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『Fujii Kaze and the piano Asia Tour』2023/7/7 ジャカルタレポ

ジャカルタ行きの飛行機の窓から見えた夕日に見とれていると、隣の席のインドネシア人の男性が自分の腕時計を指差しながら「ほら今18時前だから」と教えてくれた。
もちろん言葉はわからない。
だけどキレイな色だねと互いの表情で会話した。

あと3時間でジャカルタ着か。
…おいおい私、すごいところまで来ちゃったな。

『Fujii Kaze and the piano Asia Tour』


7月7日、七夕の日に開催されたジャカルタ公演に参加させていただきました。

既に動画は上がりまくってますが、あの日あの場所で感じた自分の気持ちを一生忘れたくないため書き記したいと思います。

現地の盛り上がりを文字でも感じたいという珍しい方がいらっしゃれば幸いです。



会場はコタ・カサブランカという近代的なショッピングモールの3階にあるホール。

今から飛行機に乗るの私?みたいな日本よりずっと厳しいセキュリティチェックを通り抜けると、見えてきた頑丈な扉。

少し開いたその扉の向こうには、コンサートホールと言うより広めの体育館のような一面フラットな会場が広がっていた。

ぎっしり並べられたパイプ椅子。

そしてステージにポツン…と置かれた一台のピアノ。

…いやいやいや、初国外ツアーでこれだけのセットで公演するっていまだに信じられないんだけど。

(余談ですが今回ネタバレを避けるためSNSから逃避してましたのでアジアツアー全くの知識ゼロから入ってます。よって吸収力半端ない。)

座席表も事前には不明、後ろの方だと予感してたけど、最後列だった…

……やったぜーーー!!!!!

この席だったら外国のファンの方が風さんに対して送るラブを1人残らずくまなく見ることができるじゃん!!!!

日本ツアーだったら有り得ない感情に自分でもびっくり。最後列ありがとう!ってどうした?
だけどこの感情は間違いではなかった。
ライブの最後まで続くこととなる。


20時になりじんわり暗くなった会場。
キャーッ!!と悲鳴に似た待望の声が湧き上がる。
インドネシア語で注意事項なのかアナウンスが流れた後突然スクッと立ち上がる皆さま。

え??何?と驚きつつも従って一緒に私も直立。

インドネシアの国歌斉唱でした。

後で知ったけどインドネシアの慣習のようで。
河津さんのダイアリーにも書いてあったとおり、全員の心が一つになりライブへの期待感が更に煽られ会場はものすごい熱いテンションだった。

(国歌斉唱後、注意事項どおり全員ザザッと着席されたのも感動した出来事のひとつ)


ビーーーッと開演のブザーがなる。


真っ暗なステージに一筋の光がスッとさす。

照らされたピアノ。

そこに歩いて現れた藤井風様。

キャァァァ!!ホンモノ!ウソ!生きてる!
何回ライブに行っても毎回この感想から始まるのどうにかしたいけど無理。

しかもインドネシアにいる藤井風さんですよ?
意味がわからない。

いつもの丁寧な90度のお辞儀のあとピアノに向かう風さん。

椅子に座っただけで再び会場のキャァァという雄叫び。そうだよ…どれだけの皆さんが初めて聴く風さんのピアノを待ち望んでいたか。

◆intro『まつり』3拍子


一発目からド天才。

あれ?私クラシックのコンサート見にきたのかな。
ステージに+2セットのピアノと風がいて、あわせて3台のピアノが鳴ってるってことでOKだよね???え?

