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アーマード・コアから離れられなかった話〈1〉

高校生の頃、友人の家に毎週のように入り浸っていたときに、友人のゲームの高速周回を眺めていた。
何をしているのかはさっぱりだったが、ガチャガチャ動いてオペレーターが色々話しかけてきてシステムエラーとかなんとか言ってた。何も分からなくても一つだけ理解したことは、それがとてもかっこよかったことだった。

後にその友人からソフトを譲り受けプレイすることになる。

そのタイトルは、アーマード・コア ヴァーディクト・デイ

文字通り人生を変えたゲームである。

※記憶が著しく風化してるので間違ったこと書いてるかもしれませんがスルーしてください。まだコーラルが抜けきらずコジマ粒子で汚染されたままなんです



注意


この記事には個人の考察と妄想が7割、妄執3割で構成されております。
実際のゲーム内情報との差異があったり、当時の時系列がおかしかったり、記憶違いなこともありますが、どうかスルーしていただきたい。
それなりに断言しながら語っていますが、あくまで思い出を振り返るのが主目的なので頼むからスルーしてほしいです。
完全に内輪ノリの記事です。

はじまりのはじまり

アーマード・コアのことは、ゲームを始める前からなんとなく知ってはいた。
中学の頃に、二次創作小説サイトをクラスの奴から蒼運命と某ハイスピードメカバトル学園ハーレムラブコメの二次創作を教えてもらい、そこから検索の末にアーマード・コアfAの二次創作が見つけたのが出会いである。思い返すと二次創作が出会いなの、なんか変な導線だな…。

読んでてパーツの名称が出て来るたびに、これなんでこんな細かいの?とか、なんかすげえ世界の話してるな…?とぽわぽわな状態で読んでいたのだけ覚えてる。

まさか、アーマード・コアのせいで人生狂うとは思いもしなかった。

※ちなみにそのとき読んでた二次創作小説は、今もサイトで検索すれば出てくる。片方は今も更新が続いている御長寿作品。中身詰めながら更新し続けてて本当にすごいと思います。

いらん話も挟みつつ、こんな感じでなんとなくめんどくせえロボゲーと言うイメージからアーマード・コアに近づき始めていた。人、それを終わりの始まりという。

アーマード・コア、実は積んでた

はい、お恥ずかしい話、当時僕は積みました。

なぜかというと、このときまでにやったことのあるゲームで、カスタムロボゲーに対する勘を養う機会もなければ、操作が全く覚えきれなかったのである。

ということで、それまでにやっていたゲームをできるだけ全て書き出してみる。(強調しといて何だが、絶対書き漏らしある)

・ゲームボーイ
スーパーマリオ6つの金貨
TETRIS
ハローキティのスウィートアドベンチャー ダニエルくんにあいたい
ドラえもん 対決ひみつ道具

・ニンテンドーDS
ガウストダイバー ディープブルー
流星のロックマン2 ベルセルク&シノビ
流星のロックマン3ブラックエース
ドラゴンクエストⅨ
マリオカートDS
NEWスーパーマリオブラザーズ
メタルファイトベイブレード 

・任天堂Wii
スマッシュブラザーズ亜空の使者

・PSP
モンスターハンター2G
モンスターハンター3rd
ダンボール戦機
ダンボール戦機W
メタルギアソリッド ピースウォーカー
ゴッドイーター
ゴッドイーター バースト
Fate/Extra 
Fate/Extra CCC

・ニンテンドー3DS
モンスターハンター3G
モンスターハンター4
モンスターハンター4G
モンスターハンターX
モンスターハンターXX

・PS3
バトルフィールド4
ガンダムブレイカー2


と、こんな感じである。この中でぎりぎりアーマード・コアに近いものと言ったらダンボール戦機とガンダムブレイカー。
ただ、ガンダムブレイカーはパーツ強化でいくらでもどんなパーツも最強にできるのでライザーソードを放つ初代ガンダムで無双地味たことができたし、ダンボール戦機はアーマード・コアよりもカスタムが簡単で、バトルシステムもわかりやすく視覚的に見やすかった。キリトカスタムのパーツ全部かっこよくてずるい。

断言するが、本音を言うとアーマード・コアはパラメータが難しすぎる。
カスタム要素に慣れていても、パーツ特性が一長一短なものを見極めるのに時間が掛かるし、パラメータに何が書いてあるのか理解に時間がかかる。
いざアセンブルしてストーリーに挑戦してみればジェネレーターが最悪でブースト吹かせたらすぐにエネルギー切れ。気づけばブーストチャージを誤操作で出してしまい変なとこで動きが止まる。
このゲームには今までのように適当にやって適当に勝てるところが本当に少なかった。
そのまま試行錯誤していたが、本当に無理だった。

このゲーム、なんかかっこいい雰囲気はわかるけどもうクリアできないと匙を投げて心がポッキリ折れてしまったのだ。

出会ってからの第一印象は最悪な状態でのスタート。傭兵とは名ばかりのただの物見遊山の粗製であった。

ニコニコ動画MMD杯で運命の再会

確か、もう少しで卒業だったか受験だったかで、勉強しなきゃって感じで、まぁ焦りは…あった…かな…?あったと思う。うん。
なんかガンダム00とかリリカルなのは見てた気がする…。気のせいだと思いたい。
2010年代の若人であるクラスのオタクの間でもニコニコ動画の話をしていたので、夜は動画漁りに時間を費やしたものだ。
そんな中で、おや?と目についたものがあった。
それが以下の動画である。

ふこれは、アーマード・コアMMD作品、再生数で括ったときにトップに来る動画作品である。
この動画は一度見ればわかるが、びっくりするくらい。歴代作品の名機体が大量に出た上で総力戦を繰り広げているのだが、オープニングオマージュやらストーリーオマージュ。果ては夢の共演から妄想でしかなかった時代を超えた主役機VSラスボス機体と、今で言うアベンジャーズEGみたいなオールスター作品だ。
その中にはもちろん、積んでいたACVDの機体もいた。というか初っ端ガチャガチャ背中を変形させている変態兵器たちがそれである。

そして、思い出した。
友人の高速周回、このミサイルじゃん!ヒュージミサイルじゃん!

アーマード・コア、こんなやばい機体いるの!?

何この演出!コメントによるとオマージュなのか…
なにそれ知りたい!見たい!

