象のNa!脳浮腫なる!
→❶水中毒❷溶質摂取不足❸SIADH
尿比重で尿浸透圧を推測!1.006とかで100mosm/l

❷はビアーポトマニア〜へー。尿は50mosm/lまでしか希釈できないんや。通常の食事だと600mosm/日の溶質。ビールだけだと200mosm/日。つまり12Lと4Lしかおしっこは出せない。つまり水溜まる→低張性低Na!
なんにせよ水制限!!

1番左:そも液が体外に出るからNaが出ていく
その右:自由水が溜まって間質へ。
その右:Naが尿から出ていく
その右:ADHで水は保てるけどRAS↓

急激な補正は浸透圧性脱髄sx.(脳細胞内の水が一気に抜けて脳細胞萎縮)
高度の低Na血症でも、症状がない場合は急いで治療しなくてok。あるなら!24時間で10meq/l、48時間で18meq/lまで!(慢性なら、脳細胞も低浸透圧なってるからいけること多い。急性はやばい!)
3%生食を60kgに500ml投与したら6.5meq上昇。つまり30ml/hrくらいか?
1〜6時間ごとにNa値をフォロー。いけそうならブドウ糖液に変更。
生食400mlに10%NaClを6アンプルで作れる。

18.高K血症

男は黙って再検と心電図

再検は血ガスが正確で早い!アシドーシスもわかるし。
心電図ではテント状T波、P波の消失、wideQRS

血液検査では、アルドステロン、ACTH、コルチゾールなど調べる。

K>6もしくは心電図変化を伴う高K血症は、直ちに治療開始!

超緊急:グルコン酸Ca10ml/1A、2〜5分かけてゆっくり静注

緊急:GI療法(ヒューマリン5単位+50%ブドウ糖液2A40mlを1〜2分かけて静注

準緊急:フロセミド(20〜100)


19.肝機能障害(黄疸)

肝機能障害を見たら、胆道閉塞をまずは除外!

AOSC。胆石、胆管がん、膵がん、PSC。
ちな、胆道閉塞は消化器内科かな。胆嚢炎は外科。

急性肝炎を見たら3つの鑑別と、劇症化しないか判断!

ウイルス性、薬剤性、虚血性!他は上記参照。

劇症化は、肝性昏睡2度以上かつpt40%以下。

問診、身体所見、血液検査

飲酒、薬物(漢方、サプリ、ピル、市販薬など)、性行動、海外旅行、生物(ジビエ、魚介)、注射針、手術歴、輸血歴、職業、肝疾患の家族歴、過去の検診で肝機能障害の指摘

眼球結膜に黄染
女性化乳房
肝腫大、脾腫、腹水
浮腫、羽ばたき振戦
手掌紅斑

肝炎ウイルス抗体、EB、cmv、vzv

腹水貯留、LC既往の患者の発熱は、SBP疑い腹腔穿刺!

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