自意識(5/21)

 ソーシャルイベントで油断すると、心がゆるくなって、端っこにうずくまって泣きたくなるから、andymoriやカネコアヤノ、銀杏BOYZを聴いて、あたしがサブカルの権化だ、センスがあるのだ。と言い聞かせて、モノレールにゆられていた。自分のサブカルの真ん中を走っている感じが嫌い。オモコロ、雷獣、真空ジェシカ、令和ロマンが好きで、COTEN RADIOとゆる言語学ラジオを聴いている。こんなのもう、もう... 終わりの精神状態のまま文学フリマへ!マンスーンさんの日記があたしがラスト1冊だったりして、予想通りの遅刻ツイートが流れてきた。解釈一致! 未だ居ないであろうブースの近くを横切ると、まわりのオタクが全員敵に見えて、そのまま自己嫌悪フィーバータイム突入!今だけ身長3cmにならないかな。誰も視認しないでくれ、あたしを。
 自分って、自分のことそんなに嫌いじゃない、むしろ好きというか、仕方ないみたいなところはあるんです。だからといって、自己肯定感が高いかと言われたら、絶対にそんな事はなくて。不細工キショサブカル芋虫女だと思ってるし。すきなんですけどね、じぶん。好きな人間を前にすると、途端に挙動不審になって、キショボイスを放ってしまうし、そういうとこも可愛いかな〜〜、なーんて、殺してくれ。
 お目当ての方が来て、ドワッと列が出来て、ああ、凄いな、人気だな〜って、良い意味で文化っぽくないヒールのお姉さん、お願いします。今から羽虫になるので踏んでもらってもいいですか?駄目?ああ、可愛いですしね、あたしも。本当に嘘です、処してください。今のあたしを手にかけてもおそらく罪ではないと思います。を繰り返して、やっと、詩集を手に入れて、もうそれだけで嬉しくて、ようやく、青松輝の言葉に触れられる。すぐに人少ない所に避難して、なんも鳴ってないイアホンして、開いて、ちょっと泣きました。くだらない自分の中のぐちゃぐちゃした押し問答みたいな自己嫌悪のおかげもあってか、いつもより直に言葉に触られてるみたいな、感覚。
 ごめんなさい。今、いっしゅん、突然、貴方のことを裏切ってしまいたくなったの。言葉の虜だ、愛おしさが消えたとかそんなんじゃなくて、今こころに貴方のラインが入ってくる余地がない。電波障害。美しい短歌による電波ハイジャック ああ!青松さん!!
 目の前で、尊敬する人が自分のために発声している。尊敬する人、気軽に好きなひとなどと書けないのも自意識だろ。口元しか見れない。スマホを見ながら書いている。静か、客観のあたしが顔を出していわれた言葉を解釈して、気づいた。これは″パニックになってる面倒くさい女オタクへのただしい対応″ だ。パニックになっているめんどくさい女オタク=事実。事実だから、嫌になる。興奮しているガチ恋女オタクじゃないか!こんなのは、違う断じて、違う。あたしは、もっと青松さんを心底尊敬している少し文学が好きな慎ましい女性のはずで。若い女オタク? 仕方ないのだけど、主観は操れないから。仕方ないのだけど、自己像との乖離!!あたしがなれない(なりたくない)人間と一括りだ!尊敬する人の脳内では、私と彼女たちは同じ箱の中に住んでいる。何度かお話しすればするほど、どんどん無駄な発話をしていて、
 青松さん、恋ではありません。(恋とかいう単語も使いたくないですが、これは、あたしの自意識の問題です)言葉に惚れました。それと、新しい世界と繋げてくれてありがとうございます。それだけを言いたかった、それだけなんです、

 自分の特別じゃなさ、を正面から見つめられるようになって、いつか愛したいねー、自意識。

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