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リメンバー病院祭  3.味見ていどの視覚化

リメンバー病院祭                   3.味見ていどの視覚化  

 COVID-19感染拡大防止のため、2020年から職場の行事は中止となりました。 その1つが、「病院祭」でした。 同僚にはあまり言えませんが、中止になったことで1つ業務が手から離れたことに、自分は安堵しました。                              病院祭から距離ができた今、病院祭のことを書き留めておくことにしました。

 病院祭で、自分の所属科は「体力測定ルーム」を担っていました。
 所属科で行っていた準備の1つが「カンファレンスで討議すること」でした。たとえ、毎日の所属科朝礼で伝達できそうな些細なことであっても、カンファレンスを通すことがルールとなっていました。

 ところがこのカンファレンス、話が脱線して長引いてばかりで、何かを討議するとなれば居残りは必至です。カンファレンスは勤務時間後に始まります。自分は早く帰宅したいので、カンファレンスの間、毎度そわそわしています。

 カンファンレスの脱線予防と時間短縮にできることがあるのではないかと考え出したのは、病院祭担当が巡ってきたときと同じ時期でした。転職したての頃に比べて、周りのスタッフとのつきあい方が自分なりに掴めてきた時期だったと思います。

 自分が病院祭の副担当となった年に、主担当だったのはリハビリ助手のアニキさん(仮名)でした。
 アニキさん(仮名)に、「体力測定」の配置決めに毎年20分近くかかっているのを何とかしたいことを伝えました。20分というのは、多少サバ読みしていますが、アニキさん(仮名)も口をとがらせて「いつも脱線するっすよね」と言っていました。
 
 毎年、配置決めを口頭のみで行っていたことが、自分には超人的に見えたことをアニキさん(仮名)に告白しました(下の2枚のイラストは、「リメンバー病院祭 2」でも使いました)。

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 単に「時間を縮めたい」と言っているだけでは、話は進みません。
 アニキさん(仮名)に脱線予防と時間短縮のために、目で見てわかるものを提示して行いたいことを相談してみました。

 主担当のアニキさん(仮名)は、話しやすくて頼りになる方でした。 だから、安心して「カンファレンスの時間を縮めたい」ことを相談することができました。

 カンファレンスでは、ホワイトボードを使ったことが無く、また事前資料が配られることも滅多にありませんでした。視覚的云々について、アニキさん(仮名)もあまり触れたことが無かったと思うのですが、このプランに乗ってくれました。

(1)裏紙を使って   
①新聞紙ぐらいの大きさの包装紙(使い古し)を用意しました。

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包装紙の裏に「身長測定」、「体重測定」、「握力測定」から「受付」まで縦に書きだして、それぞれ右に、後述する「氏名カード用」のスペースを作りました。

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 8か所の配置に対して二人配置すると仮定して、16枠のスペースを作りました。 当日、突然体調を崩して欠席する場合も踏まえて、配置に余裕をもたせました。        

②不要になったA4の裏紙を、名刺サイズぐらいの大きさにに切って、1枚ごとにスタッフ一人の氏名を書きました。 スタッフ10人の氏名を書いて、余った6枚に「看護師」と書いて合計16枚、即ち16枠を埋めるカードを作りました。

③この氏名カードを、クリアファイルなどに並べて貼っておきました。写真
クリアファイルにしておくのは、セロテープでのつけ・外しが楽にできるからでした。

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④カンファレスでは、アニキさん(仮名)に包装紙を持ってもらいました。包装紙の裏に書いたそれぞれの「配置」の右横の開いてるスペースに、 配置が決まったスタッフの氏名カードをクリアファイルから移しました。

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⑤クリアファイルに貼ってある氏名カードが無くなったら、配置決めは完了となることが視覚的に分かるようにしました。

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 途中で脱線することなく、およそ5分で配置決めは終わりました。
 「脱線予防と時間短縮」が叶いました。カンファレンスの後でアニキさん(仮名)とこっそり拍手しました。

 ちなみに、包装紙の裏紙は リハビリ助手であるアニキさん(仮名)が使用後の包装紙を捨てずに「何かの役に立つかもしれない」とストックをしていてくれたものを使いました。お金をかけていない、ということも、ささやかながらアピールしたい点です。
 
 もう1つ、包装紙の裏紙を使う前にスタッフの了承をいただいておきました。これが、案外重要だったのかもしれません。
 少し説明します。

 カンファレンス前に全てのスタッフに
「体力測定の配置決めは、今回は包装紙の裏紙を使わせてください。自分が覚えきらないものですから」
と了承を得て、カンファレンスに持ち込みました。 アニキさん(仮名)と相談して、このようにしました。

 予告せずにカンファレンスに持ち込むと、
「一体何が始まった?」
とスタッフが戸惑って、逆に時間がかかってしまうだろうと思ったからでした。

 アニキさん(仮名)も
「そうりゃそうっすね。一体どういうことーって声が上がって、時間がかかっちゃったら元も子もないです」
と言ってくれました。

 翌年に自分が主担当になる予定だったので、この包装紙の裏紙を再利用しようと思っていました。

(2)2度目はパワーポイントで

 翌年、自分が主担当となり、再び体力測定の配置決めの時が巡ってきました。もちろん時間の短縮を目論んでおりました。
 前の年に使用した包装紙を畳んで保管していたのですが、湿気などでヨレヨレになっていました。再び同じものを作成するのは止めて、パワーポイントで作ってみました。


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 パワーポイントを使ったときも、配置決めは約5分程度で済みました。
 
 しかし、包装紙の裏紙の時もパワーポイントを操作した時も、ポニー先生(仮名)とリボン先生(仮名)は表情が硬かったことを覚えています。

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 いくらカンファレンス前に伝えておいても、従来のやり方を踏襲しなかったことに引っ掛かりがあったのかもしれません。あるいは、時間が短かったことに物足りなさがあったのかな、とも思いました。

 その翌年も、「脱線予防と時間短縮の策」が用いられたのか…というと、その年こそ2020年。COVID-19感染拡大防止のため、病院祭自体が中止となってしまいました。

                          2021年5月30日





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