規制と関税。中国への集中攻撃

週明けの20日のニューヨーク外為市場では、ドルがおおむね横ばいで推移した。米中通商協議の行方のほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がこの後に行う講演が注目されている。

FRBは22日に前回の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を発表する。
FRB当局者の間では、この日はセントルイス地区連銀のブラード総裁が独ハンデルスブラット紙に対し、「低インフレが根強ければ、これに対応して利下げをより積極的に提唱し、インフレ期待を再び2%近辺に回復させることに努める」と発言。アトランタ地区連銀のボスティック総裁はCNBCのインタビューで、米経済に対する信頼感を示し、「FRBが近く利下げを実施するとは予想していない。当然、9月までの利下げは予想していない」と述べた。

NY市場もほぼ横ばい

ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は続落し、前週末比84.10ドル安の2万5679.90ドルで取引を終えた。

中 国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ) との取引を原則禁じる米政府の制裁措置がハイテク株の重しとなったほか、同措置が米中貿易摩擦の激化につながるとの懸念が浮上した、と理由付けされている。

ファーウェイへの一部取引停止と通商合意

グーグルは、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)へのソフトの提供など一部ビジネスを停止した。関係筋が19日にロイターに明らかにした。米政府がファーウェイへの事実上の輸出規制を決めたことを受けた。

中国外務省の陸慷報道官は20日、米国は中国との通商合意に「行き過ぎた期待」を持っているとの見解を示した。

陸報道官は定例記者会見で、「米国が言及したこの『合意』について、中国側は何を指しているのか承知していない。米国側にはこれまで一環して合意に対する行き過ぎた期待があった可能性がある。ただ当然、これは中国側が合意したものではない」と述べた。

ファーウェイへの事実上の輸出規制についても、陸慷報道官は、報道内容を承知しているとした上で、内容を調査し、今後の進展を注視すると表明。「それと同時に、中国は中国企業が法的手段を利用して自社の正当な権利を守ることを支援する」としたが、詳細には触れなかった。

総括

関税とファーウェイへの規制で中国は経済的攻撃を受け続けている。
中国経済は景気後退の岐路に立たされているなか、さらに痛い状況である。

中国の不振は、それをマーケットにしている日本企業にも影響がある。
現に中国関連の企業の株価は下落し続けている。
世界経済的にも、これまで成長を引っ張ってきた中国の後退は影響が大きい。

6月のG20で世界経済の明るい話題が出ることを願う。

出典

ロイター 5/20 米、中国との通商合意に「行き過ぎた期待」=中国外務省報道官
ロイター 5/20 ドル横ばい、FRB議長講演に注目=NY市場
共同通信 5/20 NY株終値、84ドル安の2万5679ドル
ロイター 5/20 米グーグル、ファーウェイとの一部ビジネス停止=関係筋