指10本から繰り出されているとは思えないアレンジが重厚すぎて、全く知らない曲に聴こえるけどやっぱりベースはまつりだった。

「芸術家藤井風」の存在感に圧倒され目頭が自然と熱くなる。

このライブ、私をどこに連れていくつもりなの?もう充分遠いとこまで来てるのにまだどこかに連れてく気だ…

あまりの凄みに一曲目から気を失いかけてたけど、キャァァァァの歓声で目が覚めた。

◆『ガーデン』

「ンーンーンー、ンーンーンー、ンーンーンー、ンーンーンー」

ステージを周りハミングでご挨拶。

「カゼーー!!!!」
「アイラビューー!!!」 

私もどさくさに紛れて大声で「アイ…アイラ…ビ」言えねぇよ日本人言えねぇよ…何も言えなくて…夏。

ピアノに戻った後も容赦なく飛んでくる異国の愛の言葉たちに本気で照れたのか一瞬下向いてたの萌えました。。

あのですね…そんな顔されるとアイ…アイ…アイラ…ビ(完)。

今回のジャカルタライブの特徴は何と言っても現地のファンの方の合唱につきる。
しかも皆さん流暢な日本語で歌詞を丸暗記している。

ガーデンも例外ではなく、歌い出しから大合唱。

風さんもビックリしていたようで、間奏で演奏止めて客席に向けて拍手をくれた。

そりゃそうだよ…だって透き通るコーラスが束になって本当に美しくて。それがジャカルタでしかも日本語で聞けるなんて。

異国でいつのまにか咲き誇っていた可愛い花々たちに、種を植えた本人の庭師カゼは本当に嬉しそうだった。

◆『きらり』

なんだろこの前奏は…なんだ…きらりか?!
またまた新しいアレンジ…何これ?!

ゆっくり進んだかと思いきや急流もあり、まるでリズムの川下り。

「テリマカシーー!」

よよぎ〜よよぎ〜の部分、今回はインドネシア語のありがとうでした。

アーアアアーの後のサビは、どっちがステージ?くらいの会場大合唱だった。
風さんが伴奏者になった姿なんて見たことない。

ニコニコしながら会場のお客さんの顔をひとり残らず全員見てくれてた(ように見えた)。


立ち上がりMC

「サヤ スカ」

キャァァァァァァ!!!!(黄色)

「サヤ チンタ」

キャァァァァァァ!!!!(黄色)

「アク インギン ムリハッム」

キャァァァァァァ!!!!(黄色)

インドネシア語がわからない私でも大体予想がつくんだけど!!
推しよ、甘ったるい言葉の後にいちいち照れないでくださいます?
(後にわかった正解=好き、愛してる、会いたかったよ)
…ほぅ。。

キュンですポーズを繰り出しまくり、「君たちはクレイジーで最高だねアイラブユー」みたいなことを英語で連発してて、私の両隣のカゼタリアンちゃん達は心撃ちぬかれててメロメロなってた。かわいい!皆かわいい!(泣)

「みんなマジで自分を愛してね、いい?愛するんだよ約束だよ」と観客に語りかける風さん。

…ここインドネシア。

日本でのライブと何ら変わらない語り口。
自然体でフリーかつ堂々と佇むこの人は、国境までも超えて誰とも垣根を作らない人なんだと思った。

◆『damn』『キリがないから』『へでもねーよ』


セトリを全く知らなかった私。
…マジですか?

この3曲はピアノ一本で周る弾き語りツアーのセトリには選ばれない曲だろうと思ってた。

だけど、風さん独特の打鍵の強さ(特に左手の低い音階での演奏)がまるでドラムセットを引き連れての演奏のようで、会場は音源いやそれ以上の大盛り上がり。


「マウ ニャニ サマ サヤ〜」
(わしと歌いたい?)

キャァァァ!と現地の方々。喜ぶ喜ぶ。

後から訳を知った言葉たちだけど、覚えてきた外国語がいちいち可愛すぎやしませんか??

♪アーアーアーア、アアアアアーア
アーアーアーア、アアアアアーア
キリがないから〜

LAATでやっと許可されたもうええわ〜の声出しから半年、何百倍にもなったレスポンス、しかもそれが異国の地インドネシアで聞けて嬉しそうだった。

ピアノを弾きながら、うんうんと客席を見回る風さんの心からの笑顔、忘れない。

そして、へでもねーよの前奏は痺れて痺れてヤバかった。
今回動画はほぼ撮らないで空気を肌で感じようと決めてたけど、あまりのアレンジのかっこよさに急いでスマホをかざした。

息を呑むという慣用句があるけどこの瞬間のために生まれた言葉だと思う。

◆『帰ろう』


「1stアルバムHEHNからのバラードです」
ピロロロン(ピアノ鳴らす)

「これなんやけど…
…hmn??」
(客席に向かって、んん?の顔)

キャァァァ!(客席和音で理解)

「アハッ!!」(客席へわかっちゃった?の笑顔)

