文章でコーヒーブレイク

今日は文字通りのコーヒーブレイク。飲んでいる珈琲の話。

淹れ方にこだわりはないので、日頃は家でインスタントコーヒーばかり飲んでいるけれど、外に出て注文するときには、一応どこの産地かを気にしている。まろやかな味が欲しいときはグアテマラ、酸味が強いのがいいときにはエチオピア。そんな風に。

「お供に甘いものを食べるかどうか」は人によって意見の分かれるところだが、自分は甘いものを合わせたい派だ。気に入っているのはレーズンのバターサンドで、六花亭なんかが出しているアレ。コーヒーの苦みとお菓子の甘さが口の中でちょうどよく溶け合って、おやつの時間がちょっと贅沢になる。

多くの人が「コーヒーブレイク」=休憩時間をどんな風に過ごしているか知らないけれど、自分が好きなのは、人のざわめきを間近に感じながら1人の時間を満喫することだ。ああ、周りに人がいて生きてるなあ、という無数の細かな生活音──話し声や靴音や、あるいは外にいるなら木々の葉が擦れる音や、聞こえてくる音楽──を遠巻きに聞きながらゆったりするのが至高のひとときで、完全に1人になりたいわけじゃない。

中には「休憩している時くらい完全にひきこもりたい。外界から断絶されたい」と願う人もいれば、「周りとワイワイ飲むコーヒーが一番おいしいに決まってる。あれは人と時間を共有する口実」と考える人もいるらしく、いかにしてお茶の時間を過ごすのかは千差万別のようだ。

体感では、コーヒーを飲んでいるときはお通じがいい。カフェインととともにポリフェノールも入っているから、そのせいかもしれない。ちなみにポリフェノールの「ポリ」とは、ギリシャ語で「複数」を表す。「ポリフェノール」とはつまり、フェノールがたくさんあるということだ。

他にも「ポリ」が使われている言葉は多くあって、「ポリリズム」は色んなリズムがあることを示し、「ポリアモリー」は複数のパートナーを持つ人々を指す。だから「ポリなんとか」と出て来たら、だいたい「複数の」というニュアンスで理解していい。

ただ「ポリス(=警察)」という語は、これで一単語である。もともと、ギリシャ語である地域の共同体を示していたが、そこでは大きな国家とは違い、市民が自治を担う必要があった。そこから派生して「自分たちで自治を行なう=自治組織=警察」という意味合いにスライドしていったのが「ポリス」。

コーヒーの話からズレたけれど、休憩時間の話題って、こんな風にどこまでも広がっていくもので。そういう無駄な雰囲気も、切り捨てずに生活していきたいなと思っている。

本を買ったり、勉強したりするのに使っています。最近、買ったのはフーコー『言葉と物』(仏語版)。