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デザイナーを目指していなかった僕が、いまメルペイのデザイナーを楽しめているわけ。

こんにちは。

株式会社メルペイでデザイナーをしている、ベッピーです(本名は別府 祐樹です)。

今回、お伝えしたいことは、なぜ自分が今メルペイでデザイナーをやっているのか、ということ。

実はそもそも、僕はデザインを学んだことがありませんでした。そんな僕が、現在デザイナーとして働くに到るまでのお話です。

目次
デザイナーを目指していたわけじゃない
コミュニケーション・ハブとしてのデザイナー
ビジネスとデザインは、相関関係にある
メルペイという事業をつくりだす喜び

デザイナーを目指していたわけじゃない

デザインブログでいきなりこんなことを言うのもおかしいかもしれませんが、僕はもともとデザイナーになろうとは思っていませんでした

「メルペイ」に入る前は、大学を卒業したのち就職活動もせず、自分のやりたかったアイデアを形にするために起業しました。起業家を志していたんです。

スタートアップのイベントに参加したり、知り合いのつてやSNS上でお声がけした起業家の方々に実際にお会いしたり、自分のアイデアについてたくさん話をしてきました。あの頃は、青かった…。

そこで言われたのが、

「まず、やってみればいいじゃん」

ということでした。

これ、当たり前のことなのですが、人にアイデアを話しているだけでは何も進まない。
プロダクトを軸にした事業を立ち上げるなら、自分がプロダクトをつくれる人間にならなきゃいけないんですね。

自分のアイデアを具現化し、プロダクトを周りの人に伝えていく。そんな役割はなんだろう。そうしてたどり着いたのが、デザイナーという仕事でした。

コミュニケーション・ハブとしてのデザイナー

そんな大志を抱いてはみたものの、自分の事業はあえなく失敗に終わり、フリーランスのデザイナーとしてさまざまなスタートアップ企業のお手伝いさせていただくことになるのですが、ここでデザイナーとしての挫折を経験します。

大学を出て以来、まわりにデザイナーがいなかったので、独学でデザインをしてきました。
拠り所は、「このデザインイケてるじゃん(おれ的に)」という感覚がほとんど。

特にIT業界のデザイナーと話していると、こういう過程を経てきた人が、意外と少なくないのではないかな、と思います(笑)。

ロジックがないので、プレゼンテーションがめっぽうできません。
スタートアップの経営者、エンジニア、マーケター、そして同業であるデザイナーと向き合う中で、

「なぜこのデザインにしたのか?その意図は?」
「このデザインはいったいどんな課題を解決しようとしているのか」
「開発スケジュールと実装コストを考慮しているの?」
「デザインレギュレーションはちゃんと考えているの?」

というようなツッコミを受け、自分の「このデザインイケてるじゃん(おれ的に)」という感覚はすぐに崩壊。

現場で折衝しながら考えていくなかで、自ずと、「周りとのコミュニケーションの基盤となり、事業をドライブさせるデザインとは何なのか?」ということを考えながら仕事に取り組むように変わっていきました。

ビジネスとデザインは相関関係にある

スタートアップ企業でフリーランスのデザイナーとして働くなかで、フリーランスとしてではなく、より長期的に関わり事業のことを考えられるデザイナーになりたいという思いが高まり、メルカリのグループ会社である株式会社ソウゾウに入社しました。

ソウゾウの門を叩いた理由は二つ。「プロデューサー思考をもったデザイナーを採用している」ということ。「デザイナーがプロダクト・オーナーの役割も兼ねることができる」こと。そうして、人生初の就職となる会社を決めました。実際に入って驚かされたのが、ソウゾウのデザイナーに求められる思考と実践のあり方です。

ソウゾウのデザイナーにはデザインの専門性をベースにはみ出していく力が求められています。
B(Business)-C(Creative)-T(Tech)のCをコア・コンピタンスにBとT,特にBに滲み出していくというもの。

「事業を成長させるデザイナー」を高いレベルで求めており、それを体現しているデザイナーが大勢いたことにも驚きました。


ソウゾウには、「次のメルカリ級のサービスをつくる」というミッションのもと、メルカリを超えるような成長スピードの事業をつくるため、挑戦を続けています。

起業経験者と議論を重ねていく中で、事業のつくりかた、仮説検証のやり方など、非常に参考になりました。進太郎さんからのフィードバックも、とにかく目から鱗。

みんなを巻き込み、意見を聞きながら決める、コミュニケーションのハブとしての役割がデザイナーに求められている。そして、それが、もともと企業を志していた自分にフィットする、ということも強く感じました。

メルペイという事業をつくりだす喜び

その後、メルペイという事業に参画することになりましたが、「コミュニケーションのハブとなる」という意識は変わりません。

その範囲・規模はより大きくなっていて、お金という社会の基盤を新しく塗り変えるようなサービスを生み出すという大きな目的を掲げながら、プロジェクト単位に切り分けた作業を同時に進行していきます。

メルペイはいま世の中に1秒でも早くプロダクトを届けようと、毎日必死に開発をしています。求められるスピードや、アウトプットの量・質ともに高く、プロデューサー的な立ち回りもバリバリやっています。

以前「Creative X」というイベントでご紹介したスライドでも触れましたが、メルペイにおけるデザイナーは、誰もが自走できる能力を持っていて、日頃のコミュニケーション、仕事を巻き取る積極性、スケジュール/ 実装コストをふまえた設計、事業の将来を見据えた拡張性のあるデザイン立案等、とにかく幅広い仕事に取り組んでいます。

事業をつくりたいという思いからスタートしたデザイナーという道は、さまざまな挫折と偶然を経て、「いまだかつてない新たな事業をつくる」という現在へとつながっていました。

だからこそ僕は、「デザイナーになってよかった!」と強く思っています。これからもそう思い続けられるように、日々の仕事に取り組んでいけたら、こんな嬉しいことはありません。そう、マネージャーの永尾さんが言うように、「幸せ」なんです。

この記事はデザインブログを運営している事業会社6社が集結し、各社のデザイナーたちが、プロダクト、UI 、ブランド、組織など、さまざまなテーマについて公開する「Service Designer's Advent Calendar 2018」の、21日目の記事です。 

企画・執筆:別府祐樹
編集: 長嶋太陽

別府 祐樹 プロフィール
青山学院大学を卒業後、起業。のちにフリーランスとなり様々なスタートアップ起業を新規事業立ち上げをおこなう。2017年12月に株式会社ソウゾウに入社しメルカリ アッテなど新規サービスに関わる。2018年7月に株式会社メルペイでプロダクトデザイナーを務める。