でも積んでるしな…クリアできなかったよな…。

そして、もう一本動画を見つける。
それがこれだ。

一言で言うなら30分でわかるACVD。
そう、紛れもなく未クリアの者にとっては完全なネタバレ動画である。

こいつまじ?クリアしないで先を知ってるよ。イカレてんだろ…。
まさかの粗製くん、ネタバレからのリスタートである。
ネタバレにはなってしまったが、この動画ゲーム内での実機プレイ映像もあって、それがもう本当に魅せてくれる。本当に機体の特色を生かした魅せプレイなので見ててワクワクする。構成自体もわかりやすく、流れてくるコメントもプレイヤーたちのクスッとくるコメントが多く、もう一度戦場に駆り立てるには十分な燃料となったのだ。どうでもいい話だが、俺は無所属のターンが来たときに流れるネタ機体や再現機体たちになんか死ぬほど笑った記憶がある。赤城の機体とシナンジュはまじで好き。元を知っているならみんなにも見てほしいくらいだ。

その後も動画を漁り、アーマード・コアというゲームの本当の姿を知ることになる。
アセンブルを理解した先にある勢力戦。数百本近く動画を出している傭兵の対戦動画を見て、こう思った。

俺も勝ちたい。こんなカッコいいプレイをやりたい。


憧憬と妄執

単純だったのですぐにゲームを立ち上げた。
ノートの1ページを破ってアセンブルのパラメータの意味を調べてメモした。跳弾や貫通、衝撃の意味を調べたとき、なんで勝てないかを理解したし、武器はただ威力じゃ計れない相性があるとも学んだ。
連日の動画あさりの時間は、そこからアセンブル研究に費やされた。
積んだ原因となったミッション、市街地に配備された敵戦力の排除ミッションは気づけば軽くクリアしており、死神部隊とも会った。
ぶっ壊れた人形共を撃破するミッションはまた心がへし折れかけたが、こっちも無人機をオートキャノンタンクにしてむりやりクリアした。あれは薬に近い。プレイヤーが撃破されてるのに無人機が一人で敵を溶かしてるのを見たときは別の意味で心がへし折れかけた。

そしてオペレーターのマギーはファットマンの下から居なくなっていた。

段々動画で見たような動きに近いことができてやりがいを感じていた。
軽量機体でWパイルバンカーを決めたときは本当に脳が溶けるかと思ったし、タンクで引き撃ちを覚えたときには依存症に悩まされ、暫くストーリーのAC戦はタンクでなければ勝てなかったほどだ。

そしてストーリー攻略の中で出会ってしまったのが、死神部隊所属ブルー・マグノリア。
そう、ファットマンと主人公の元から去ったオペレーターのマギーと思われる機体である。

2回ほど、ストーリー上で彼女とは戦うのだが…本音を言うと正直とても辛かった。

死神部隊リーダーによって戦場から離れた彼女が、人の姿を捨てて死神部隊として戦場へ舞い戻ったというのもそうだが、今際の際に語られた黒い鳥への妄執、あるいは憧憬に灼かれた心の内を吐露したブルー・マグノリア戦には恐ろしく心を抉られた。

果ての果てで死神部隊を撃破し終えたとき、ネクストの模造劣化品に乗り込んだ死神部隊リーダーとその支援者である財団との決戦は涙なしでは語れない。

全て焼き尽くす黒い鳥、ACVDとは黒い鳥=イレギュラーに何かを灼かれた者たちの戦いの話であり、プレイヤーはそれらをすべて壊し尽くす話だとわかったとき、このゲームの中で何が成し遂げられたのかわからなくなったのを覚えている。
主人公が壊し続けた先には、タワーを巡る戦いの火蓋は切って落とされ、ある意味で世界の破滅に向けてのトリガーを引いたも同然である。

財団に、主人公たちは「生き延びるがいい。君にはその権利と義務がある。」と言われる。
ファットマンは生き延びてみせるさ。と応える。
その目的の善悪は問わず、全てを灼き尽くしたものは、その結果を見届ける義務があるのだ。つまりは、壊した責任を背負い続けろと。

"痛みとともに、この宇宙の向こうへ飛び立とう。"ACVDのBGMの一つであるCosmos new versionのこの一節は、この世界における戦い続けた先の希望を表す一節かもしれないと思った。

以上を踏まえてまとめると、積んでたアーマード・コアに復帰し、のめり込む切っ掛けは3つある。

1つ目は先人たちの動画。
2つ目はブルー・マグノリアに止めを刺したとき。
最後の3つ目は、財団に託された権利と義務の意味を考えたとき。

その日初めてDay After Dayの歌詞を調べて、聞いた。
歌詞を知り、意味を噛み砕き、解釈を呑み込んだその夜はずっと思い耽っていたことを覚えている。


職歴「傭兵→リンクス」

多くは語らず、記録とセリフで多くを考察するアーマード・コアに取り込まれ、過去作の履修を始めた。
アーマード・コアfor Answerは過去作履修の一本目だ。記憶が正しければ、このゲームは正直ハードにしなければそんなに難しいミッションはなかった気がする。それも全部、ホワイト・グリントの肩ミサイルが強すぎるんだ。修正されて当然だこのイレギュラーめが。
ただそんなぶっ壊れミサイルよりも、このゲームにはある意味でもっと恐ろしいものがある。それがシリーズの伝統であるアセンブルだ。
4系列の機体はネクストと呼ばれる超兵器が主役であり、これらはコジマ粒子を利用してありえないスピードで空中を飛び回る。
アーマード・コア6をやってくれた数多の冷凍マグロに言うならば、誇張しすぎなのは否めないが、やつらはどすこいエアちゃん号とかルビコニアンデスキュベレイレベルの空中戦を仕掛けてくる(少なくともイメージはあの2機でいい)。
後述するホワイト・グリントなんか、もう戦闘中どこにいるかわからないくらい飛び回って追いつけないので、気付いたら後ろからライフルで削られてアサルト・アーマーで撃墜されていたなんてことはザラである。

敵が空中戦を仕掛けてくるということは、勿論こちらも空中戦を仕掛けられる。
ネクスト機体は本当によく空を飛ぶ。簡単に空に浮き、ブーストを吹かせればあっという間に街を超える。これやったあとに5系をやると飛べなさすぎてびっくりするくらいだ。
そしてアーマード・コア4シリーズの醍醐味である空中戦の中でも、fAで出てきたVOBを装備した超高速戦闘はやはり外せない。

一度は世界秩序を崩壊させたネクストを葬るために生み出された超超巨大兵器アームズフォート。驚くべきその絶対防空圏は東京から千葉を覆うほど広大なもの。
ということで、リンクスたちは防空圏の範囲外から高速機動による奇襲をかけることでアームズフォートという質を超える量に対して対抗するのである。
この時代のリンクスにとっては基本技能扱いで、当たり前のようにアームズフォート壊してこいと企業は言ってくるが、普通に考えて経験を積んだリンクスでも結構難易度高いミッションと思われる。
時速二千キロオーバーのスピードで飛行して奇襲をかけるのは普通に考えてもどうかしてる。どうかしてるのに当然のようにやってしまう、やるしかないのが首輪をつけられた山猫たちの悲しき生き様でもある。

文字だけでも何を言っているかよくわからないと思うので、とあるオープニングを見てもらったほうが早い。

(これ公式の動画上がってないのね、知らんかった)

