スピーチ

VTuber布教用「切り抜き動画」の作り方

「推しのVTuberのために何か作りたい」という方にとって、切り抜き動画を作るというのは良いオプションです。特別な技能は必要なく、手軽にできますから。

私の場合、切り抜き動画を作る主な目的は布教であり、拡散されて、そのVTuberをあまり知らなかった人の目にとまり、「面白そうだから見てみよう」となることを期待しています。いろいろ動画を作ってきて、最近はある程度広まるようになってきて、どう作ればいいかというノウハウ的なものは貯まってきました。切り抜きをやってみたいという方も見かけるので、少しは参考になるかもと思い、まとめてみることにしました。

ここでは、主にTwitterに投稿する「VTuber布教用」の切り抜き動画について扱います。Twitterに投稿できる動画は長さが2分20秒までで、カジュアルに流し見られるので、ニコニコ動画などにアップする動画とは作り方が違います。

布教が目的ではない、たとえば推しに「ここ良かったよ」と伝えるための動画などは扱いません。そういうのは好きに作ればよくて、それにも価値があると思います。

あと、動画作成のためのツールの使い方なども扱わないので、世の中にいろいろある記事を参考にしてください。有料ツールならAdobe Premiere/After Effects、無料ならAviUtlを使っている人が多いと思います。このブログとかいいですね。

テンポが良くなるように編集する

「布教用」の切り抜き動画を作るに際して、重要なことは3つあります。まず飽きさせないこと、次に飽きさせないこと、そして飽きさせないことです。

・・・プレゼン強者っぽく言ってみたかっただけです。でも飽きさせないことは実際大事で、Twitterユーザーは大量に流し見しするので、飽きたらすぐに次に行きます。そのVTuberのことをよく知らない人にも見てもらうには、飽きさせずに最後まで見てもらうことが最重要になります。

月ノ美兎さんは「まとめ動画」の第一人者で、自分で編集したまとめ動画がきっかけでブレイクしましたが、彼女が動画編集について語っていて、「細かく編集してつなぐのが好き。息継ぎの間とかも詰める。そのほうが面白くなると思う」と言っていました。テンポが良くなるし、時間あたりの情報量が増えるので飽きさせにくいわけです。

それを見習って私も、冗長なところや不要な間はカットするようにしています。ありのままが良いという人もいるでしょうから、あくまで私のやり方です。元動画を素材と見なして切り貼りして、時には離れたところのセリフをくっつけたりもしますが、それで話のニュアンスが変わらなければ許されると思っています。変わったらアウトだけど。

もちろん、間が必要なところは残すので、ケースバイケースであって、テンポ良くするところと、間を作るところの緩急をつけるとイイ感じになることもあります。

Twitterに投稿できる動画は2分20秒までで、長さがそれを超えるとエラーになります。Twitterに載せるならそれが最長ですが、可能ならば、さらになるべく短いほうが見てもらいやすいですね。

状況がわかるようにする

切り抜き元の動画を見ていないのはもちろん、そのVTuberのことをあまり知らない人にも楽しませるには、何が起こっているのか、どこが面白味なのかを説明する必要があります。twitterの文で説明することもできますが(それについては後述)、動画内で説明が必要なことも多いですね。

やり方としてはまず、VTuberが状況についてしゃべっているところを上手くつなぐ方法があります。また、テロップなど文字で説明する方法もあります。下の動画は、その両方を使っています。

因幡はねるが結婚式のスピーチをやるというネタなのですが、まず、なんで結婚式のスピーチを「3つの袋」でやることになったのかということの説明を入れて、さらに文字でも補足説明しています。全てをセリフで説明することもできるが、それだと長くなるためです。説明はそれほど面白くないので、短くまとめる必要があります。

面白くないけど必要であって、本編のスピーチ部分だけを切り抜いても、状況が分からない人には面白みが伝わらないと思うのです。また、全体を2分20秒に納めるため、スピーチ部分は短く編集しています。スピーチ風にするにはあまり短くても雰囲気が出ないので、バランスを見ながら長さを決めています。

