カルマは機が熟したときに現れる
この本はかの有名な霊能力者エドガー・ケイシーの残した膨大なリーディングの中からクライアントの過去生について言及されたものを選び出し、そこに一貫してみられる輪廻転生の法則について研究した書です。
ここでは、前世やそれよりもさらに古い転生における行いが、なぜこの人生にカルマとなって現れるのかについて論じています。この引用部分の直前では、実際にそのような質問を睡眠中のケイシーにしたクライアントが何人かいたが、毎回決まってその理由は『それよりも前では、その人(の魂)はそのカルマに対峙して克服することができなかったからだ』と回答されていると述べられています。
つまり、ある行いに対する報い(よい報いも悪い報いもあります)は、その人がそれを受け取る準備ができたときに初めて現れるということです。ゆえに、この人生でよくない行いをし続けている人が必ずしも存命中に痛い目をするわけではありませんし、人知れず徳を積んだとしても、それによってその人生が救われるとも限らないということです。このことを、「カルマの停止」とジナ・サーミナラは呼んでいます。
ある行いの結果としての非常に大きなカルマが4つ後の人生で現れるとします。すると、その間の3つの人生においては、そのカルマは停止しており、代わりに他の課題に取り組むことになります。その取り組みによって、総合的に機が熟した段階で、それがつまり4つ後の人生でということになりますが、現れるのです。その時には、その人は4つ前の人生の時よりもいくぶん成長しており、その大きなカルマと向き合うことが可能であるという、神あるいは宇宙の全体性による采配です。
ですから、どんなにつらく苦しい境遇であっても、その人にはそれを受け入れて乗り越えるだけの力があるということです。以上のことを踏まえて、引用部分の内容を味わってください。
なお、一般的にはよい行い(調和的な行い、利他的な行為:徳)に対する報いは比較的早く現れるでしょう。なぜなら、それを受け入れることは容易いからです。でも、同時によくないカルマが現れているような人生においては、徳を積んでいてもなかなか苦しいこともあるかもしれません。しかし、そのような人はけっしてそこから逃げることもないでしょう。
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