このオープニング、途中で肩からミサイルを撃っているが、あまりに早すぎてミサイルに近いスピードでネクストが飛んでいくという意味不明な光景が映る。
フロムマジックな動画と言われたらそうだが、設定の数字だけ見るとあながちマジックでないというのが恐ろしいところである。

さて、超高速戦闘がやばいとだけ話したが、そんなことしないと簡単に殺されるアームズフォート戦もまたなかなか楽しいものがある。

アームズフォートの一つであるスピリット・オブ・マザーウィル、通称かーちゃんは先述の通り東京都から千葉を覆う範囲を狙撃し、不用意に近づけばミサイルの雨で爆殺してくるえげつない六本脚の超超巨大兵器だ。
上記の動画に出てきたなんかクソでかい脚の生えた戦艦モドキがそれだ。あれがそのままゲームに出る。

この戦闘がまぁ面白いこと。

VOBでかっ飛ばしながら砲撃を紙一重で避け、VOBパージ後にネクスト単体で接近するときのミサイルと砲撃の雨には緊張感でハラハラできる。アーマード・コア6の採掘艦のジェネレーターを壊して誘爆による破壊をしたように、アームズフォートも弱点を徹底的に壊して活動停止に追い込むというのが基本の攻略になるが、スピリット・オブ・マザーウィルはその中でも隠れた破壊方法がある。
各ミサイル発射口や砲門を壊すだけではなく、スピリット・オブ・マザーウィルの中心部分の艦橋を破壊することで文字通り縦に割り崩壊させるという撃破方法だ。
左右3本の六本足なので、要は真ん中から割れば奴は重心を支えることができなくなり勝手に崩壊するという構造的弱点を突くという"賢い"やり方には当時夢中になったものだ。願わくばもう一度やりたい。あれハード移植かなんかしてくれないかなぁ。いつまでも待ってるから頼むフロム・ソフトウェア。

そんな感じで、アーマード・コア6とは比較にならないくらいの空中戦とスピードを求めてアセンブルでき、高速戦闘もでき、手に汗握る対超超巨大兵器戦まであるアーマード・コア4シリーズ。なんと機体バランスもアセンブルで調整できる。全身と武器、ジェネレーターと火器管制システム以外にスタビライザーをつけて調整するのだが、これの役割は何かというと、前面に重心を傾けたり、左に傾いてるのをスタビライザーにより右の方へバランスを取るというようなことができる、という認識でいいと思う。
ここぶっちゃけ拘らなくてもいいとこだなとか思ったのだが、人というのは不思議なもので、出来るものはやりたくなる。そして組み始めたら時間がみるみるうちに過ぎ去り、夕飯食べてアセンブルしてたら日付超えそうなんてことはチャメシ・インシデントである。

これ大学のときにやってたら大変なことになってたと思う。絶対夜通しやって平気で講義のときに寝るくらいしてた。

勘違いしないでほしいが、これは文句ではなく当時の自分にとっては嬉しい悲鳴だと言うことだけ留意してもらいたい。拘るところが多いということは、つまり間違いなくこの世で一機しかない俺だけの、俺しか乗ってもしっくりこないアセンブルが組めるということなのだから嬉しくないはずがない。

さて、4シリーズをプレイしている中で、またもやよちよち歩きのリンクス俺くんは憧れを持ってしまった。今回はストーリーキャラだ。

それは看板機体であり、おそらく歴代で最も名前が知られているホワイト・グリントその人である。

この機体、見た目からしてかなり早くて強そうだが、実際にストーリーで戦うと恐ろしく早くて恐ろしく強いのだ。

攻略中に水没王子と何度ともに水底に沈められたか覚えていない。

それほどホワイト・グリントにはコテンパンにされて、その空を飛び鮮やかに撃破してくるさまは今作での憧れの対象になるのに相応しい姿であった。

相手が恐ろしく早いからこっちも早くなろう理論はこのときに聞いて、試しに実践してまぁかなり有効な手であったのはここだけの話である。この戦法、攻略情報ほぼなしで組むにはイカれすぎてる。

そうして四苦八苦しながら攻略したが、まぁこの世界も詰みに詰んでることこの上ない。
コジマ粒子で汚染され尽くした地上でリンクスたちはカラードに首輪をつけられ、戦えば戦うほど地上の生存可能地域は狭まり、人々は清浄な空の上で超大型の航空機により安穏としている。
宇宙へ逃げようとしても、企業同士が互いの宇宙進出を邪魔するために無人兵器をばらまいて地球を覆い尽くしたせいで成層圏より上に人類は出ることができない。君たちはどう生きるかハードモードとしか言いようがない詰み方である。

どうにか救いはないかと思ったが、カラードに所属していたリンクスたちの中に裏切り者が現れて、清浄な空の上で暮らす人々を地上に引きずり降ろし、高出力エネルギーによって無人兵器を一掃しようとしたり、戦うのではなくただ殺すだけの道を選び人類という種の天敵となる未来を見たり正直散々な世界ではあった。

4の世界、カラードを裏切って宇宙進出する以外に生存の道はないのが終わっているのだが、まぁそんな中で生きるリンクスたちのかっこいいこと。

ただ、個人的に一番泣いたのは、fAの前作、アーマード・コア4。

主人公は元ノーマルACパイロットであり、瀕死のところをアナトリアの人間に救われ恩義のために傭兵として戦い続けるという義を通す好みのシナリオなのだが、なんとこのストーリーにもホワイト・グリントがいるのだ(順番的には有名なホワイト・グリントのほうが後なのでこっちが本家)。
ジョシュア・オブライエンの駆るホワイト・グリントは無骨なデザインで武装も堅実、実力はイレギュラーと呼ばれても差し支えないほどかなり高く、CVは中田譲治でイケオジの雰囲気を漂わせつつ、戦う理由は自身の故郷のためという主人公と似た境遇なのでまぁ思い入れが他のリンクスに比べて深くなる。リンクスの戦力ランク付けをするなら主人公とジョシュアのツートップというまさにどっかの眼帯と前髪、オペ子もいるし実質懐玉編でいいだろ。

ということでストーリーで散々最強の二人が壊して壊して壊し尽くした結果、リンクス戦争をこの二人で終結してしまう。
そう二人のイレギュラーの手で戦争が終わってしまったのである。頭おかしい何だこいつ。

結果的にこの結果に恐れを抱いた企業の手で、ジョシュアは故郷を人質に取られた上に乗ったら負荷で必ず死ぬ機体に乗せられて主人公を殺す命令を受け、そんなジョシュアからアナトリアを守るために主人公はコジマ粒子の汚染と期待制御負荷で限界の体で最期の決戦を迎える。

このときのゲーム画面は、主人公がコジマ粒子や元々のリンクスの適性の低さからくる負荷でボロボロなことを示唆したかのように視界の不明瞭さが目立つ。やけに画面の影が濃くなり、所々が黒くボケている。
ボロボロの体でジョシュアを殺したあと、主人公の視界は完全に無くなり、ネクストの駆動音。視界は完全に暗くなり、最後に聞こえたのはオペレーターからの「ありがとう」という感謝の言葉だった。