起承転結を意識する

4コマ漫画はそれぞれのコマが「起・承・転・結」で構成されていることが多いですが、あんな感じで。動画の中でうまく起承転結がつけられると、まとまった印象になります。例えば上の結婚式動画は起承転結になっていて、説明部分が起、スピーチが承、玉袋からが転、オチが結です。

起承転結とか気にせず、面白いシーンをテンポ良く繋ぐ編集にしたほうがよいとか、一発ネタで終わったほうがよいこともあるので、ケースバイケースではあります。

一貫したテーマを意識する

動画を編集していると、面白いシーンを全部切り出したくなりますが、切り抜き動画は短くても楽しめることに意味があるので、厳選しなくてはいけません。そのためには全体のテーマを決めて、それに沿ったシーンを選ぶべきです。

この動画は、因幡はねるが「学校に行きたくなければ行かなくてもいい」というネットで話題のテーマについて、意見を述べている部分を切り出しています。ここで切り出した部分以外にも、学歴について面白いたとえ話をしているところがあり、そこと「未成年○行」の部分とどっちを入れるか少し悩みました。でもここは、「小学生はまだ未熟だから」というテーマでまとめたほうが伝わりやすいと思ったので、それに沿って未成年○行のほうを採用しています。

説明文で興味を惹く

Twitterは文章が書けるので、動画についての説明をするわけですが、これが大事です。なるべく簡潔で、興味を惹きつつ、場合によっては状況説明もやることになります。

上の動画の説明文は、「VTuberの引退について何か言ってるんだな」ということは伝わるはずです。「何を言ってるか聞いてみよう」と興味を持たせるため、内容をダイレクトには書いていません。動画を見る気になってもらわないと始まらないので、説明文は吟味するようにしています。

字幕は入れたほうがいい

私の経験では、字幕を入れた方がよく見てもらえます。自動再生にしている人は字幕が目に入るし、音を出せない状況でも見ることができるからでしょう。

Twitterは動画の1コマ目がサムネイルになるので、1コマ目から字幕を入れることが大事です。字幕があるなと分かってもらえるし、その字幕で興味を惹くことができます。上の動画の1コマ目の字幕は狙ってます。

スマホの小さな画面(しかも縦画面)でも読めるように、字幕は大きめに見やすく入れましょう。

どこを切り抜くか決める

説明する順番がおかしいと思われるかもしれませんが、私の場合は上に書いたことを意識した上で、「ここを切り抜けばいい動画になりそう」と感じたところを切り抜きます。

切り抜き動画をやるようになると、配信を見ながら「ここは切り抜けるかな?」と考えながら見るようになります。頭の中で編集点を打ちながら、「ここからここまでを上手く切り貼りすれば、一貫したテーマで起承転結つけながら2分20秒以内に入るんじゃないか」とか考えながら見てて、それもまた楽しいですよ。

ニュートラルな視点

そのVTuberを知らない人に見てもらうことを前提にするなら、知らない人にとって面白いか?というニュートラルな視点が必要です。逆に、あまり知らないからこそ面白いということもあるようです。それに気づかされたのがこの動画。

これは私が作った中では一番見られたもので(※記事執筆当時)、いいねが一気に数千件来て慌てましたが、自分ではそこまでウケるとは思わなかったんですよね。オチも弱いし。

反応を見ると、育児をしながら「おら」とか「粉だぞ」とか言ってる様子が、画面とギャップがあってウケてたようです。ファンにとっては、いつもの調子なのでそこは面白ポイントでは無かったのだけれど、知らない人には新鮮だったらしい。

以前に、WiFiの「a」と「g」の電波の違いについて説明しただけのツイートに、いいねが18万個ついているのを見たことがあります。当たり前の話だと思うけど、この情報が新鮮な人が多かったんですね。バズるのは運の要素も大きいですが、ニュートラルな視点を意識することが必要だと、このとき思いました。

まとめ

まとめると、上の長文をがんばって読んで頂いたと思うので、いったん忘れてください。

ナルホドと思った部分がもしあれば、どこかに覚えているでしょう。型にはめようとするより、自由にやったほうが面白いはずですから。面倒なことを考えず、好きなところを切り出すだけでも立派な「切り抜き動画」ですしね。

応用編として、こちらもどうぞ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?