藤子F

めけラヂオ配信後記~トキワ荘の青春

2019/5/12 第321回 配信後記
トークテーマ:トキワ荘

僕は比較的、漫画と距離を置いた生活を幼少の頃に過ごしてきました
ウルトラマンや仮面ライダーといった特撮ヒーローや手塚アニメ、スーパーロボット、タツノコアニメ、梶原一騎のスポ根ものは好きでしたが、オバQやドラえもん、おそ松くんはあまりピンとこなかったし、パーマン、キテレツ、ハットリくん、怪物くんもスルーしてきました

石ノ森章太郎原作の特撮ヒーローは好きでしたが、漫画はほとんど読んだことがありませんでした

僕のマンガ体験は永井豪の『デビルマン』の単行本を町の歯医者さんで読んだのが最初だったかもしれません

その意味ではトキワ荘は、僕にとってそれほど人生に影響を与えた存在ではなかったのですが、ゴールデンウイークに川崎市にある藤子・F・不二雄ミュージアムに家族で遊びにいったときに、子供たち(大学1年生と高校2年生)に、僕が知っているトキワ荘の面々がどれだけすごいのかとか、藤子不二雄はFとAがいて、これはFで、だからプロゴルファー猿やハットリくんはここにはいないんだけど、オバQは共作だから、いるにはいるけど、ドラえもんとキテレツがメインなのは、こうこうこういう理由で・・・といろいろと話をしました

”ああ、これって、迷惑な昭和のおっさんだわ”と想いながらも、小学生でも中学生でもない、大人になりかけた子供たちに改めてトキワ荘のことを伝えるべきだと、なんだか思ったのが、今回トークテーマに選んだ理由です

相方の方が圧倒的に日本のマンガ文化については明るいので、ほとんど原稿や進行を彼に任せて、”それでFとAは仲は良かったのか、悪かったのか”とか”なんでここまですごい人たちが集まったんだろう”といった疑問に対する答えを、ある程度得ることができました

配信の中で”サロン文化”という話がでてきましたが、日本においては夏目漱石、森鴎外、太宰治などが通った店などがよく知られていますが、ようは文化人のたまり場です

トキワ荘は衣食住を共にし、志や仕事や理想や現実がごっちゃまぜになった”サロン文化”というよりは、文科系の同好会や倶楽部に漂う”青臭いく斜に構えながら夢を諦められないこじらせた人たち”の”煙草の煙と安酒と空腹を満たすだけの粗末な食事”の風景が、どうにも愛おしく思えてしまうのでした

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