BGMは「Fall」。個人的には西部劇を思い出させるようなイントロや、ごく短い歌詞が繰り返されることが印象的なのだが、イントロが流れ始めてからジョシュアの機体が現れ「言葉は不要か」と話す彼の姿には鳥肌が立った。

イレギュラー同士共倒れになるこの終わりを見たときは、ひたすらに虚しい気持ちだったのは覚えている。もはやどんな言葉を交わしても、戦場に立ったからにはどちらかが死ぬことは変わらないのだから。

飼い主からの実質的な脅迫により仕組まれた決戦に誇りもなければ矜持もない。ただ殺し合うだけのこの決戦において最後を飾るのは守ってくれたものへの誠意と謝意だったのは、たった一つ守られた綺麗なものだと思う。
最後に言えるのは、Fallの歌詞を調べ、そして聞いてほしい。

この作品のエンディングが好きな身としては、今回初めてアーマード・コアに触れた冷凍マグロ諸兄が、この物語を知らないのは少々寂しく思う。僕にとってこのエンディングは、今回アーマード・コアに触れてその物語に少しでも心を震わされた者に見てほしいものの一つである。
視界不良や膝をついたかのような駆動音含めた演出は、ほとんどその真相が語られないが、そこに意味を見出そうとしたとき、共倒れで終わるだけに見える物語が少し綺麗に見えてくる。物語の闇の中で微かに見えた光でしかないが、そこに何かを感じ取って噛み締めることができるというのは、ゲーム体験として無駄ではないだろう。

ところで、ここまで見た人は少し気づくだろう。
じゃあ、次回作のホワイト・グリント誰やねん。と。

実に簡単なことです、ご友人。



僕にも!!!!!!!


さっぱりわかりません!!!!!!!!!!


強いて言えば、最後にオペ子とアナトリアから去った主人公が、何らかの方法で延命できて、アナトリアを失ったこととジョシュアを殺した責任を背負ってホワイト・グリントを名乗っているとかじゃないですかね。
掟破りの撃破後の再起動を果たすあたり機械的な延命がされてそう。
なんで主人公じゃないかっていうと、まぁホワイト・グリントのオペレーター、4の坂本真綾の子と同一人物だし…間違っては、ないでしょう、たぶん。

多分そうなんじゃないですかね!僕はそう思っています!そのほうがfAでホワイト・グリントを倒したのは過去の伝説を乗り越えて未来を掴むって感じで燃えますからね!

まぁ、アーマード・コアの考察なんてこんなのりでいいですよ。できるだけ見えてる事実に相違なければ見えないところは補完して好きなように解釈していいと思うのです。

突拍子もないものでなければ、それはそれでオリジナル考察としてニヤニヤできるので楽しいですよ。

僕はそれでジョシュア→死神部隊リーダーとか言う安直な妄想考察して楽しみました。オススメです。

そんな感じでリンクスにも無事転職したわけだが、お次に来るのはもちろん新作で数多のラップ巻きたちが名乗った王道のレイヴンに!

とは行かなかった。

Q.なぜ?
A.近くの店になかった



お前ここまで来ておいて嘘だろとなるかもしれないが、本当に近場でラストレイヴンのソフトが見つからず買えなかったため、動画で見るだけになってしまった。だからあまり多くを語ることができないが、あのときレイヴンとして登録された瞬間のプレイヤーは本当に羨ましいと思う。見ることしかできなかった身としては、自分の手でレイヴンだと認められたかった。
そうして、ラストレイヴンを動画で観測して、地上最後のレイヴンの名を受けた傭兵の背中を見届けたところで高校生活は終わった。

高校生活が終わってそこからの十年、レイヴンになれなかったことの後悔と憧れ、リンクスとして見届けた人類の可能性、そして傭兵として戦い続けたオリジンを抱えて、残された思い出をずっと心の底で燻らせ続けることになる。

記念サウンドトラック発売記念ニコ生での、フロム・ソフトウェアの「待っていてほしい。」という言葉だけを信じて、諦めて生きた十年のはじまりである。


妄執よ、音楽とともに在れ

さて、アーマード・コアの音沙汰がなくなってから数年、大学に入った頃に嬉しいニュースが飛び込んでくる。

なんと歴代全楽曲のサウンドトラック発売である。
勿論、予約して今も家に飾っている。家宝と言って差し支えない。思えばこれも今から6年前のことか…と記事を書きながら本当に感慨深くなっている。

ところで、それまでの間約3年間、どうやって食いつないでいたか。

答えは簡単である。楽曲の意訳を調べて調べて調べまくって飢えをしのいでいたのである。

本当にどれだけ聞いたことか。
少なくとも
Day After Day
Thinker
Thinker -reprise-
Stardust
Vanishing
Mechanized Memories -in the end-
Cosmos new version
Stain
Stain (A Perfect Day)
の10曲は今でも歌える。なんなら料理してるときとか掃除してる時の鼻唄は100%これである。つくづく救えない。

ただ友人諸兄には常日頃話しているように、上記10曲は本当にいい曲なのだ。

ということでそれぞれの曲の好きなところをそれぞれ話していこう(文字数稼ぎ)。
何となくの意訳を横に置いてあるが、基本的に意訳でしかないので直訳とは全然違う意味になるのであまり指摘しないでほしい。本当に。マジで頼みます。
あと内容の濃さに雲泥の差があると思うので期待しないでほしい。期待されるような記事でもないけど。


・Day After Day

Don’t forget a hole in the wall. 受けた傷は忘れない
I’m like ghost to turn in on the road. 私は、まるで死んでいるように生きている
Day after day, I stay around on far away. いつ迄経っても私の魂は戦場に囚われたままだ

Day after I‘ve got it. この場所に来てから
I’m going to stand on the floor. 私は亡霊のように戦場を飛んでいる
By the way, I found a flower a little way away. だけど、私はこの場所から忘れようとしていたものを見つけてしまった。
Oh, Way away. 忘れようとしたのに

To give surrender, my soul is wandering. 諦めたいのに、私の魂は今も彷徨っている。
To back on safe ground I’m calling on far away. 遠くから、あの頃の自分がずっと呼んでいる。
How far away? 私の魂は、どこに行ってしまったんだろう?

