世界経済

【3/15】日銀金融政策を維持、そして今夜はFOMC。高まる6月への期待

日銀は3月会合で政策変更を見送りました。

同時に発表された声明に盛り込まれた経済・金融に関する情勢判断は、弱い評価が目立つ内容でした。


■マイナス金利の効果には時間がかかる

黒田東彦総裁は会見で、1月29日に導入を決めたマイナス金利付き量的・質的金融緩和(マイナス金利付きQQE)の効果を問われ、

「実質金利がかなり大きく低下しているので今後の設備投資、住宅投資などにポジティブな影響が出てくる」と自信を示す一方、実体経済への波及には「ある程度の期間はかかる」と語りました。

今年の春闘における賃上げはそのリード役であるトヨタ自動車が、ベアを昨年の37.5%にあたる月額1500円にする方向となり、期待よりも弱い結果となりそうです。

このことから実体経済へのテコ入れがもはや通用しない「マイナス金利限界説」がまことしやかに浮上しています。


■海外経済の減速

新興国経済を中心に「いく分減速している」との認識を示すとともに、輸出の判断を「足元では持ち直しが一服している」と下方修正。

海外経済の減速が日本の実体経済を下押ししていることを認めました。

物価目標2%実現が遠のく要因が浮上してきました。


■緩和の余地はあり

「3つの次元の追加緩和は当然、量・質・金利であり得る」とし、内外の経済環境が悪化すれば更なる追加緩和もあり得ることを表明しました。ECBとは異なり、追加緩和の余地を残したかたちとなりました。


■FOMCの利上げペースに注目

FOMCの声明を控えています。

さすがに今回での利上げ発表はないと思いますが、当初予定であった年4回の利上げペースからどれほど変化する見通しとなるかに注目です。

ポイントとしてはやはり海外経済の情勢でしょう。

予想を上回る2月の米雇用統計など、最近の米指標は底堅く、米国としては利上げの準備は万端です。


■トレンドが上向くのは6月?

日銀のマイナス金利の効果には疑問が抱かれていますが、もともと金融政策の効果が実体経済に波及するには、半年から1年程度かかると言われています。

1月末に発表していますので、その効果は最短で6月に表れることになります。

また、米利上げも6月に実施される見通しが強いです。世界的なイベントでみても6月には英国のEU離脱を問う国民投票とG7サミットが予定されています。

これらすべてが良い方向に動くと世界経済の見通しは一気に明るいものとなるでしょう。

これはあくまで予想ですが、是非明るいニュースを見たいものです。