VTuberとは何か。あるいは人はバーチャル世界で生きるようになるか

noteを始めてみたので、最初のエントリーはこれが相応しかろうと思いました。

VTuberはまだ新しいカルチャーなので定義は人それぞれで、かなり幅がありますが、僕なりのVTuberの定義を言わせてもらえば、「多くの人々がバーチャル世界で生きるようになるまでの、過渡的な存在の一つ」です。その過程に乗っかっているなら、それはVTuberと呼んでいいんじゃないかと。(十分条件として)

まずは、「多くの人々がバーチャル世界で生きるようになる」ことが起こるんかということですが、それには2つの要因が揃う必要があるでしょう。

1. 技術的要因
2. 社会的要因

バーチャル世界で生きるための「技術的要因」

技術的な要因について言うと、まず現在のVR(バーチャルリアリティ)機材はまだ初歩的な段階のものという認識です。例えれば、iPhone以前の携帯情報端末ですね。

iPhoneより前にも、近いことができる携帯端末はありました。シャープのザウルスとか、Palm OSの端末(ソニーも出していた)とか。確かに使えば便利なのだけれど、使い続けるにはかなり努力が必要なもので、一部の先端的なユーザーが使っていました。

iPhoneが革新的だったのは、以下の点です。

1. 性能が優れていた
2. 使い勝手が優れていた
3. エコシステムを作り上げた

ちょうど、CPUやモバイル通信の技術が実用域に達したこともあり、アップル社はチップを自社開発して、それまでとは段違いの性能を実現しました。感度のいいマルチタッチのタッチパネルも作りました。

その高い性能と、多くの優れたアイデアのおかげで、使い勝手が劇的に良くなり、誰でも使えるようになりました。

便利だからユーザーが増え、ユーザーが増えたらアプリを提供する業者も増え、インスタグラムやLineといった魅力的なアプリが生まれ、多くのアプリ開発者が儲かりつつ、ユーザーも増えるという好循環が回るようになりました。エコシステムの完成です。

さらにそれをパクったGoogleのAndroid(前からあったが、iPhoneを徹底的にパクって刷新した)のおかげで、安価なスマートホンも提供されるようになりました。こうして、一部の人の物だった携帯情報端末が、万人が使うものになったわけです。

いまのVR機器は、かつての携帯情報端末に似ています。使ってみると良さはわかるが、まだ性能が足りていなくて、使い勝手が悪くて(設置の面倒さも含めて)、いまいち普及しないのでエコシステムも回っていない。でもそれらは解決可能だと僕は思っています。酔いやすい、疲れやすいといった問題も、技術である程度解決できるはず。

人は誰でも、あれをやりたい、これをやってみたいということがありますが、VRはその多くをかなえてくれる夢のデバイスです。現在の問題が解決できれば、スマホのように普及するポテンシャルはあるものだと思っています。

バーチャル世界で生きるための「社会的要因」

次に社会的要因についてですが、要は、いずれ人類は暇を持て余すようになるはずです。AIによって。

オートメーションの発達で多くの工場労働者がいらなくなり、ITの発達で多くの事務員がいらなくなったように、AIによって多くの職はいらなくなります。医者や弁護士さえ、かなりAIに取って代わられるでしょう。AIに職を取られて飢え死にするという悲観論もありますが、それは誰も幸せにならないので、人類はもう少しマシな選択をするはずです。

人が働かなくてはいけないのは、生きるために食物・資源・製品など価値を生み出す必要があるからです。誰かがそれを作らないと生きていけないので、それを作る人がいれば、サポートする人もいます。でもAIが働いてくれるのであれば、AIが価値を生み出し、人間はそれを消費するだけで生きていけます。古代ローマでは、占領した周辺国の人を奴隷として、ローマ市民は遊んで暮らしていましたが、AIを人間の奴隷として働かせれば、そういうローマ市民の生活が可能なはずなのです。

AIが生み出した価値の分配は、たぶんベーシックインカムとかそういう仕組みになるんでしょうが、一般人にとっては凄く多いわけではないので、毎日豪遊というわけにはいかないでしょう。でも働かないので暇はあります。そしてそこに、進化して使い勝手が良くなったVRがあるとすれば、「技術的要因」と「社会的要因」が成立し、人々はバーチャル世界で多くの時間を過ごすようになるでしょう。優秀なVR機器と暇さえあれば、あまりお金を使わなくても、バーチャル世界で何でもできるからです。そうして人類の文化は新しい段階に入るでしょう。暇を持て余したローマ市民が作り出した文化が、後のヨーロッパ文化の源流になったように。

過渡的存在としてのVTuber

バーチャル世界で過ごすためには、自分の写し身であるアバターを作るわけですが、姿も年齢も、なんなら性別も好きに変えられます。そうやって違うキャラクタになりきることが当たり前になるでしょう。

役柄を作り込んでロールプレイするもいいし、人格はそのままでもいい。そこは本質ではなくて、姿や名前など自分を特徴づける情報(ペルソナ)を仮想のものにすることが、バーチャルな存在になるということです。

いまそうした存在に近いのは、いわゆるVTuber(とかバーチャルライバーとか呼び方はいろいろ)だと思えます。厳密にはバーチャル世界で生きているわけではないですが、バーチャルなキャラクターで自分を表現している。さらに特徴的なのは、VTuberには横のつながりがあって、ツイッターで絡んだりコラボ放送をしたりして、バーチャル人格によるバーチャルな社会を作っていることです。将来多くの人がやるであろうことを、先取りしているのがVTuberたちです。

そんなVTuberの社会がどうなっていくのか、バーチャルな存在で生きるとはどういうことなのか、そういったことに興味があるのが、僕がVTuberが好きな理由の一つです。

でも一番の理由は、女性VTuberが可愛いからなんですけどね。

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メルクマ

Virtual Life

バーチャルとリアルの行方
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