米中「第1段階」の通商合意は順調も双方の主張強まる

中国、関税の撤廃は合意の重要な条件

中国商務省の高峰報道官は14日、米中が「第1段階」の通商合意を巡って踏み込んだ協議を行っているとし、また関税の撤廃はこうした合意の重要な条件だと述べた。

高報道官は定例会見で、関税撤廃の度合いは第1段階の合意の重要性を完全に反映すべきと指摘し「両国は現在、突っ込んだ話し合いを行っている」と述べた。
「中国はこれまで、追加関税の発動によって始まった貿易戦争は、追加関税の撤廃をもって終わらせるべきと何度も強調してきた」と述べた。

トランプ米大統領は12日、中国との通商合意は「間近」だと表明したが、詳細には言及せず、中国が米国と妥結しない場合、中国製品に対する関税を「大幅に」引き上げると警告した。

ホワイトハウスの高官は前週、「第1段階」の合意に達すれば、12月15日の追加関税発動は回避されるとの見通しを示していた。

中国、米国産鶏肉の輸入制限を解除

中国税関は14日、米国産鶏肉の輸入制限を直ちに解除すると発表した。中国商務省は先月末、約5年にわたる輸入制限を解除すると明らかにしていた。

米農務省食品安全検査局も先週、公報を改定し、中国産の鶏肉製品の輸入を承認していた。
米農産品の中国市場へのアクセス拡大は米中通商交渉の重要な争点で、非関税障壁の撤廃はトランプ米大統領が目指す対中農産品輸出倍増にとって鍵となる。

中国税関によると、同国の今年の鶏肉輸入は9月までで前年比47.6%の約55万トンに上る。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とパーデュー農務長官は、中国の輸入制限解除を歓迎し、年間で10億ドル超の輸出増につながると指摘。

総括

トランプ大統領の強気発言が目たって気つつあるが、まだトランプ砲が打たれないということは、現状交渉は順調なのだろう。

但し、米中お互いに譲歩できない姿勢を強めているため、いつ緊張の糸が切れるかわからない、ということは常に視野に入れておく必要がある。

昨年の12月は米中貿易の激化により大混乱となったが、今年は如何に。

出典

ロイター 11/15 中国、米産鶏肉の輸入制限解除 年間10億ドル規模

ロイター 11/15 米中、第1段階の合意巡り踏み込んだ協議している=中国商務省