数か月前のこと。歯医者でプラークテストの際に口を開けつつ手鏡を持たされた。

担当医（以下D）：ここ見てください
久松（以下H）：は、はい……
D：ここはどうしてもブラシが届きにくい箇所で、ちょっとプラークが残っちゃってますね
H：鏡見ながら歯磨きしてるんですけど、なかなかうまくいかないんです。でも、この鏡ほんとよく見えますねー。照明のせいですかね
D：それもあると思いますけど、拡大鏡なんで
H：ああ！　そ、そうですよね、なんでこんなによく見えるのかと思った（笑）
D：２倍に見えるんです
H：たしかに。これ持って歯磨きすれば、隅々まで見えていいかもですね
D：ああ、そうですね。たまーにこの鏡ほしいっていう患者さんいるんですよ。これ持ってブラッシングすると、よく見えるから磨き残しが減るみたいです
H：え！？　これ売ってるんですか？
D：仕入れ値で患者さんにお分けしてます。100円ショップやドンキホーテなんかにもあるみたいですけどね
H：いえ、でもプロ仕様でいいですねこれ
D：安いやつですよ、amazonとかで見てみると、メイク用のスタンドミラーがけっこうお高いんですけど、これ、手持ちで飾りが何もないんで
H：ぜひください。いえ買います
D：じゃあ次回までに注文しておきますねー

1か月後
D：じゃあ今日はこれで終わりです。あ、鏡来ましたよ。受付にあります
H：わ、待ってました（嬉）！
D：鏡でこんなに喜ぶ人珍しいですねぇ（笑）。よかったです。使ってみてください

さらに1か月後
D：鏡どうでした？（笑）
H：すっごいよく見えます。歯磨きってこうやればいいんだ！　と初めて分かりました。隅々まで磨くということの意味もやっと！！
D：それはよかったです（笑笑）

　便利グッズであると気づかない製品で、便利さが追求できる。ちょっとしたことにも快適さはある。毎日の義務が容易に、楽にこなせる。ほかにもあるはず、こういうモノが。