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イロナキモノ

このところ急に冷え込みまして、鮮やかな色の季節が急に終わってしまったような気がします。とはいえ落ち着いた色、ひいては色がない、というのも立派な "イロ" の一つ。

そんな感じだったり、そうでもなかったりする雑談。

白い動物

世の中の動植物には、初めから白色をした種も多くいますが、そうではない種の中にも、稀に白色の個体が生まれることがあります。そんな彼らは "アルビノ" と呼ばれています。

彼らは黒色の色素 "メラニン" をアミノ酸から生成する酵素の働きが弱い、または全くないという、先天的な遺伝子の特徴を持っていて、そのため白色をしているというより、体色が全体的に薄いと言った方が近いみたいですね。

例えば "シロウサギ" と聞いて思い浮かべるのは、白い毛並みに赤い瞳、だったりしないでしょうか。彼らは皆アルビノのウサギで、自然界で稀に生まれるアルビノを、品種として安定させたものだそうです。

シロウサギの例のようにアルビノの特徴は、体毛をはじめ黒に近い部分に顕著に現れるようで、中でも瞳は淡い色をしていたり、毛細血管が透けて赤く見えたりするそうです。白い姿と合わせてなんだ神々しいですね。

アルビノの蛇 "白蛇" は、蛇という種に対しての畏怖も相まって、各地に伝承が数多く残っているそうです。一説によれば正月に飾る鏡餅、あれもトグロを巻く白蛇の姿を模したものだそうですよ。

水晶髑髏

色素が薄くて白く見える。ならばさらに薄くなったら……
そう、透けてしまいますね。

そんな透けるとんでもない物、それがこちらの水晶髑髏。

こちら、冒険家であり作家でもある "ミッチェル・ヘッジス" が 1927 年に発掘した、オーパーツだというのです。

1970 年代の調査では、元は一つの水晶の塊だというこのドクロ。表面には道具による加工の跡が見あたらないほど、綺麗な造りをしているそうです。当時の技術でそんなことが出来るはずもなく、それ故にオーパーツだと言われています。

……というのは過去の話。2000 年に入ってからの調査では、表面にダイヤモンド研磨剤を用いた加工の跡が見つかり、古の遺跡由来の遺物ではないことが分かったそうです。

しかもこちらの品、1940 年代にオークションに出品される予定だったのをヘッジスが購入したのだそうで、その購入記録も残っているそう。それに加え、1920 年に発掘したというのに、この品に関してのヘッジスの記録が 1940 年後半以降にしかなかったりといった有様。詰めが甘いぞ!頑張れ作家。

幻の身体

透明というと目に見えない様を連想しますが、先ほどの水晶髑髏しかり、実際は割と目に見えるものです。しかし、確かにそこにあるように感じるのに、誰にもそれを見ることが出来ない、という現象があります。

"幻影肢"、または "幻肢" と呼ばれるそれは、多くは何らかの事情で手や足を失ってしまった人に現れる症状で、何もないはずの体の延長線上に、確かに自分の四肢を感じるのだそうです。そればかりか、幻肢は自由に動かすこともでき、また幻視を上手く動かせないケースでは、その場所に強い痛みを感じるのだとか。

さらにこの幻肢は、先天的に体の一部がない場合でも起こることがあるそうです。詳しいメカニズムは解明されていないようですが、人間の脳とは不思議なもので。

昨今ですと VR の世界で "ファントムセンス" というものがあるそうです。その感覚を持つ人は VR の世界で、吹く風であったりアバターの尻尾を触られる感覚であったりを、実際に感じ取ることが出来るのだそうですが、それも幻肢の一種なのかもしれませんね。

おわりに

VR といえば、先日 VRChat で廃神社へ散歩に行きました。

見えないものが見えたり見えなかったり、興味深い体験でしたが、夜中に行くものじゃないですね……
いや、VR 上はずっと夜なのですけども。



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