泥沼化する米中貿易戦争。中国が報復、農産物輸入停止と人民元安

米国株式市場は大幅安。主要株価3指数はそろって約3%急落し、1日としての下落率は年初来最大となった。中国はこの日、人民元安を容認する姿勢を明示。トランプ米大統領は前週に中国製品に対する追加関税発動する方針を表明しており、米中の貿易を巡る対立が泥沼化するとの懸念が高まっている。

報復①米国の農産物輸入停止

中国商務省は6日、中国企業が米国の農産品の輸入を停止したことを明らかにした。また、8月3日以降に購入手続きが行われた米国の農産品に対し輸入関税をかけることを排除しない姿勢を示した。

これに先立ち、中国中央テレビ(CCTV)は、中国国家発展改革委員会(NDRC)が米農産品を購入する約束を果たしていると指摘し、中国が農産品の大量購入を約束したにもかかわらず実現していないとするトランプ米大統領の批判を一蹴したと報じていた。

中国商務省は日付が6日に変わった直後のウェブ上の声明で「関連する中国企業が米国の農産物の購入を停止した」と発表。中国は米国が約束を守り、二国間協力に「必要な条件」を作り出すことを望むとした。

これに先立ち、中国中央テレビ(CCTV)は、中国国家発展改革委員会(NDRC)が米農産品を購入する約束を果たしていると指摘し、中国が農産品の大量購入を約束したにもかかわらず実現していないとするトランプ米大統領の批判を一蹴したと報じていた。

中国商務省は日付が6日に変わった直後のウェブ上の声明で「関連する中国企業が米国の農産物の購入を停止した」と発表。
中国は米国が約束を守り、二国間協力に「必要な条件」を作り出すことを望むとした。

報復②人民元安の容認

中国の金融規制当局は、市場が米中貿易摩擦や弱い経済成長率を巡る懸念を織り込めるよう1ドル=7元を超える人民元安を容認したと、関係者3人が5日、明らかにした。

政策に詳しい関係者の1人はロイターに対し「政策発表のタイミングや市場を誘導する方法、問題に対するいくつかの措置などについて内部で本格的に協議した」と指摘。
1ドル=7元を超える元安について規制当局は半分反対し、半分許容する考えを持っているとした。
中国人民銀行(中央銀行)は同報道に対し現時点でコメントしていないが、報道前には人民元相場を妥当でバランスの取れた水準で維持することができると確信していると表明した。
人民銀の易綱総裁はこの日遅くにウェブサイトに掲載された声明で、貿易摩擦など国外の混乱に対処するための手段として人民元を用いたり、通貨切り下げ競争を行ったりすることはないと述べた。

別の関係者は「(人民元の)下落は米国との貿易摩擦を含む財政的および政治的リスクの増大を防ぐのに好都合だ」と語った。
政府関係者は「(人民元の下落は)人民銀の戦略ではないが、米国の対中追加関税発表が引き金となった。責任は米国側にある。米国の追加関税発表前は市場は安定していた」と指摘した。

人民銀元金融政策委員の余永定氏は「貿易黒字が減少し、他の条件が変わらなければ、通貨は自然と下落する。しかし、これは弱い輸出を支援するための意図的な通貨下落ではない」と言及。
「人民元に対する下落圧力が大き過ぎるということはない。われわれには依然として資本規制があり、過度な心配は不要だ。介入せずとも外貨準備に影響が及ぶことはないだろう」とした。

総括

昨日の記事通り、中国は報復をしてきた。

5月にも貿易戦争を巡って大幅に下落したが、この時は追加関税発動後に米中首脳会談が実現して持ち直した。
習近平氏からトランプ氏に通達が入ったのである。

今回の追加関税は9月に発動する。
つまり、9月までは進展がないと予想するが、トランプ氏は次期大統領選挙を控えているため、自分が招いた世界的混乱の対処をする必要がある。

米国の農産物輸入停止は米国農産物業界への打撃は必須であり、米経済低迷に繋がる。

おそらく、首脳会談レベルの会合が開かれると予想するが、これがなければ未曾有の自体が起こるだろう。

出典

ロイター 8/6 中国企業、米農産品の輸入を停止=商務省

ロイター 8/6 中国金融規制当局、1ドル7元超える元安を容認=関係筋

ロイター 8/6 米国株は大幅安、米中貿易摩擦の悪化を懸念