Don’t forget a hole in the wall. この傷跡を私は忘れない。
I’m like ghost to turn in on the load. 私は今も死んでるように生きている。
Day after day, I stay around far away. それでも私の魂の場所は戦場にある。

Day after I‘ve got it. 私が黒い鳥になれたとき、
I’m going to stand on the floor. きっと私はこの戦場に立ち続けられる。
By the way, I found a flower a little way away. でも、私はその道半ばである雛鳥を見つけてしまった。
Day after day things are rolling on. これからも、あなたの闘いは続くのでしょうね。
Day after day things are rolling on. 黒い鳥は、これからも戦場で飛び続けるのでしょう。

この曲に大きな問題があるとすれば、曲が良すぎて語ることないことなんですよね。いまさら何語るのこれ。
半分感覚だから説明できませんよこれ。マギーの無念と希望と憧憬と諦め、ACから降りたときのぐちゃぐちゃの感情が来る日も来る日もという曲名にかかってくるように思えてとても切ない曲だと思っている。

諦めた人間がなにか希望を見つけて再起する歌ではあるのだが、それがどうやっても主人公というイレギュラーを見つけて一線を越える決断をしたマギーの別離の歌に聞こえる。ある意味で愛の告白だと思う。お前らベストカップルだよ、ほんと。
この曲がなければ、ACのことでくすぶり続けることはなかっただろうと確信を持って言える。


・Thinker
・Thinker -reprise-(太字が追加歌詞)

I'm a thinker 私は思想家だ。
I could break it down その思想を壊すことだってできる。
I'm a shooter 私は傭兵だ。
a drastic baby それ以外のことを知らない。

agitate and jump out 誰もが戦場へと駆り立てられている
feel it in the will 私の中にも、それを求めているのを感じる
can you talk about deep-sea with me なあ、こんな世界をお前はどう思う?

highway to down and out 道から外れても、
push it on,round and round 突き進み、飛び続けた。
staying the way to the sun 私にとっての光はどこにあるのか。
no man knows me. その答えを誰も持っていない。

I'm sleeping well 私は死んだように眠り続ける。
no thinking it anymore もう光がどこにあるのかなど考えることもないだろう。
hey,I want to see the rising sun 「なぁ、俺は夜明けが来ることを望んだだけなんだよ」

the deep-sea fish loves you forever 私はいつまでも想い続けている。
all are as your thinking over すべてはあなたの思うままだ。
out of space,when someone waits there この世界の果てで、きっと待っている。
sound of jet,they played for out 音速を超えた先で、光は見つかるさ。

この曲、意訳つける難易度が本当に高すぎる。無限に解釈できるせいで意図した意訳や4の世界で感じ取ったことを乗せるのが難しい。そのうえでふわっとした感じで自分は意訳するしかなったのだが、4の世界というのは、誰もが人類の未来から故郷の将来など、なにかしらの未来について憂い、苦しみ迷い続けているように見える。
一方は義を通すために戦場に立ち続け、一方は故郷を守るために戦場に向かい続ける。戦火が広がるほど守るべきものが段々薄れていくのにそれをやめることもできないのがあの世界の悲哀なところだと思う。
リンクス戦争を終結させた二人のイレギュラーは双方とも決して手放せない大切な挟持があったが、ある意味で誰よりも平穏を望んでいたと思う。
深海で夜明けを探すくらい途方もなく意味のないことでも、二人は止まることはない。それでも探し続け、戦い続けるリンクスたちに向けた希望と悲哀の詩。
そんな感じに自分は解釈している。

・Stardust

Sunrise for me
Sunrise for me 

Go to do it さぁ、行くんだ。
To be your mind and heart 自分の直感に従え。
I've lost the moral to come to the place お前を縛るものはもうない。
Sleep in the coma そのまま眠ったっていい。
To be your mind and tears だが、涙を流すだけならば、
I've lost the moral to hold on my breath 何も考えず、一度深く息を吸うんだ。

Praying for stardust 星に願いを懸けようか
Go with the law お前の行く道が、
Shine it all around 正しくあるようにと。
Don't believe in me anymore 君のその選択に後悔がないように。

Praying for stardust 星に願うよ。
Don't believe in me anymore 選んだ未来を信じられるように

Sunrise for me さぁ、もうすぐ夜明けだ。


この作品の中でこんなに透明な曲ほかにないと思う。星屑の名前を冠したこの曲はfAのBGMなのだが、この作品はマルチエンディングになっており、主人公の選択により三つの未来を選び取ることができる。閉じた世界で緩やかに崩れ去る世界、平和を糧にして宇宙への道を切り開く世界、そして人類種の天敵としてすべてを壊す世界。そのどれもが、数々の戦場を渡り歩いた主人公が自分の意志で選んだ結末だ。この曲は、主人公の行く末を案じる誰かの曲だと感じる。
それはオペレーターかも知れないし、一つの可能性として全ての結末を共に見届けた愛機かもしれない。
どんな選択をとったとしても、そこに善悪や優劣の差はなく、等しく主人公の願った、選んだ未来には違いないと、選択したことを責めないで背中を押してくれる素晴らしい曲だと思う。
つらいときに歌う曲不動の1位は間違いなくこれ。


・Vanishing

Too Close 危ういね
How can you believe in good? どうして平和な世界があると信じられるんだ?
How can you be sure these facts? どうしてそんなに信じられるんだ?
Call me  返事をしてくれよ
Hello, hello 聞こえてるか?なぁ、聞こえてるか!

How can you believe in good? どうして平和な世界を信じられるんだ?
Vanishing world is in the clouds 雲の中に消えようとする世界なんだぜ?
Call me, hello, hello, なぁ、返事はくれないのか?なぁ答えてくれよ。
hello.. hello... he..llo... 聞こえてないのか?なぁ、聞こえてるか?

Wave I ride 流れに身を任せていても
To be tough 揺らがないように
Do the right 正しいと思えることをするんだ

Uh.. Stay on your mark 自分を忘れるなよ
Ahh... Here we are さぁ、ここからだ

Vの主題歌ともいえる曲です。
正直メロディーが頭に残りやすくて歌詞が聞いてて気持ちがいいんですよね。
気分的にはなんか主任なんだよねこれ。
それ以上でもそれ以下でもないって感じです。


Mechanized Memories
Mechanized Memories -in the end- (追加歌詞は太字)

Scary,fantasy 怖いんだ
All is fantasy 全てが幻であることが
Scary,scary 恐ろしい
So I'm scary (scary, scary) そう、ただ恐ろしいんだ
So I'm scary (scary, scary) 僕は怖くてたまらないんだ

Wake up, to keep the speed of sound さぁ、目を覚ませ、引き金を引き続けるんだ
Crack the code that's written by myself 自分の心を欺くのはもうやめよう
Dirt and dust damage your parts お前の手はもう汚れているんだ
Time is too short to count aloud 目を背けるには、もう遅いんだよ
Wake up! さぁ起きろ!
Like a sleepless owl まだそうやって偽るつもりかい!
Control your mind to alive 正しくあろうとする意味なんてあるのか?
Here is an invisible cave 彼女はもういないのにさ
Wake up and run if you want an end of the dark もう終わる世界なんだ、何も我慢しなくていいんだよ

Oh, I'm scary あぁ、怖ろしい
So I'm scary 怖ろしいんだ
All that I see 理解したんだ
Now I'm scary だからこうして恐れているんだ
All is fantasy (oh I'm scary) 全てが幻だ(あぁ、怖いんだろう)
All is fantasy (now I'm scary) 全て、夢なんだ(それでも怖いんだろう)
Minute of the end and does it still hurt? まだ正気でいる気なのかい?
In a rainy day, let's fight for counter 復讐を始めようか、太陽は隠れたよ
On the silent way, when do you get calling? 静寂の中から聞こえてくるだろう?
Look into the void, it's scary! 怖いだろうねぇ、これが君の本当の姿なんだからさ!
Minute of the end and does it still hurt? いつまでも引きずるなんて、まさに幻肢痛だね
In a rainy day, let's fight for counter 君の心はもう、正しくあることはないよ
On the silent way, when do you get calling? ほら、耳を澄ませて。聞こえるだろう?
Look into the void, it's scary! それはそれは怖ろしい、闘争を求めるあの声がさ!