ハイ、今日一の笑顔でました。圧倒的優勝。

私たち、藤井風くんと友達だったっけ???
よそゆきでない初めて見た表情に感極まる私。

「かえるときわしらは何も持っていけないんだよ」(ニュアンス)みたいな事を言って歌い出した帰ろう。

重く捉えられる事を避けてか近頃は軽めのアレンジばかりだったけど、今回は久しぶりにそのままのシンプルな帰ろう。

外国で言うのも変だけど「おかえりなさい」ただそれだけをずっと心の中で唱えながら聴いていた。

…と思ってたら「あなたは未練を吐いて〜わたしは未練こぼして〜」って未練が忙しいピアノの神様そこにいた。

歌い終わったあと「なんで皆歌詞覚えとるんわしも覚えられんのに……アイラブユー…」

…あの、そこでラブユー言われたらこっちが未練タラタラタラタラタラタラ…

◆『さよならべいべ』


風さんが前奏(サビ部分)を弾くと現地のファンの皆さまが演奏に歌詞をのせて歌い出した。

これ、さよならべいべだけでなく、長めの前奏があると毎度大コーラス。

日本のライブ(他の)アーティストでも見た事ない光景。
サビといえども、本人が歌ってない場所でスルスルと歌詞が出てくるなんて、よほど毎日聴き込んでんだろうな、と感動しきりだった。

◆『Every summertime』


水を口に含みそのまま頬を膨らませumm〜と手を振り、手でハートを作ってまたもや会場をメロメロにしたあと、「次はお気に入りのインドネシのカバーソングやります、Every summertimeです」

キィヤァァァァァァァァァッッ!

ライブで風さんが登場してきたぐらいの大歓声。
嬉しさからきてるあまりのザワつきに風さんもマイク拾わないとこでワオワオみたいに驚いてた。

私は知らなかった曲だったけど、後から本家の曲聴いたらまぁなんともカワイイ曲よ。

夏がくるたび私は恋に落ちるってさ…

現地の皆さま、きっと曲聴きながら恋のお相手は目の前にいる金髪のお兄さんって妄想したよね…こんなステージ見せられたら毎年思い出して何度も恋に落ちるわこれ。

「真実はあなたの中にあるから、外側でなく内から見て、自分を信じて。」

◆『青春病』


日本であろうが外国であろうがブレない芯があり、自分を見つめることの大切さを人に伝えたい伝えようとしてくれる藤井風さん、やっぱり大好きです。

野ざらしダンス、意気揚々と踊りまくったけど気付けば周辺で私だけだった。次回の海外ツアーがもしバンド編成であれば、客席の皆と一緒に踊ることができたらいいね。

◆『旅路』


「We are in the middle of the long long joinery.
どうか生きることを、愛することを、学ぶことを諦めないで。
いつか思い出となりその全てを笑い愛せるから。」


そう、LAATでも言ってくれた言葉。
幸せになることを諦めないで。

途中、片膝をピアノの椅子に上げたので皆はキャァァァ!って嬉しそうだったけど、私はまるで部屋の中で弾くかのようにこの異国の大舞台で自由に振る舞える風さんを見て、自分を愛して自分を信じることの大切さをまたひとつ学んだ気がした。

「マウ ニャニ サマ サヤ?」
(わしと歌いたい?)

◆『grace』


ピアノから離れマイクのみ持ち、アカペラでgraceの大合唱。
「そのまま歌っといてや〜」とピアノに戻りまたもや伴奏者となる風さん。

その間も止まない大合唱。

最後突然、ピアノからまた離れ観客の声に合わせてタケノコダンス。

ニコニコ踊る風さんより放たれたgraceが天井からキラキラ舞い散り、皆に平等に降り注いでる絵が見えた。

庭の管理人カゼは、太陽でもあった。

そしてピアノに戻ると、聞こえてきたチロリロリロ…チロリロリロ…の旋律。

あれ?えぇぇぇーー!これgolden hour???
やるの?!!

キャァァァァ!!(これは私も叫んだ)


あっ…と止まり顔を手で覆う人。

「セットリスト間違えた」
照れ照れの推し。

ウソでしょ????
この曲ってたぶん今回のサプライズだよね??

最高かよー!!!www
これでこそ生のライブの醍醐味!!

