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メンズ脱毛サロンにおける全身脱毛の販売戦略徹底解説 ~1万円未満で売り込む経営上のリスクとその回避術を知る~

『全身脱毛今なら8,000円!!』

というメンズ脱毛サロンの広告を最近よく見かけるようになってしまいました

これを読んでいる方の中にも、ご自身のサロンで1万円未満で全身脱毛を売っている方はいらっしゃるのではないかと思います。

初回のお試し料金など、限定的な値付けなら全く問題ありません。

不要なコストを下げに下げてギリギリまで利益を削ってお客様のために身を切る値下げも許容できるものです。

しかし、

『安くしたらお客さん来るやろ』
『他店より安くしてお客さん呼び込もう』

このような考えの下に男性向け全身脱毛を1万円未満で販売するのは、メンズ脱毛サロンの経営にとって重大なリスクが生じ、危険である断言します。

ですので、「今だけ何とか稼げれば…!」という方以外絶対にやってはいけない売り方です。

では、なぜ男性の全身脱毛を1万円未満にすることにリスクがあるのか。

このリスクはどのようにしたら回避できるのか。

これについて解説していきましょう。

筆者ミヤキは2015年からワンオペのメンズ脱毛サロンを経営中。

自店の全身脱毛は10回コースのみ38~45万で販売。

最も多いとき月5件の成約がありました。(当時の販売価格40万×5件=200万)

自分の場合、全身脱毛にかかる労力が半端なく大きいためあまり売りたくないと考えています。

特に他のパーツごとの施術のお客様がいらっしゃる中で全身脱毛を多く入れこんでしまうと、施術のクオリティが保てなくなります(それだけ体力も集中力も使って全身の施術をする)。

なので、常に大きくプッシュはしてないのですが、売上を作りたいときには大幅な値下げをせずサクっと売れる状態を常にキープしています。

今回はこの経歴からの視点で、「全身脱毛は1万円未満じゃないと売れないだろうに」と考えている方に、

・価値あるものを正当な価格で売って良い
・高額な無形商品を提案、成約できる

というマインドセット(≒心構え)をお伝えします。

そして、男性向け全身脱毛を1万円以上の適正価格で戦略的に販売できるようになっていただくためのノウハウを覚えていただきます。

「自分のことでは?」と感じた方はぜひご購読を。


【メンズ全身脱毛を1万円未満で売ってはいけない5つの理由】

まずは、なぜ1万円未満の全身脱毛が危険なのか、その理由を5つお伝えします。

・単価が絶対に上がらないから
・コストパフォーマンスが最悪だから
・低評価に直結するから
・打つ手がなくなるから
・事業自体が短命になるから

この5つをそれぞれ具体的に掘り下げていきます。

①1万円未満のメンズ全身脱毛は単価が絶対上がらない

メンズ脱毛において、全身脱毛は単価UPの最終兵器です。

これを値下げして売ってしまった場合、それ以外のメニューの価値はお客様にどう映るでしょうか?

全身脱毛が安くなれば、それ以外のメニューはほぼ見向きされなくなります

その結果、サロンのメニュー全体が相対的に値下げされます。

全身脱毛以外のメニューをオーダーするお客様が少なくなればなるほど、客単価はどんどん低下

つまり、売上UPを狙った施策が逆に売上低下を招くことになるのです。

②1万円未満のメンズ全身脱毛はコスパ最悪

例えば次の3つのメニューがあったとします。

・全身脱毛 1時間10,000円
・ヒゲ脱毛 30分7,000円
・VIO脱毛 50分10,000円

これらを、照射数、労働量、リピート率、etc...のサロンの経営という視点で見たとき、費用対効果が高いメニューはどれになるでしょうか?

時給で換算もしてみましょう。

すると、一番コスパが悪いのが全身脱毛となってしまいます。

そもそも男性の全身を、漏れを起こさずに毎秒10回の照射で施術するとして、一切手を止めなかった場合でも最低1時間かかる計算になります。

実際の施術では、ジェルを塗る、体勢を変える、手を止める、などの時間が随時加算されます。

丁寧に効果を出そうとすればするほど、1万円未満の全身脱毛はサロン側のコスパがどんどん下がっていきます

加えて照射数が増えハンドピース交換の期限が縮まるものの、手元に残る利益額が減るため、交換したくてもできなくなるというリスクも発生します。


③1万円未満のメンズ全身脱毛は低評価に直結

全身脱毛と言えば、元々高嶺の花。

それが1万円未満で安売りされていれば、お客様は殺到するでしょう。

集客につながるのは良いことです。

しかし、その多くの全身脱毛のお客様を施術し続けなければいけない状況になってしまうと、どうでしょうか?

