【3/16】FOMC声明を発表!米利上げペースは緩やかに



米連邦準備理事会(FRB)は
16日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、
政策金利の据え置きを決定しました。

だが米経済の緩やかな成長と
力強い雇用の伸びを受けて、
今年再び利上げすることが可能との認識を示しました。


■緩やかな利上げペース

FRB当局者の金利見通しでは、
年内2度の25ベーシスポイント(bp)利上げの
可能性が示されました。

昨年12月時点では年内4度の利上げが
見込まれており、
想定の利上げペースはより緩やかとなりました。


■インフレ率の引き下げ

今年のインフレ率見通しは
1.6%から1.2%に下方修正。

ただ来年には中期目標の2%近くに
加速すると見込まれています。

インフレ率はあまり進んでいないようです。


■世界情勢が引き続きリスク要因

声明では
「雇用の大幅な伸びを含む最近の一連の指標は、
労働市場がさらに力強さを増したことを示唆している。
インフレ率も最近、加速した」
と指摘。

「だが世界経済と金融動向が引き続きリスクと
なっており、
年内インフレを低水準に抑える」
としました。

中国をはじめとする新興国経済の成長鈍化や
原油価格の低迷が重しとなっています。


■市場の反応

今回の声明は好感されたものの
内容自体は予想の範囲内のものであったため、
米株価の大きな変動はありませんでした。

しかし、利上げペースは
年内4回→年内2回と半分になるとの見方が強いため
米ドル売り円買いとなり、
1ドル112.5円まで円高が進んでいます。


■次回利上げは6,7月か

次回のFOMCは4月ですが、
4月に利上げする可能性は低いと考えています。

ここ最近の米経済指標は軒並み堅調であるため、
米経済だけを見ると利上げするのに
十分な土台が仕上がっていると判断できます。

しかし、世界経済の不確実性をリスク要因との
見方が強いため、利上げペースを低下させています。

そのため、世界経済の動向を細かく観察したい、
というのがFRBの趣旨でしょう。

4月に利上げするなら、
声明にそれを示唆する内容が織り込まれていたはずです。

一旦は円高に振れていますが、
徐々に円安に向かっていくと思われます。