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2018年美容トレンドワード振り返り。話題になったキーワードと美容業界への影響とは。

2018年12月3日「@cosme」が2018年話題となったビューティのキーワード12個を発表した。そのキーワードから読み解けることを考察してみたいと思う。

以下、発表となった12個の美容キーワード。

①ブルベ・イエベ
「ブルベ・イエベ」は、ブルーベース・イエローベースの略。もともとはビューティ業界の専門用語だったが、2018年は特にSNSやメイク特集でよく見かけるようになって一般化。10年前の「ブルべ・イエベ」は、自分に合うカラーを選択するための判断ツールだったが、今の「ブルべ・イエベ」は、診断結果により似合う色を失敗なしで取り入れられまた、トレンドカラーをどう取り入れるかを知るためのツールにもなり、色選びのラクさや手軽さが受け入れられている。今後は、色だけの診断ではなく骨格診断との組み合わせでファッションも含めたトータルビューティの提案が増えていくだろうと予想している。

②SNS売れ
SNSで発信される情報から、消費者が自ら判断し、化粧品や美容グッズを購入する現象のこと。SNSインフルエンサーたちに取り上げら、バズることで製品がどんどん売れていったり、オリジナルのハッシュタグが生まれ購入したユーザーがハッシュタグをつけて発信することでより多くの人に情報が拡散され、ユーザー独自のPR方法でモノが売れる現象として話題となった。中でも、Twitter美容垢(美容アカウント)は今年も注目していくツールだ。

③K-Beauty
韓国発表の美容やコスメのこと。2000年代前半に、BBクリームやカタツムリなどで大ブームとなった韓国コスメ。2018年は機能性の高いエイジングケア(肌再生クリーム、水クリーム)や、インスタ映えするようなユニークなパッケージにこだわったアイテムが注目を集めSNSなどで話題に。また、2018年は特に雑誌やWEBで韓国美容特集も多くみかけた。斬新かつ結果を出すコスメや美容として話題作りが上手な韓国美容は、今年もせめてくるだろう。特に美容クリニックの分野は要注目だ。

④おさぼり美容
ワーキングママ、ワーキング女子、ジムなどで手軽に使えるコスメとしてすっかりカテゴリ定番化したおさぼり美容。2018年は、時短コスメのバリエーションが格段に増えたのが特徴。特にドライヤー時間を短縮するサボリーノ「速く乾かスプレー n 」や、一本4役でハリと透明感を叶えるアクアレーベルの「スペシャルジュレ」、ひと塗りで日焼け止めも薄化粧もこなすエリクシール ルフレの朝用乳液「バランシング おしろいミルク」が話題に。今まで、手をかけなければ叶わないようなハイレベルな美容ニーズにも、応えることができる進化系時短コスメの勢いはしばらく続きそう。

⑤美尻トレーニング
痩せるのではなくお尻を盛ることがトレンドになり、美尻トレーニングに勤しむ女性たちが急増。トレンドの背景には、有名人たちがSNSなどで美尻トレーニングについて投稿したり、美尻トレーナーたちの台頭、そしてモテよりも魅力的な自分を作りたいという新しい美の価値観が芽生えたことなども影響している。藤田ニコルさんが「しゃべくり007」のお尻女王決定戦で見せたお尻がキレイすぎるとSNS上でも話題にも話題となり、20代の女性たちもお尻美容に対する意識が変わってきている。

⑥ミニサイズコスメ
口紅・マスカラなどの手のひらサイズのミニサイズコスメが国内ブランドだけでなく、外資系ブランドからも登場。サイズが小さく容量が少ない分、価格が抑えられ手を出しやすいというのはもちろん、使い切ることができてエコであること、トレンドのミニバッグに入れるのにかさばらないこと、デザインも可愛いものが多いことなど、様々な側面からのビューティニーズに応えた。実際に購入した人の声からは、「手にしやすい価格のものが多いので、今まで購入してこなかったカラーにも挑戦できるなどコスメの幅が広がってうれしいです。またマニキュアなどは使い切れないので小さいサイズがあるって本当に便利です。」といった声も。