Wake up, to keep the speed of sound 目を覚ますんだ。まだ終わっちゃいない
Crack the code that's written by myself 戦場に魅入られても、まだ歩みは進められる
Dirt and dust damage your parts その手が血で塗れ、心が闘争を求めようと
Time is too short to count aloud 血に堕ちるのはまだ早いんだ
Wake up! 目を覚ませ!
Like a sleepless owl まだ息はあるんだろ!
Control your mind to alive 自分の生き方くらい自分で決めるんだ
Here is an invisible cave 未来なんてもう見えなくても
Wake up and run if you want an end of the dark 好きなように生きて、好きなように死ぬといいさ

Scary, scary 怖かった。痛かったんだ
Minute of the end and does it still hurt? 引き金を引いたときから、ずっと痛かったんだ
In a rainy day, let's fight for counter 炎が機体を覆い尽くすとき、ナニかが手を伸ばしてきた
On the silent way, when do you get calling? 耳を澄ませたら声がしたんだ
Look into the void, it's scary! 黒い鳥が、僕を見つめていたんだ

Minute of the end and does it still hurt? 引き金を引いたときからずっと痛いんだ
In a rainy day, let's fight for counter それでも、この雨の中進むしかないんだ
On the silent way, when do you get calling? 耳を澄ませろ、それでもまだ聞こえているか?
Look into the void, it's scary! 戦場に囚われた心の悲鳴が

amen,amen,gospel amen 来たれ、来たれ、光明よ来たれ
amen,amen,gospel amen 来たれ、来たれ、福音よ来たれ
amen,amen,gospel amen 叫べ、叫べ、魂の求めるモノを
amen,amen,gospel amen 願え、願え、死に行く傭兵達へ安らぎを

はい、名曲です。ACシリーズの中でも有名どころなのは間違いないです。
これはRemenberのアレンジになるのだが、まぁ無機質に機械的になっているアレンジである。
それもそのはず、曲名がまんま機械化された記憶だ。これはACVDにおける敵勢力のファンタズマビーイングと呼ばれる計画の産物である死神部隊のことを歌っている。
ファンタズマなんちゃらってなんだよってところがわからないとまるでこの分が意味をなさなくなるので説明すると、要はAI集団とでもいえばいいだろうか。人工的に天才を生み出すことで、先天的な戦闘適正を持つ存在を作り出すというのが目的の計画だ。
ACVに出てくるゾディアックという部隊もこの計画の一部から産み出された存在である。
戦闘能力の高いパイロットの遺伝子からクローンを作成。そこから薬品や遺伝子操作、人体改造による元の人物から更なる戦闘適正の底上げを図り、その中で最も適性が高いクローンの体を、脳組織も含む全てを機械化してACに組み込むというあまりにも人道から外れた存在である。
共通してこれらを搭載したACのパイロットの声はまるでスピーカーを通しているかのようにノイズが入っており、無理な改造がたたっているのか情緒も不安定な場合がある。
極めつけは、ただ撃破しても戦闘行動が少しでも可能であるならばたとえコクピットブロックと思われる個所が爆発し火花を噴き出しても戦闘の継続が可能なのだ。ブルー・マグノリアは、機械化されてもなお二度と何にも負けたくないという強い執念により実際に主人公たちに半壊状態で戦闘を仕掛けてくる。
マギーが主人公のもとを去り、死神部隊として戻った時点ですでにもう死亡していたのだろう。計画について知ると、あの時戦ったのはあくまでマギーの調整されて作り直されたクローンでしかない。
クローンは元の人物と同一人物だろうかという問いがある。これは非常に答えが難しい。そこには各人の思想と哲学が介入しなければ答えが出ない問題であり、正解など存在しないのだから。
自分の答えとしては、これはマギーではないが、ブルー・マグノリア本人ではある、だ。
主人公の知っているマギーは、過去の負傷でACから降りたオペレーターとしてのマギーであり、主人公たちのもとを去った時点で、もうマギーはこの世のどこにもいないのだ。だが、戦闘の天才を作り出すというこの計画によって生み出された彼女は、それこそかつてACに乗り名を轟かせた伝説の女傭兵そのものであることに疑う余地はないと考える。傭兵というものは何時だって戦いの中に生きるものであり、戦闘における側面を抽出し作られた存在であるならば、彼女はまぎれもなくブルー・マグノリアその人なのだから。
原曲というのもおかしいが、原曲のMechanized Memoriesは戦いだけを求めて人間を捨てたパイロットへの皮肉の詩なのだろうという風に考えている。
深淵を覗くという歌詞の通り、戦場への妄執の果てに見えるのはもう戻ることはできない地の底なのだと歌っているのだから。

さて、-in the end-の話に入ろう。
この曲はアレンジされた曲の再アレンジというある意味で三次創作のような曲なのだが、再アレンジにあたり歌詞が追加されている。
この歌詞が追加されてことで意訳の解釈がいくらでもできるようになったのだが、自分の中の解釈ではこの歌は作品中のある3人を歌っていると考えている。黒い鳥と呼ばれた主人公、黒い鳥に運命を狂わされたマギー、そしておそらく黒い鳥を含むイレギュラーと何か因縁を感じさせる財団の三人だ。
財団はACVDのストーリーにおいて、誰よりもイレギュラーに拘っていた。

