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【特別ウェビナー採録】Z世代一括りはもう古い!? 購入プロセスが、受動的な10代・能動的な20代の違いとは

多くの企業がマーケティングの対象として注目している『Z世代』。
日常からSNSを当たり前のように使いこなしているということから、「ソーシャルネイティブ」や「スマホネイティブ」とも言われています。

そんな『Z世代』、どんな価値観をもっていて、どんなモノコトが好きなのでしょうか?
実は、同じ『Z世代』でも、10代と20代で違いがあるんです。

今回のnoteでは、10代Zと20代Zの違いがよくわかる、2022年6月7日に開催された『“Z世代”一括りはもう古い!?マーケター必見!若年層マーケティングのツボ』のレポートをお届けします!

若年層向けメディア「egg」×「MERY」によるスペシャルトークセッション

ウェビナー用:大北さん

大北 友紀乃
株式会社エイチジェイ SNSマーケティング事業部長

株式会社MERYでのWEB記事ライター、SNS運用を経験した後、株式会社エイチジェイに入社してSNSマーケティング事業部を設立。自社コンテンツのSNS運用統括のみならず、他社SNSの運用代行事業・コンサルティング事業も行っている。さらに、2021年スタートの10代向けSNSメディア「-思春期録-」を立ち上げ、編集長業を兼任。

ウェビナー用:坂田さん

坂田 涼
株式会社エディスト 代表取締役

学生時代にTikTok活動を開始し、フリークリエイターとして地元長野から上京。その後、株式会社エイチジェイに入社し映像編集部を設立。部署を会社として独立させ、株式会社エディスト代表取締役に就任。TikTokを中心としてプロダクションやTikTok運用などの事業を展開している。自身も合計フォロワー30万人越えのTikToker兼インフルエンサーとしても活動中。

ウェビナー用:奥松さんプロフィール

奥松 彩夏
株式会社MERY MERY編集部 チーフディレクター

デジタル広告代理店のアカウントプランナー、美容メディアの編集者を経て、MERY編集部にジョイン。MERYでは主に各種SNSをメインで担当。編集部内のコンテンツだけではなく、外部のインフルエンサーと共にコンテンツを共創する「MERY ライフクリエイター」プロジェクトを立ち上げている。

そもそも『Z世代』って?

まずは、改めて『Z世代』とはどんな世代なのか?3社の回答が異なるほど、『Z世代』には、さまざまな視点から新しさを感じました。

▶MERY:「他人モテ」より「自分モテ」
自分の好きに忠実。周りと比較せずに、自分が良いと思ったものへパワーを使う。そのパワーの強さが影響力の大きさにも繋がっている。
▶エディスト:次世代の消費を担う、全く新しい価値観を持った新世代
今後、世界的に消費者層のメインになる世代。あと7~8年以内に、全体消費量の4分の1以上が『Z世代』になり、購買力がミレニアム世代を上回る。
▶エイチジェイ:好きなものが細分化されており、各分野において承認欲求が高い
テレビや雑誌のようなマスメディアでマルチに情報を得るのではなく、InstagramやTikTokのようなSNSで各々が好きな情報を集めている世代。いかに自分に刺さる情報を得られるかを重要視している。
また、SNSで自身の発信を行うことで承認欲求も高くなっている。

エイチジェイ 大北さんの回答に同意するカタチで、新たに他社から「周りからの承認欲求はもちろん、自分を自分で認めるという意味での承認欲求も高くなっている!」「発信できる場所が身近に増えたことで、承認欲求を満たせる環境になった」とのコメントも。

『Z世代』を一括りにしないことが重要な理由

一般的に、12歳~19歳が『10代Z』、20歳~27歳が『20代Z』と呼ばれていますが、なぜ『Z世代』という風に一括りにせず、年齢層で分けて向き合う必要があるのでしょうか?

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・日本は、少子化問題により、世界的に見ても『Z世代』の人口が少ない。
・人口の割合が少ないがために『Z世代』がフォーカスされずに軽視されている状況にある。世界から遅れている。
・次世代の価値観のアップデートをより強化させていくために『Z世代』はもちろん、『10代Z』と『20代Z』で細分化して考えていく必要がある。

『10代Z』と『20代Z』価値観や消費行動の違い

MERYの奥松さんが今回のウェビナーで最も伝えたかったこと、それは『10代Z』と『20代Z』の考え方が影響しているカスタマージャーニーの違い。
そこから見えてきたZ世代マーケティングのコツにも注目です!

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▶『10代Z』の価値観や消費行動
・世の中で流行っているTikTokをよく使っている。
・経験が浅い部分もあり、「なんか見たことある!流行ってるんだ!」と認知した後、購入するまでが早い。
・TikTokで流行っているもの=世の中で流行っているものだから「私も持っていなきゃいけない。仲間に入りたい!」という考えがある。
・購入までのハードルは、両親を説得すること。

▶『20代Z』の価値観や消費行動
・いろいろな手法や情報源を知っている。
・認知した後、本当に自分にとって良いのかどうかを検討する期間が長い。
・自分にとってより良いものや共感できるものが欲しいという考えがある。
・購入までのハードルは、自分をいかに納得させられるか。

▶各世代の購入ハードルに合ったチャネルで情報を届けることが大事
・両親が購入ハードルの『10代Z』には・・・
TikTokやInstagramで認知&繰り返し接触させ、いかに流行っているかを提示できるようにする。
・自分が購入ハードルの『20代Z』には・・・
自分にとって必要なものがあるということを、それぞれのチャネルでそれぞれ情報を散りばめていく。

Instagramなら綺麗な画像を置く、Twitterならリアルな口コミを拡散してもらう、マイクロインフルエンサーで消費者とより近しい存在に発信してもらうなど、チャネルごとの特性も知っておく必要があることがわかりました。