◆『何なんw』

照れながら何なんw冒頭の手拍子あおってた風さん。
本人はしまった…と思ったかもしれないけど、私達としては大好物エピソードすぎて。

世界各地から集まったファンが顔を見合わせて、キャアキャア笑い合う世界線をむしろありがとう。

ハレーハレーって皆と合わせて私も大声で歌いながら、この平和な光景がずっと続くといいのにと泣けてきた。

◆『golden hour 』


今度こそ正真正銘のチロリロリロの旋律が始まる。

美しかった。

照明も曲に合わせてなのか金色で。

照らされた風さんの金髪も、ピアノの演奏と共に揺れてキラキラと輝き、本当に黄金色のプラネットな空間すぎた。

そして声。

そんなに音響が良いホールの印象はなかったけど、パワフルで力強い声が最後列の私までズドーーーーンと響いた。

「シャァァィィィィーーン」

以前ラジオでヤッフルさんが、衣服は音を吸うって言ってたけれど、風さんの声を吸いすぎて私の服パンッパンになってた、たぶん。

◆『死ぬのがいいわ』


きた…魂の前奏。
2022世界で一番聞かれた曲が披露される期待感で会場のボルテージはうなぎのぼり。

キャァァァァ!
照明真っ赤すぎる!!!
赤が眩しいって意味わかんない!!!

最初は恥ずかしさからコーラスについていけず、歌詞をボソボソと口ずさむ程度だった私。もうここまできたら恥など微塵もない!

全身全霊全力の「Shinunoga E-wa〜Shinunoga E-Wa〜」と叫び、風に届けとばかりに隣のカゼタリアンちゃんと目を合わせながら歌って、推しの色気とカゼタリアンちゃんの可愛さと海外で解き放たれた開放感とで、感情ぐっちゃぐちゃだった。

楽しすぎた。

◆『まつり』


「立ちたい人は立ってもええで〜」のいつもの掛け声で全員立ち上がる。

オールフラットの会場なので、風さんは私の席からはほぼ見えなくなった。

全然構わない。

むしろ、今まで誰一人立たずにいてくれた感謝でいっぱいで。
最後列から見る観客総立ちで踊るまつりのダンスは圧巻だった。

スマホで撮る人、踊る人、手拍子する人、歌う人、国籍や文化も違い一人一人色んな人生があれど、今日7月7日ジャカルタの地で最高のステージを体感した、この感覚は全ての観客が一緒だろうなと思った。


会場は宴の終わりを感じたのか拍手が鳴り止まない。

「自分自身に対して拍手してあげてな」

こんな時までそんなこと言う??
…好きだーーー!!

私と同じ気持ちであろう皆さま、行ってほしくなくてアンコールを望む声が止まらない。

申し訳なさそうに断り、代わりに一緒にセルフィー撮ろうとスマホを観客席に向けてくれた。


推しとツーショット!!!!(だいぶ豆)


動画を撮ってる最中に流れてたガーデンに合わせて自然と歌い出すみんな。

「ワオ、なんて可愛いの?」

それアナタですからーーーー!!!

風さんが煽ったわけでもないのに、会場はガーデンの大合唱と左右に振られる無数の手。

庭に吹いた強烈かつ柔らかい風で、たくさんの花々が可愛く揺れているように私には見えた。


「サンパイジュンパ」
(また会おう)

「またね、君たちはわしのガーデンだよ」

インドネシア語でありがとう!また会おう!愛してる!と何度も繰り返しステージの袖に消えていった庭師カゼ。

ジャカルタのガーデンで咲いて待ってたお花たちを可愛い可愛いと愛でて愛でて愛でまくってくれたアジアツアーinジャカルタ公演は、こうして幕を閉じました。



今回、全ての曲を歌いこなすインドネシアのファンの方々を見て、毎日どれだけ風さんの曲を聴き込んでるんだろうと思った。全て日本語で歌詞を覚えるなんて相当の回数を聞かないと難しいはず。

みんな、それほどに風さんの曲が藤井風本人が大好きでしょうがない会いたかった会えて幸せだと伝わってきたライブだった。

そして風さんにもちゃんと届いてた。

レポで何度も書いてしまった言葉、

「風さんが本当に本当に嬉しそうだった。」

それにつきた。

たった1台のピアノで初めましての国の人々を魅了した1時間半のステージは、1枚の大きな絵となり今でも私の脳裏に焼き付いている。
ファンでいてよかった。
ジャカルタに行ってよかった。
一生の宝物になりましたありがとう。




で、最後に一言だけいい?
「パンツずり落ちすぎな」

完。


※MCは現地語以外全て英語のため、私の感じたニュアンスでお送りしております。

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