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【中国コスメ】輸入代行は偽物・粗悪品を売る悪の業者なのか?

中国コスメを買おうと思うと、大きく分けて3つの方法があります。

日本国内で販売されているものを買うか、輸入代行に頼んで海外から買い付けてもらうか、自分で個人輸入するか。

主に輸入代行業者について、不透明性から不信感を持つ方も多いと思います。薬機法の観点に基づき解説しようと思います。

3,000文字くらいあるので、まったり読んでください。

国内販売・輸入代行・個人輸入の違い

日本国内で在庫を持ち、中国コスメの販売を行なっているのは現状ブリリアントプラス、ZEESEA(製造販売元:スターデザイン株式会社)など。
国内在庫を買うのは「日本での使用が認められた成分だけ使われている」「成分がわかりやすい」「国内在庫があるのですぐに手に入ること」がメリットです。

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次に輸入代行。
パンダホリック、秘密(mimi)、凛凛などが該当します。日本未発売のコスメを中国で代わりに購入し、発送してくれる業者です。花西子や完美日記などの日本在庫がないコスメも対応しているので、「日本未発売のコスメを買うことができる」「日本語しかわからなくても海外コスメを買うことができる」のがメリットです。

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最後に、個人輸入。
海外のショップへ自分で発注を行い、転送代行などを用いて自力で中国コスメを買う方法です。
様々な理由で輸入代行が取り扱わないショップから未発売のコスメを買えることや、確実に公式から買えることがメリットです。

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成分検査をしているのは基本的に国内在庫を持つ販路だけ

上の図でお気づきの方も多いと思いますが、化粧品の成分検査は国内在庫を持つために必ず必要な行為です。逆に言えば、輸入代行では成分検査を行う必要がないため、日本で許可されていない成分が含まれるコスメを買ってしまうこともあります。

海外と日本では化粧品配合成分の基準が異なります。たとえ、海外で流通しているものであっても日本では化粧品への配合が禁止されているものや配合の上限が設定されている場合もあります。

引用元:化粧品輸入・販売マニュアル2020

日本で化粧品を輸入・販売する場合は、日本で禁止された成分を含むことはできません。

■医薬品医療機器等法第61条
化粧品は、その直接の容器又は直接の被包に、次に掲げる事項が記載されていなければならない。ただし、厚生労働省令で別段の定めをしたときはこの限りではない。
(中略)・原則、配合されている成分すべて

引用元:東京都健康安全研究センター

そして、化粧品を日本で輸入・販売する場合は、容器またはパッケージに成分を原則的にすべて記載する必要があります。

つまり、日本国内で流通している化粧品については、「日本国内で認められた成分が記載されたラベルが貼られている」わけです。

しかし、それが適用されないのが輸入代行と個人輸入。これらの場合は成分表記をする必要もありません。

a. 化粧品の輸入は、厚生労働省許可「製造販売業」「製造業」しかやってはならない。
b. 製品の品質面の全責任は、自社製造か否かを問わず、輸入業者が負う。
c. 輸入業者は、製品1種類ごとに以下の4つをやらなければならない。
●所轄の各当局に、輸入する製品を届出。
●製品に配合されている成分の確認(検査機関に分析依頼)
●(配合成分が基準に適合しない場合は、処方を変更。)
●製品に成分のすべてを明記(成分ラベルの貼り付けなど)。
個人的に使う化粧品を「個人輸入」することも違法ではありません。また輸入代行業者に依頼することも違法ではありません。 (中略)このような製品を使い消費者に不利益が起きたとしても、不利益の責任は消費者自身にあります。

引用元:BSJジャパン

許可されていない成分が含まれるコスメを使っても、法律違反で捕まるということではありません。ただ単純に、成分に関して国内で保証してくれる人は誰もいない、ということです。

個人輸入をする人は、大抵において海外で購入するプロセスを経るため、このリスクを受容した上で輸入している方が多いと思います。一方で輸入代行を利用する場合においては、日本語のみでやりとりができてしまうため、国内で化粧品を買う感覚と同じような雰囲気で買っている方も多いのではないかと推察されます。

そのため、「国内で認可されていない成分が入っている化粧品を販売するなんて、悪徳業者だ!違法業者だ!」と思う方もいるかもしれません。

でも、彼らは化粧品の販売をしていません。輸入代行ですから、購入者の要望に応じて海外のショップから品物を買い付け、購入者の代わりに日本へ送っているだけなのです。

輸入代行は悪、ではないけれど

なので、輸入代行は粗悪な化粧品を販売しているわけではないんです。成分検査をする義務も、成分表記を正しく行う義務も、成分を保証する義務もありません。ただ、消費者の代わりに購入と発送をしてくれるだけです。

しかしながら、何かあった時に問い合わせに応じてくれるのか、身元はしっかりしているのか、という事は大切かと思います。

特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。

出展:消費者庁

輸入代行が出店しているプラットフォームであるshopfyやstore.jpでは、販売ページのフッター(下の方)に「特定商取引に関する表記」という項目があります。

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出典:ブリリアントプラス

ここをクリックすると、企業名や個人名(個人事業主の場合)が確認できます。その住所が公共施設のものであったり、実在しない住所である場合はちょっと疑った方がいいです。

成分の面で様々なリスクを負う以上、自分が誰に代行を頼んだのかくらいは把握しておくのが賢い消費者かと私は思っています。

国内在庫を抱える業者は要チェック

業として(商売のために)化粧品を輸入する場合は、許可が必要です。

化粧品を輸入・販売するにあたっては、あらかじめ「化粧品製造販売業」と「化粧品製造業」の許可を取得する必要があります。

出展:化粧品輸入・販売マニュアル2020

国内に在庫を持ち、そこから発送する業者の場合は上記の許可を取得している必要があります。

例えば、ブリリアントプラスさんは特定商取引に関わる表示のページに、化粧品製造業許可証と化粧品製造販売許可証の番号を書いて、自分たちが許可を受けていることを証明しています。

ZEESEAの製造販売元であるスターデザイン株式会社さんも、これらの許可を得ていることをホームページに明記しています。

しかし、聞くところによると、国内に在庫を持っていながらこれらの許可を得ていることを明記していない業者もあるそうで。

そうしたところは、一度業者を疑ってみてください。薬機法に違反している可能性があります。

もちろん、法律とか関係ないから早く買いたいし可愛ければ何でもいいみたいな人がいるのも理解していますが、そういう方はこのnote読んでないと思いますので。

まとめ

・成分がわからないと不安な人や、国内化粧品と同じ成分水準を求める人は国内在庫から買いましょう。ブリリアントプラスさん、7月に池袋パルコでイベントやるらしいよ。すごい楽しみです。

・成分に関してはリスクをとるけど、日本語でやりとりしたい人は信頼できる代行業者を選びましょう。Twitterやインスタだけでなく、特定商取引に関する記載に疑わしい点がないかもチェックしてね。

・冒険したい人や中国コスメを探すプロセスを楽しみたい人は輸入代行を使わず個人輸入してみましょう。何か相談があればmeowのオプチャまで。


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