死神部隊リーダーが駆る機体はN-WGIX/v。この機体はACよりもはるかに巨大なこの機体は、どこかホワイト・グリントの面影がある。
財団は、それに対して「世界を破滅させたこの機体」と呼んでいる。
もしかしたらこの世界はACfAと地続きなのではという考察のもとになっているセリフなのだが、それを抜きにしてもこのセリフは非常に興味深い。
ホワイトグリントに似た姿を指してこのセリフを言うということは、彼はもしかしたらfAの世界の存在、もしくはホワイトグリントたちの逸話がまだはっきりと世界で語り継がれるほど近い年代のものになる。
こう考えると先述のジョシュア=死神部隊リーダーという仮説の補強にもなる。もともとファンタズマビーイングは、イレギュラーによる著しい秩序の崩壊を危惧したことが発端となった計画であり、コントロール可能な人口のイレギュラーを産み出すことで秩序の維持と天然のイレギュラーの排除を目的としている。
ジョシュアはまさしくイレギュラーであり、彼の戦闘分野の一面を切り取ったのがリーダーであるなら、言葉の節々でジョシュアを感じ取ることができるのもうなずける。
ジョシュアをリーダーとして据えたのが財団であるならば、やはり彼の話を実際に見聞きした元の人物の記憶と記録があるからこその選出だし、あの機体を造ったのも納得である。財団の意訳部分は主に前半だ。彼はイレギュラーという深淵に魅入られたからこそ固執し、最後もあれほどイレギュラーのことを認めないと話していたと思う。だからこそ、この歌には財団の妄執を詰め込みたいと思って意訳をつけている。
そして、この曲は後半にGospel,Amenという歌詞が来る。元のアレンジではRemenberのこの部分の歌詞はないのだが、再アレンジでは追加された。それはなぜなのか?財団は、主人公たちに最後に言葉を残す。タワーという人類の手に負えない超兵器の塊を巡る戦争が始まった世界を見届けて生きる権利と義務を、財団は言葉にして主人公へと送った。ある意味でそれはこのまま戦争で滅ぶしかない人類を見届けろと馬鹿にしているようでもあるが、財団の声の雰囲気からすると、それは宣告でもあるのだろう。自らを神に近いものと定義して、死人をよみがえらせて神に仕える天使のように死神部隊を置くさまを見るに、財団というものは新世界の神になろうとしたようにも感じたのだ。歌詞の前半に財団の妄執を入れたいと思ったのはここからだ。
これは、神になれなかったものからの祝福の言葉なのだ。権利と義務を主人公に背負わせる構図は、まさしくACシリーズの大きなオマージュであり、かつて4に近い世界で生きたものと思われることからRemenberの歌詞を最後に持ってくるという、自身の考察を膨らませていった結果味わい深く心に突き刺さる一曲となってしまったのである。
書きすぎて何言ってるかわかんなくなってきた。

さて、長々と書いてたらこの時点ですでに2万字という大長編を迎えそうなのでこの辺にしておく。ちなみにこの時点で曲に関して話すのは結構満足した。ほかにもいい曲あるからぜひ聞いてほしい。
以下の3曲は本当にお勧め。あとAC3のオープニングも。

Cosmos new version
Stain
Stain (A Perfect Day)


そろそろACに乗らないと死ぬぜ!

2022ねん12がつ9にち
きょうは、おしごとでくるまで40ぷんかかるとこにいってきました。
つかれたのでちゅうしゃじょうでやすんでました。
どっかのあほからしんさくでるぞといわれました。
「おい、言っていい冗談とだめな冗談はあるんだぞ。」
と、ぼくはおこりました。この世界においてアーマード・コアの新作が出るというウソやリーク情報はたくさんあって、それはこの世で最も重く罪深い行為であるからです。

https://x.com/denfaminicogame/status/1601059530158505984?s=20

どっかのアホからのコメント「なんと冗談じゃないらしいぞ」
なお以下の画像の時系列は下から上に時間が進んでいる。

筆者当時の反応1
筆者当時の反応2


筆者の当時の反応3

圧倒的情報量により、直ちに脳内のニンジャソウルが高速解析を開始。
『アーマード・コア』
『新作が出る』
『AC6が出る』
『フロム・ソフトウェア』
『PV』
『2023年リリース』
『ARMORED CORE6』


【解析中】


『アーマード・コア6が発売される』


使えないニンジャソウルだ。さっさとスレイされろ。

すっごい混乱してるね。
これもまぁしょうがないとは思う。おかえりじゃなくてただいまって感じのとことか、必死に絞り出して結局意味不明な文なのが本当に切羽詰まってる。
10年の間に何度もリークやら何やらのうわさが流れては消えていき、ダクソが売れてフロムはダクソだけ作ってればいいとかいろいろ言われてた時だったので、当時かなりうんざりしていてもはや何も見たくねえ状態だったのだ。そんな中でも、ACシリーズに思いを馳せることはやめなかったのだ。
デモンエクスマキナをやった。ジェネリックACと言われたが普通に一つのゲームとして名作でとても面白かった。
ガンダムブレイカー3で永遠にカスタムをしたが、これはACではなく、ガンダムである。
やっぱりアーマード・コアに求めてるものはアーマード・コアにしかねえんだ。代わりなんてない。
何度も影を追っても影すら見えず、最後に縋ったのはサントラ記念生放送で言っていた「待っていてほしい」の一言。
本当に、本当に長かった。

長かった。

この10年で学生から社会人になったし、元号も変わった。

住む場所は変わったし、幾分か大人になってしまった。

それでも、常にどこかで燻ったのが残っていて、ずっと燃えていた。

ありがとう、フロム・ソフトウェア。私は、この時をずっと待っていた。
ACVDからの新参でしかなかったが、やはり10年の月日は長かった。

この量のツイート、短文であるがこの間2分である。


そしてその日の夕方がこちら。


https://x.com/menoena/status/1601135075172978689?s=20


この日、レイヴンになれなかった傭兵に火が点いた。点いてしまったのである。


ということでこのトレーラーについて話そうと思う。

このトレーラー、何回も見ていると本当に構成が良く練られている。
まず、最初はこのゲームタイトルが何かを悟らせない不穏な気配を漂わせる。
真っ暗闇から紅い光が迸り、星を飲み込む様は、見ているものに何故?を与えてくる。この何故がシンプルなのがとてもいい。
人はシンプルで派手な謎というものに飛びつきやすい。
光は何を表している?
なぜ稲妻のようになっている?
巨大な建造物が爆発に巻き込まれたが何かの自己?それとも自然災害?
そうしたら、星を飲むこむレベルって戦争だろうか?

このように最初の数十秒でゲームに対する予備知識からできるシンプルな考察が働き、映像に人をのめりこませることができる。

そしてこのトレーラーが公開されているのは世界中のゲーマーが集う会場だ。
この時点でこれは何のゲームだろうかと猶更わくわくさせることだろう。

さぁ、このトレーラーにゲーマーの心を引き込ませるのは成功した。
そうしたら何をするべきだろうか?
まず第一にやらなければいけないことは、このゲームがどんなゲームかをわかる人にだけ察せさせることだ。
わかる人にだけ伝わるというのは悪いように聞こえるだろうがここでは違う。
荒廃した大地でそれっぽいロボットの腕が出てきてジャンクパーツを拾う。ここで歴代のファンなら何となく察すのだ。
このそれっぽい独特のデザインは…