回転率重視になり、お一人当たりにかける時間をギリギリまで切り詰めなければいけなくなってしまえば、施術の質も落ちてしまいます

マシンの消耗、ヒートアップも避けられません。

その結果、効果に満足できないお客様を量産することになってしまいます。

せっかく多くのお客様を集めても、評価が上がらなければ認知拡大にもつながらなくなります

安売りが成功しても、そもそもの目的である脱毛による体毛殲滅が失敗してしまえば、その後の集客に間違いなく悪影響です。

④1万円未満のメンズ全身脱毛はその後の打つ手がなくなる

メンズ脱毛において全身脱毛はバックエンドでもあります。

フロントエンドに単品脱毛があってこそ全身脱毛が活きます。

つまり、

初来店でヒゲ脱毛からスタート
 ↓
効果を実感できたのでVIOも追加
 ↓
他の部分も気になったので、全身に挑戦

このような流れが、本来メンズ脱毛ビジネスでは非常に理想なのです。

それなのに、初手から全身脱毛を格安で売り込んでしまえば、追加部位は当然ゼロに。

仮に残った部分を単品で施術していったとしても、その脱毛が完了してしまえば、その後稼ぐ策はほぼゼロ

フェイシャルエステメニューや、ボディケアメニューがあればまだリピートに繋がりますが、脱毛一本で勝負している場合は卒業のみということになってしまいます。

※バックエンド、フロントエンドが分からない方は、ぜひ検索してください。マーケティング的に必修な概念です。

⑤1万円未満のメンズ全身脱毛は事業が短命になる

前のセクションでもお伝えしたように、初手から全身脱毛を、しかも格安で提供した場合、しっかりと効果を実感したお客様は満足して卒業するのみです。

効果が出ずに不満を抱かせてしまったお客様も、「全身でこれなら単品でする価値もない」とフェイドアウト。

いずれにせよお客様はどんどん少なくなります。

結果、常に新規を探し続けなければいけない自転車操業を繰り返すことに。

毎月1万円前後の売上が数名分ゴソっとなくなるのは、このような経営状況ではかなりの痛手

新規が獲得できない不安が募り、営業にも支障が出るでしょう。

開店休業のような状況が続き、予約表は一週間先までほぼがら空き。

こうなってしまうと、せっかく予約をしようとサイトを覗いたお客様も、

『このお店本当に大丈夫か…?』

という不安を抱き、予約をせずにサイトを離脱する可能性が非常に高まります

売上の確保もできないので、広告を出稿しようにもできない状況。

全身脱毛以外の売りがなければ、最悪の場合3か月前まで満席だったにもかかわらず閉業、のようなことにもなりかねません

集客を主目的としてメンズ全身脱毛を1万円未満で安売りするリスク

ということで、男性向け全身脱毛をお客様を呼び込むためだけに1万円未満で安売りしてしまうと、

・単価が絶対に上がらない
・コスパが最悪になる
・低評価に直結する
・打つ手がなくなる
・事業自体が短命になる

という危険性についてお伝えしてきました。

集客目的で安売りしていた方、お心当たりはなかったでしょうか?

もしあるならば、ここからの「リスク回避術」もぜひしっかりと読み込んでいってください。


【メンズ全身脱毛は自信を持って提案し、正当な価格で販売せよ】

改めて強調しておきましょう。

全身脱毛はメンズ脱毛店における単価UPの秘策、かつバックエンドメニューです。

・全身脱毛一本だけで売上を作り続けていく
・もう閉業するから、そこまでの息継ぎのために全身脱毛で単価を獲っていく

こういった明確で正当な理由がない限り、軽々しく値下げしないことが正攻法です。

では正攻法の売上の作り方とはどのようなものなのでしょうか?

まずはメンズ脱毛サロンとしてではなく、マーケティング的王道の正攻法を確認しましょう。

間口を広くし、知ってもらう
 ↓
興味を持ってもらい、問い合わせ&来店してもらう
 ↓
フロントエンド(小規模、少額のサービス)を買ってもらう
 ↓
リピートしてもらい、ファンになってもらう
 ↓
より濃いファンの方向けにバックエンド(高額、高品質なサービス)を買ってもらう

このようになります。

セミナーを受けたことがあったり、情報商材を購入したことがあったりする方は、この流れを経験したことがあるのではないでしょうか?

例えば…

初めは100円でPDF資料を購入。
その際登録したメールアドレス宛てに、随時メルマガが届く。
内容がとても興味深いので、そのノウハウを手に入れたくなる。
ノウハウ紹介の無料ウェビナーに参加したら、3か月50万円の実践講座の案内があった

メンズ脱毛サロンでも、この王道の流れは基本的に同じだと考えてください。

▼マーケティング的に正攻法でメンズ全身脱毛をどう扱うか

そうなると、次のように言い換えることができます。

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