見出し画像

フィジカルが没入感を生む・PSVR専用ゲーム「ライアン・マークス」レビュー

VIVE Proを買ってから、PSVRはあまり使っていなかったのですが、5月30日に発売されたPSVR専用の「ライアン・マークス リベンジミッション」が評判が良さそうなのでプレイしてみました。メタスコアでも80点を取っています。

主人公はSAS(イギリス陸軍特殊部隊)の隊員ですが、ギャングの抗争に巻き込まれていくというストーリーで、娯楽もののアクション映画のようなテイストになっています。ハリウッド映画的な派手な演出が随所にあり、画面いっぱいに飛び散る破片やら炎やらをかいくぐるのはなかなかの迫力です。VRの特性を生かしていますね。

このゲームはPS Move(モーションコントローラー)を2本使ってプレイするのが基本なのですが、それをかなり細かく使います。例えばリロードするには、胸の弾帯ベルトから弾倉を取り出し、それを銃に差し込むことを実際のゼスチャーでやる必要があります。梯子を上ったり、クライミング的なことをする場合も、実際にその動きをやる必要があります。

これは賛否両論で、僕も煩わしく感じることはありました。なにしろリロードが忙しくて、判定がわりとシビアでなので、リロードに手間取っているうちに死ぬことがよくあります。実質リロードゲームだと思ってました。手を使って登るのは、実際に結構手が疲れて、そのせいで落ちて死んだりしました。

でも、雰囲気が出ているのも確かなんですよね。体を動かすことが、没入感のために重要だということに気づきました。銃をホルスターにしまい、落ちている弾倉を拾って弾帯に入れ、さらに銃をホルスターから取り出す、といった一連の動きが、ゲーム内ということを忘れて現実のように自然にできる瞬間が確かにあり、ゲームとのシンクロを強く感じます。

これまでのゲームは、いかに快適にプレイさせるかという方向で進化していました。ボタン一つでリロードできるし、イベントシーンでもサクサクプレイできるように工夫されています。でもVRゲームで没入感を追及すると、それに逆行する部分が出てくるのでしょう。「不便だけど、でも没入感があっていいでしょう?」ということを、プレイヤーに納得させる必要があるわけです。このゲームが納得させられているかは、人によるかもしれません。僕はPS Move(コントローラー)の精度不足が気になって、没入しきれないことがありました。普段VIVE Proを使っているだけに。でも技術が追い付けば、この方向は絶対にアリだと思えます。そんな可能性を感じるゲームでした。

それ以外も、このゲームはグラフィックがかなり綺麗で(PS4Proでプレイしています)、キャラクタは魅力的で、全体的に楽しめました。

VR専用ゲームは、インディーズスタジオが作った低予算のものが多いですが、これはソニーがかなりのお金をかけて作ったもので、アクション映画の主人公になりきれるゲームとして、いま一番良いものかもしれません。気になった方はプレイしてみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?