見出し画像

恋人と別れて性格も未来も明るくなった話


ここに綴っていた恋人とお別れした。

お付き合いする前はデートの後に「かまってくれてありがとう!」と言われて傷ついたし、お付き合いしてからは愛情表現が少なくていつも不安だったし、結婚の話をしてからは全然向き合ってもらえなくて悲しかったし、私の好きなところを聞いても最後まで「かまってくれるところ」だった。
私の内面を彼はちゃんと見てくれてるのか、私がかまわなくなったら好きじゃなくなるんじゃないかって、怖かった。

日々話す度に期待した言葉は言ってもらえなかったし、いつも暖簾に腕押しで、打っても響かない虚しさがあった。
彼が楽しそうに見るテレビ番組も、彼が聴く音楽も、全然好きになれなくて、「趣味が違う方がいい!」みたいな記事を読み漁って自分を納得させてたこともあった。
彼に私の好みとは全然嫌な服装をおすすめされたり、苦手な靴をプレゼントされたのもプレッシャーだった。
私のことを悪気なく変えようとする言葉に傷ついた。

「本当に好きだったら見返りを求めてはだめ」なんていうのを鵜呑みにして、満たされない気持ちは自分の問題だと言い聞かせて、いろんなことから目を背けて、「私が間違ってて、私が変わらなきゃいけないんだ」って思ってた。

いつも忙しい彼をどうしたら支えられるか、負担にならないかすごく考えたし、彼の癒しになりたくて沢山我慢した。

「恥ずかしがりだから」と言って、いつも期待とは違う言葉が返ってきて悲しかったし、自分の内側にある気持ちを素直に伝えて虚しくなるのが嫌で連絡を取りたい気持ちととっても楽しくないなという気持ちを行ったり来たりしてた。

愛情表現が苦手だとしても、私は彼に名前をもっと呼んでほしかった。
私にとって名前は、一番愛を感じる言葉だから。
何度か伝えてみたけれど、あんまり意味がなかった。

彼は時々独特のユーモアでLINEのアイコンを変なのにした。
すごく嫌なのが一個あって、私はできれば変えてほしいことを伝えてみたけど、彼はそれを見て私が嫌な気持ちになっていることを不思議がってなかなか取り合ってくれなかった。
結局変えてくれたけれど、嫌って言ってしまった自分が悪いと思って自分を責めたりした。

でも、嫌って伝えてることをちゃんと聞いてもらえないのはすごく悲しかった。

彼が仕事で大変な時、私はいつも本当に心配で「無理をしないで」と伝え続けたけれど、私がすごく仕事でしんどい時に彼は「もっと大変なことはたくさんある。自分はこんな風に大変。大したことないから気にするな。頑張れ。」と余計にプレッシャーをかけられて辛かった。

週末が近づく度に会うのか会わないのかよくわからなくて苦しくて金曜日になると泣いてた。

デートの終わりに何の余韻もなく振り返りもせず帰っていく背中を見る度に傷ついてた。

去年と一昨年は仕事がすごく大変で、仕事の悩みがある時は彼のことを考えずに済んだけどそれはそれでほんとにしんどくて、仕事が落ち着いたら彼のことを考えて苦しんで、いつもずっと苦しかった。

触れられる距離にいると安心したけれど、テーブルを挟んでする会話が苦痛になっていってた。

大切にされてないって、気づくのに随分と時間がかかった。

幼馴染に勧められて見た「僕の姉ちゃん」で、姉ちゃんが恋人と別れた理由が「一緒にいても楽しくなかったから」と言っているのを見てすごくかっこいいと思ったし、
歳の近い顔も知らない男の子がお別れした理由を「名前を呼んでくれなかったから」と綴っているのを見た時も、潔くてかっこよくて羨ましかった。

いっそこのまま連絡が途絶えてくれたらいいのにとか、いっそ振ってくれたらいいのにと何度も思ってた。
恋人がいない友達が羨ましかった。

彼はどんどん忙しくなって、毎日終電で、休日も仕事に出るようになった。
LINEも5日間未読で週末に返ってくるようになった。

こんなに満たされなくて、自分がすり減る恋愛は間違ってると頭でわかっていたけれど、一人になるのが怖くて必死に頑張った。

彼の穏やかで優しくてのほほんとしてるところが好きだった。彼の何を考えてるか分からないところが可愛くて愛おしかった。すごくちゃんとした人だったから、私の考え方が幼くて私が変わらなきゃいけないって自分を責めてた。

だから後ろ髪引かれる思いもあったけれど、
自分からさよならを決めたのは唯一の救いだった。

お別れして3日くらいは落ち込んだし沢山泣いたけど、
愛してもらった記憶がないから特に未練もなく割とすぐ立ち直った。

私はみるみる明るくなった。
同僚の子に「最近すごく明るくなった気がしてた」と言われる程。
ずっと抑圧されて我慢して右も左も塞がってる気持ちでいたから暗かったんだと思う。
本当の自分を取り戻せた気がした。

私はこの恋で、たくさん愛し方を学んだし、趣味もできて自分で自分を満たすことができる人間になれたと思う。
それに、どうして結婚したいのか、それはどんな相手なのかはっきりと分かってきた。

また誰かを好きになる時は、心から安心できて一緒にいて笑い合える人がいい。
自分を抑えて我慢して苦しむくらいなら、一人でいる方がまし。

それに気づけたから、決して無駄な恋ではなかったと胸を張って言える。

前に一歩踏み出した私の未来は明るい。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?