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最後の恋愛があまりにもダメージ強すぎて今や男嫌いのステータスまできた。②

依存性。

中絶手術を無事に終えた。

お寺に二人で供養に行った。

志田を憎む気持ちと、好きな気持ち交互に現れていた時期だった。

気に入らないことがあれば、何かにつけて子供を奪われた母親のごとく、さめざめと泣いてみせたり。そんな時は決まって志田は私を長い時間をかけて慰めた。罵る相手であっても、自分を傷付けた相手であっても、この苦しみをぶつける事ができるのは志田しかいなかった。完全に依存していた。



結婚したくない理由。

時間がたつと、いずれ傷も癒えてくる。


ある日志田は私に言った。付き合いも7年ぐらい経った頃だったと思う。

「嫁とは別れた。だから結婚しよう。」

その言葉に私は酔った。嬉しかった。やっぱりこの男は私が必要なのだ。そう思うことで優越感に浸った。

しかし、嬉しかったけど結婚の話は濁し続けた。私に結婚願望は全くなかった。娘を持つ母親特有の考え方なのか、それとも私が考えすぎるタチなのかはわからないが。娘(わが子)から見た血の繋がらない父親という人間を完全に信用できない自分がいるのだ。小さい頃はかわいいかわいいと育てていればいい、でもいつか女として子供を見るようになり、痛ましい事件が起こっているのを見聞きすると再婚なんてできないと思っていた。そういう意味で志田をパートナーとして信用しきれない自分がいる。それに相手が誰であろうと、娘が独立するまでは再婚なんてありえないと思っていた。

「娘が成人したら一緒になれるといいねー。それまではこのままでいいやん。お互い仕事もあることやし。」と言いながら未来に希望を持たせる。そうやって恋人として普通に付き合っていった、何年も。



復讐のための浮気。

更に歳月は流れる。
私は40代。


遠距離恋愛は自由な時間がたっぷりある。コンパに参加しようが、男性とデートしようがほぼバレない。志田と付き合いながらも、何人かの男性と付き合った。長続きはしなかったけど。それは志田が私をなだめ、甘やかし、ちやほやしてくるのが良かったから。ほかの男性はここまで私を甘やかさない。
この頃から志田に対する思いは、好きというよりも「都合のいい男」になっていた。地元で男の子たちと遊び、物足りなくなったら志田と会う、そんな感じで。志田は、呼べば来る。わがままを言えば叶える。本当に都合が良かった。こうやって振り回しているのは復讐の意味もあったのだ。

【当時のつぶやき】
悪い人ではないが、都合のいい人。偏った愛情なのか固執性からくるものなのかあの感覚には最近付き合いきれない。あたしが志田から消えたくなるのはもう仕方ないことなのかも。恩とか情とか一般的な話で片付けられるほど生半可ではない。期待はしない。タイミングがあえぱそこにいる人、ただそれだけ。


ある日、志田が私の行動を疑い出した。浮気してるんじゃないかと責めた。売り言葉に買い言葉で「そう、だから?●●君と会ってるのが何が悪い?」と開き直り私は浮気を認めた。別に志田にバレたところで、怖くない自分がいた。志田のことを好きではないのでどうでもいいのだ。別れてもいいという勢いでまくし立てた。あんたは私を騙して不倫して、子供まで中絶させて偉そうに説教しないでと。

その後も事ある毎に、執拗に浮気を責めてくる。しつこい、くどい、女々しい。

私が突き放すと、泣き言を言いながら悪かったもう言わない、だから戻ってきてくれとLINEをよこす。その割に、また浮気を思い出しては私を責める、そんなことを馬鹿みたいに繰り返していた。
浮気を責められる⇒浮気に至る理由を考える⇒浮気は私の欲望でもあるが、志田の嘘に対しての復讐でもある⇒浮気を元に言い争う時、必ず中絶のフラッシュバックが起こる。毎回、中絶に至った過去を思い起こし、言いようのない憎悪が込み上げた。こんな状態にいい加減辟易としていた。


感情を乱されるのも乱すのも、飽きてきた。

46歳になったころ、すっかり志田に対しての気持ちは冷めていた。私は仕事も忙しくなり、会いたいという志田に対し半ば無視するようになっていた。


そろそろ潮時かなと思った。
付き合った期間、18年以上だ。
全期間、志田のことを好きだったというわけではないが、紛れもなく最初のころは真剣に好きだった。後半は復讐すべく彼を振り回していたが、いい加減そういうのにも飽きたのだ。

何をどう言って別れたかは覚えていないが、志田とさよならをした。いつものごとく、泣き言LINEを送ってきたり、鬼電を寄こしてはよりを戻そうと必死だったけれど、私は志田のLINEを消した。電話番号も着信拒否をした。メールも。すべて。

長い長い遠距離恋愛が終わった瞬間だ。呆気なく終わった。今までも何度かこういう別れの危機が訪れたが、連絡先は残しておき、縋ってくる志田の様子をしめしめと眺めていたのだが、すべてバカらしくなった。

志田のちょっと変な人ぶりが顕著になってきたのが気になっていたのもある。(これはまた書きます)


【当時のつぶやき】志田は死ぬまで私を理解しようとはしないだろうし、勝手な解釈でいるはずだ。私は志田を理解したくないし、激しい嫌悪感しかない。発達障害気味の男と離れられなかった自分は悲しい程どうでもいいプライドを維持するだけの惨めな女だったわけ。もうそんな自分とは決別。
【当時のつぶやき】何回も別れて、何回もより戻すカップルは本当は根本的にダメであって、それは好きなんじゃなくて、 ただ寂しさを埋めてるだけの関係。「寂しい」と「好き」は一緒ではない。
【当時のつぶやき】別れたいと思ってから4年でやっと。依存してたらかズルズルと。無駄な時間だった。結局なにも成長できてなかった。自己満足のみ。別れてからの自分の精神度の方が逞しいと思うし好きだ。もうあんなクソ野郎なんて関わりたくもないしこうやって思い出すのもむなくそわるい。




~補足~

今はあの頃の自分がバカだな(笑)と思える余裕もあるし、志田のこともすっかり過去の黒歴史の一部なだけだ。思い出すと臟を締め付けられ、膣の辺りから内臓が抜け落ちるような感覚になるが、これは過ちを起こした自分自身への戒めだと考えている。一生この感覚は消えないだろう。いいのだ、これで。忘れることは出来ないし、わすれたくない。で、まだ続きます。(汗)