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チョコパイの本質:供与する幸福感

庶民的おやつの最上級

大人になったと感じること

大袋のお菓子を1人で全部食べることが許されていること

この感度は内容量・個数・個単位の大きさに比例し、特に個単位が大きなお菓子ではこれを成し遂げた時の優越感がおおきい。わたしの場合、その代表例が「チョコパイ」である。

6個入り

お菓子のサイズ縮小問題

世の中には「カントリーマアム問題」という、ムーアの法則に匹敵するほど有名な予想がある。

原材料の高騰、情勢不安、為替の変動などの影響で値上げがなされる。ところが、販売価格を上げずに内容量や個数を減らすことにより価格を維持する、「実質値上げ」が日本企業では一般的だ。これは、日本の消費者が目先の価格の変動に敏感な点を考慮してのことである。この実質値上げの波はもちろんチョコパイにも及んでおり、販売初期と比べて現在では個単位で2gの減量がなされている。また同時に販売価格も上昇しているので、見かけが小さくなりすぎないような調整がなされていると考えられる。

チョコパイの絶対的・相対的サイズ

チョコパイのサイズは実際にやや小さくなっているが、わたしはチョコパイ減量の時期と成長期が重なっているので、小さくなったと感じることに対し,減量の影響だけがあると断言することができない。

チョコパイが小さくなりすぎてしまったのだろうか
わたしが成長して小さく感じるようになってしまったのだろうか

絶対的な、客観的なサイズの減少の影響なのか
わたしの身体との相対的な、主観的なサイズの減少の影響なのか

こうした対立がどうであれ、チョコパイが与えてくれる幸福・満足度にほとんど差はない、というか変わらない。チョコパイの物質的な大きさと、それがもたらす幸福感には線形な関係がない。ここで、私たちは、チョコパイを表象する、現前する"クリームをはさんだソフトケーキをチョコレートで包んだ円状のお菓子"を越えた先に、チョコパイの本質と呼ぶべきものを捉えることができる。

チョコパイの本質はサイズには在らず

チョコパイのサイズが変わったとしても、わたしがチョコパイから得られる幸福感には変わりがない。箱を開けた時、個包装を開けた時、口に入れた瞬間、食べ終わった時、一貫して口角は上向のベクトルで表される。この感情に変化はないのだ。

ある"もの"が個体・形質の変化に依らず持つものを"本質"と呼ぶならば、チョコパイの本質とは、我々に幸福感を与えるところのものだ。我々は、チョコパイを経口摂取することにより、それがもつ"幸福感"を取り入れ、幸せを感じるのだ。ここには、その形状は影響を与えないので、サイズが変わったとしても同じ幸せを感じることができる。

おわり

コンビニでの2個売り、スタンダードな6個売り、ファミリーパックの9個売り、個数が減少しても、個単位の重量が変わってもわたしのチョコパイに対するスタンスは変わらない。いつでも口に入れたら幸せを感じることができる、"お口の恋人"なのだ。

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