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こちらは、先程のカスタマージャーニーの傾向からわかる『10代Z』と『20代Z』の特性をポイントでまとめたもの。

▶『20代Z』の言う、自分にとって本当に良いとは?
・他社と比べたときの値段の“安さ”はあまり重要視されない印象がある。
・特に女性は“自分に似合うかどうか”を気にする。10代は、似合うかどうかを考えるよりも、流行っているから欲しい気持ちの方が強い。

▶『10代Z』ともTikTokでコミュニケーションをしてきた、エディスト 坂田さんが気づいたことは?
10代と20代の価値観の違い=受動的か能動的かは、『Z世代』だけでなく今までも同じようにあったけれど、認知する場所が今と昔とでは違う。
例えば、昔の10代は「“近所の友達”が持っているから欲しい」と思っていたが、今の10代は「“TikTok”でみんなが持っているから欲しい」と思うことが多い。だから今のマーケティングがSNS寄りになっている。

インフルエンサーマーケティングにおける効果的なキャスティングの違い

『10代Z』と『20代Z』の価値観や消費行動は、インフルエンサーのキャスティングにも生かしていきたいですよね。それぞれの世代に合ったキャスティングすることで、より効果的なマーケティングが期待できます。

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キャスティングの『10代Z』におけるキーワードは、フォロワー数をはじめとした影響力。『20代Z』におけるキーワードは、消費者との親和性。
フォロワーが多ければ多いほど効果も高まるというわけではないんです。

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10代女子が選ぶインフルエンサーランキングを見てみると、『10代Z』の“有名”のものさしが一目瞭然!TikTok・YouTube・恋愛リアリティーショーで活躍している人たちばかりでした。

こちらのランキングを見て「知らない人たちばかり!」と感じた人も多いのでは?『10代Z』と『20代Z』の違いだけでなく、新しい価値観が生まれていくスピードにも驚きですね!

Instagram・TikTok・YouTubeはどう使い分けるべき?今話題の「ショート動画」についても伝授

エイチジェイ 大北さん曰く、単に各SNSのことを「Instagramは写真」「TikTokは動画」という風に捉えているだけだと、Z世代マーケティングに活用しきれないとのこと。そこでまずは、各SNSの把握しておきべき3つの特異点を教えてもらいました。

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①アルゴリズム
SNS上で、これだけ「いいね」されたら、おすすめにこれくらい露出するといった、自動的にAIが図っていく計算式のこと。

②UI

各SNSは、もちろん違うサービスなので違うUIなのは当たり前だが、具体的にそれぞれの特徴を知っておく必要がある。
TikTokは「スクロールするだけの簡単で受け身なUI」、Instagramは「フィードやリールなど、自分自身で投稿方法を選ばせる能動型なUI」

③ユーザーの現状

TikTokは10代~20代向けなイメージだが、ユーザーの平均年齢が34歳(博報堂調べ)。このようにユーザー層の現状を把握しておく必要もある。

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TikTokが先駆けし、InstagramやYouTubeと、次々に「ショート動画」の機能が話題を呼んでいます。
そんな「ショート動画」のメリットやデメリットを、現役TikTokerでもあるエディスト 坂田さんがTikTokを題材に語ってくれました。

①レコメンド中心設計
自分が見たい動画を取捨選択しつつ、おすすめも出てくるため、ユーザーが新しい発見をしやすい設計になっている。

②10秒~40秒程度の短尺

短い時間でまとめられた濃い情報を得ることができる。

③没頭性が非常に高い

レコメンド中心設計により中毒性がある=見ることを止められないため、かなり没頭性のあるプラットフォームともいえる。

ただし、TikTokは、短尺動画・アルゴリズムの変化・流行の変化により顧客が定着しにくいというデメリットも。そのため、TikTokで新規顧客に興味を持ってもらった後、離脱率を減らすためにInstagramやYouTubeへ流入させることで定着させることが主流となっています。

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エディスト 坂田さんのお話から、TikTokは「認知・啓発」を得意としていることがわかりました。
上記資料のように各SNSの特異点を知っておくと、SNSマーケティングにおいてどの媒体を活用すれば良いかが見えてきますね。

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こちらは、エイチジェイ 大北さんが編集長を務めている、10代向けSNSメディア「-思春期録-」のSNSの使い分け方。

スタートアップのメディアということで、まずは認知のためにTikTokを採用。明確層~潜在層まで、幅広い層が好みそうなショート動画を届け、コメント欄でユーザー同士の交流も促しています。
そして次に、興味を持ってくれたファン層に向けてInstagram。TikTokよりも詳細なリール・読み物感覚で情報を得られるフィード・運営&公式感なく身近に感じてもらえるストーリーズを投稿しているとのこと。
最終的には、『Z世代』の市場調査結果を自社事業や他社のコンサルに生かすという流れでSNSを使い分けています。

10代・20代・SNS、変化し続ける『Z世代』から目が離せない!

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日々『Z世代』へ向けて情報発信をし続けている、エイチジェイ・エディスト・MERYの3社。
ウェビナーを開催したことで、改めてZ世代情報の発見があったり、社間で共感できるポイントがあったり、視聴者から質問が飛び交ったり、「1時間では話し足りない!」というくらい大いに盛り上がりました!

『10代Z』や『20代Z』はもちろん、SNSも、短期間で新たな変化があるような時代。Z世代マーケティングやSNSマーケティングにおいて、トレンドや消費行動をさまざまな視点からアップデートしていくことが重要ですね。

今回のウェビナーやnoteをきっかけに、MERYとの取り組みにご興味を持っていただけましたら、ぜひ以下メールアドレスまでお問い合わせください。
mks-s@mery.co.jp


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