⑦ドライシャンプー
もともと災害時の使用や、避難リュックの常備品であったドライシャンプーは、2018年夏の酷暑により注目度が上がった。定番のスプレータイプからシートやフォーム、パウダーなどタイプも様々あり、使用シーンや使い勝手の好みで選べるようになったのもヒットを後押しした要因。トレーニング後や外回り後の汗のニオイやペタンとしてしまう髪などのお悩みケアとして重宝された。今後も毎日使用するものではないけど、持っていて損なし、便利アイテムとして特に猛暑時期には人気を集めるだろう。

⑧ラベンダー色コスメ
数年前から登場していたラベンダー色コスメだが、K-Beautyや透明感あるメイクが流行したことにより、ラベンダー色を使った下地や日焼け止め、仕上げのパウダーなどが再注目された。ボディ用の日焼け止めにもラベンダー色コスメが登場。ボディも透明感溢れる肌が流行。2019年のトレンドカラーはピンク。ピンク色が映える透明感肌作りは今年も続くだろう。

⑨くすみ色カラー
くすみ色カラーとは、グレージュ、アッシュ、ラベンダーなどが代表的。ネイルやアイシャドウなどで多く使用されている。くすみ系カラー=おしゃれな人が愛用しているイメージがSNSなどから浸透し、拍車をかけて人気カラーに。

⑩しわ改善コスメ
2017年大ブームを巻き起こしたしわ改善コスメの勢いはとどまることなく、シワを改善する薬用化粧品として日本で初めて承認されたポーラの「リンクルショット メディカル セラム」は、大ヒットによる生産効率の向上で製造コストが下がったことから、価格を1,500円下げたことで2018年も話題に。シワ改善だけでなく、目もとのシミ予防まで叶えるベネフィークの「レチノリフトジーニアス」を筆頭に、コスメデコルテの「iP.Shot アドバンスト」、ONE BY KOSEの「ザ リンクレス」など、様々なしわ改善コスメが猛追している状況。今年は、シワのレベルに注目(訴求した)よりパーソナルな商品の発売がありそう。

⑪フィックスミスト
2018年夏の酷暑により、ドライシャンプーと同じく「メイクのフィックスミスト」への注目度もあがった。アイテム自体に真新しさはないが、外回りや朝塗ったメイクが会社に着く頃にはすべて剥げているという不快なジレンマを解消できるとSNSなどから発信され再注目。

⑫酒粕美容
保湿・美白・肌荒れ改善・美腸など多くの悩みにアプローチできる注目の美容食材「酒粕」。2018年は、そんな酒粕をメインに使ったカフェメニューを展開する発酵カフェスタンド「お米や」がオープンしたり、酒粕の力で美肌へ導く花もめんの「特別純米酒の酒粕パック」、酒粕エキスや麹、酵母が入ったpdcの「ワフードメイド 酒粕マスク」といった酒粕コスメが登場したりと、ビューティ感度の高い女性たちの間で酒粕美容がトレンドに。ダイエットや美肌効果を期待し、スムージーや鍋などに、酒粕そのものを普段の食事に積極的に取り入れる人も増加してきており、ビューティインフルエンサーのSNSに、オリジナル酒粕レシピが続々投稿されている。

総じてみると、特にTwitterの美容垢が美容トレンドを大きく牽引している。Twitter美容垢の特徴として、フォロワーが決して多くなくても1回の投稿の内容が美容マニアの心に刺さると瞬く間に拡散され、それがヒット商品に繋がったりする時代だ。フォロワーの数だけでなく、投稿者の新たな美容視点に注目し、次世代のヒットワードを見つけるのもヒット商品を作るヒントだと考えている。

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