【中米貿易戦争】トランプ大統領「関税25%に引き上げ」

トランプ大統領は5日、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10日から現在の10%から25%に引き上げ、現在関税を課していない3250億ドル相当の中国製品についても「近く」25%の関税を発動する考えを表明。ツイッターに「中国との通商協議は継続しているが、遅すぎる。中国側は再交渉しようとしている。ノーだ」と投稿した。これに続きこの日は、米国は中国との貿易で数十億ドルの損失を被っているとして、中国の貿易慣行を改めて批判した。

中米貿易協議は、GW前までは順調に進められているように報道されていたが、ここにきて一転した。

市場はこれにショックを受け、全面安となった。

市場の混乱

週明け6日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、米中貿易摩擦の激化に対する警戒感から反落し、前週末比66.47ドル安の2万6438.48ドルで取引を終えた。ハイテク株主体のナスダック総合指数は40.71ポイント安の8123.29。

下げ幅は一時471ドルに達したが、その後は買い戻しが優勢となり、下げ幅を縮めた。

欧州市場も一時2%超下げたが1.2%下げで取引終了、上海市場は5.58%下げで取引を終えた。

中国政府の対応

中国政府は6日、米中通商問題を巡りトランプ米大統領から強い圧力を掛けられたものの、通商協議のために交渉団を米国に派遣する方針を示した。

バフェットも懸念するも投資戦略は変えず

米著名投資家のウォーレン・バフェット氏はCNBCとのインタビューで、株価動向は当然の反応とし、「貿易戦争に突入すれば、世界全体に悪影響をもたらす」と語った。その上で、全面的な貿易戦争となる公算は小さいとしつつも、同氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが「保有するすべての資産への悪影響になり得る」と述べた。実際、保有するBNSF(バーリントン・ノーザン・サンタフェ)鉄道はすでに、貿易摩擦の影響を被っているとした。

同時に、投資家が米中関連のニュースを踏まえ、株を売ることは「ばかげている」と指摘。バークシャーが米中問題を受けて、投資戦略を変更することはないと強調した。

総括

トランプ大統領の今回の過激発言は、長期化、軟膏化する貿易交渉への牽制色が強いとみられる。
中国、米国双方とも今後交渉を進めていくと表明しているが、具体的方針が出ないことから本件は非常に長期化すると想定できる。

株式市場にも強いインパクトがあるが、本件意外にも未だ方針が見えない英国のEU離脱が控えており、これからもショックによる株価の大幅下落は起こっていくと予想します。