「これはまさかACでは!?」と。

そうすると、会場では息をのむ音が所々で聞こえるだろう。配信コメントではまさか〇〇?と予想のコメントが、たった数秒の時間で湧いてくる。

周りの空気につられて気づかなった人間もそこで察しが付くのだ。

ただ、この時点でもうすでにフロムの罠だ。

トレーラーの画面には二足歩行のロボットがたたずみBGMがだんだんと盛り上がり社名が出てくる。

見ているものは完全に理解するのだ。タイトルが出なくてもアレの新作が来ると。フロムのロボットであの前口上で始まったなら間違いないと。

何度もこのトレーラー見ているが、ここまでのつかみの構成が本当にうまい。うますぎる。

自分がはじめてみたときに感動したのは次のポイントだ。

MTたちの頭上を飛び越えてくる機体が4脚なのだ。

そう、4脚ACがこの復活劇における真のトップバッターである。

アーマード・コアの魅力としてはまさにカスタム要素が挙げられるが、その中でも4脚というのは非常に珍しい部類ではないかと思う。

2脚はもちろんのことタンクなどは他作品でも多く見かけるが、4脚というのは本当に見る機会が少ない。

冒頭の軽量2脚はジャブにしか過ぎない。アーマード・コアの帰還の祝砲は、4脚という特異な機体シルエットによる最大のインパクトであるのは間違いない。

本当にうまい。脱帽だ。

伝説の帰還を象徴する4脚が繰り出すは訳のわからんバラマキ攻撃。MTは爆発四散。活かした4脚の後ろ姿が爆発の花で映えるね。
いや、何その攻撃知らん…。なにそれ…おもしろ…。

特異な奴を出したらへんてこ兵器を出すに限る。お前らは馬鹿か。インパクトだけで勝負してんじゃねえか。すき。

その後に来るのはおなじみのガチタンと後にルビコニアンデスコプターと呼ばれる初心者の登竜門の群れ。あんなもん群れててたまるか、一機でいい。ついでに出たジャガーノート。プレイしたあとだとジャガーノートのほうがついでみたいになるの面白い。
個人的にここまでですげえ楽しく騒いでたのは2脚が展開したパルスシールド。正直パルスシールドの正体に気づかないでずっと一人で「プライマルアーマー…!?プライマルアーマーだと!?」と騒いでた。
fAのチュートリアルミッションのモブ兵士みたいなこと言ってるこいつ。

まぁ、頭の片隅ではコジマ粒子あるわけないやん。ってのは思ってたんですけど、あの演出すごいそれっぽかったよね。

さて、映像も終盤、きっとここらで主役機やろな〜〜〜〜〜と僕の期待も大幅に上がっていく。高跳びクラスのハードルを超えるにはどうするかな?かな?

ホワイト・グリントみたいなのは、うーん、ないかなぁ。VDの時みたいなカメラアイ変形とかあればいいかな、変形ってのはやっぱ大体何かしらでやってたし、それはやるかなー。あーあー!どんなのかな〜〜〜〜〜〜!!!!!

そして解答

フロム「アサルト・アーマー出すよ」

1kill

フロム「パイルバンカーもちろんあるよ」

2kill

フロム「チャージできるよ」

3kill

フロム「ホワイト・グリントみたいなかっこいいヘッドパーツだよ」

ダブルkill


フロム「ついでにカメラアイ切り替え変形するね」

マッチポイント

フロム「武器切り替えは背部ハンガーね!」

GAME SET!!!!肩部ラックとおさらば!!!!!!!

フロム・ソフトウェアに一生ついていきます。靴でも舐めますか?イオリの足も舐めたし、フロム・ソフトウェアさんならいくらでも舐めますよ。お日様の香りじゃなくて血なまぐさいね。獣かな?クソが。

※ルビコニアン・アーマード・コア・ゴーストの生態
VDでは肩部ラックで両腕武器を入れ替えており、機体の肩側面にデカデカと武器が載るためすげえ兵器感が出てかっこいいが、何かしらのガンダム再現とか見た目重視のアセンの際にシルエットが大きく崩れる苦い思い出が多々あったので喜びの鳴き声を上げています。
ただ機能性だけ求めてたあのハンガーも好きです。見た目重視のときに悩まされたってのだけ。
みんなもACVD、やろう!



十年と半年、どっちが長かったでしょうか?


答え   終わりが見える半年。(配点100)

さて、この間にプライベートでもヤバイ級インシデントが勃発していた。

そう、転勤である。

そもそも、半年前から通告されていたが、先輩が倒れてその穴埋めに走ったり、先輩が倒れているのを発見してその穴埋めにみんなで一致団結したりしていたら転勤の機会を逃し続け、ついに年末直前に「あ、伸びに伸びてたけど、お前来月で転勤して貰えんか」って言われて目ん玉アサルトブーストするかと思った。
この瞬間は家探しやら引き継ぎやらで正直アーマード・コアのこと頭から飛んでたと思う。



意外と余裕あったかもしれない(ない)


そんなこんなでついに年明け転勤して僕を待っていたのは仕事の山!
ではなく、先輩の応援だったので、転勤前よりも遥かに優しい職場であった。

この間も結構事件はあるにはあったが、アホすぎて語ることもない。

そんな中夜間作業で頑張ってるときに、一報が飛び込む。
トレーラー公開のニュースだ。



ついに来た!ついに!

まさに気分は「生きてる!動いてる!」だ

いやぁ、このトレーラーすごいですよ。

だって、世界で初めて戦友が映ったんだから。

正直いっぱい話したいことはある。けど、それは本編の話するときに取っておくので、ここでは2点だけ。

まずはいま話した通りラスティについて。この時点で彼は不思議な立ち位置に見える。
味方のようにも見えるが、どうやら完全な敵でもない。傭兵と言う立場を考えれば、きっとどこかで敵対したのではないだろうか?と予想できるのに、こいつはあろうことか、戦友と呼ぶ。
誰の味方でもあり、誰の敵でもある傭兵に対して、仮にも友の字が入る呼び名を使うのは、非常に奇っ怪だ。少なくとも利害の一致以上の何かをこいつは見出してるようにも思える。
正直こういうキャラクターをAC乗りの中であまり見かけた覚えがないので本当に今でも初見のインパクトが忘れられないくらい不思議な雰囲気を漂わせている。
つまりすごく魅力的で楽しみということ。


2つ目に、識別名「レイヴン」だ。
正直、ここで本当に頭割れるくらいぶち上がった。
どう考えてもこれは主人公に向けて言ってる。しかも主人公は強化人間だ。人権剥奪の象徴くらいに感じてた強化人間の傭兵に対して、レイヴンと呼ばせるのは、何か言いようのない興奮を感じる。

前述の通り、僕は「レイヴン」になれなかったことに非常に強い後悔を抱いている。同時に「レイヴン」になりたいという強い憧れも抱いていた。
過去作の経験者たちが、動画の中で思い出を語るコメントを見ては、レイヴンになった先達の思い出に羨ましさを感じていた。
そうして十年、熱は上がりきったと思い込み、今更レイヴンになる気力もなくなっていた中で、フロム・ソフトウェアは主人公に「レイヴン」の名を継がせたことが本当に嬉しかった。

アーマード・コア6、発売まであと半年。




後編に続く

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