リセッションとブレグジット

今日はリセッションとブレグジットというキーワードのニュースをピックアップする。

リセッション懸念で週末のパウエル議長の発言に注目

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが再び下落。米国債利回りの低下がドル売りを誘った。景気後退(リセッション)への懸念が根強い中、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が週末にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次経済シンポジウムでの講演でハト派発言を行うという期待が膨らんだ。

テンパス(ワシントン)のシニアFXトレーダー、フアン・ペレス氏は「景気後退を示す兆候は数多くある。パウエル議長は政策対応の構えを示すとともに、おそらく追加利下げに言及すると期待している」とした上で「市場は景気後退の前触れとも言える兆候を織り込もうとしている。長短金利の逆転を示す『逆イールド』もそうだし、将来的には安全資産の値上がりが続くだろう」と述べた。
ただ先週記録した2年・10年債の逆イールド(US2US10=RR)は今週解消するなど、市場心理には持ち直しの動きも見られる。
スコシア銀は調査リポートで「パウエル議長講演に向け円ロング(買い持ち)が妥当と考える。議長がハト派発言をすれば米国債利回りは低下しドルもつれ安となる。反対に一段とタカ派となれば安全資産が買われることになる」と予想した。

米国では、利下げの他に減税政策についても検討しているとトランプ大統領は発言している。

要人は、米国経済についてリセッションの懸念はないと強気な発言であるが、このような状況をみると、明らかにリセッションへの対応に急いでいるように見える。

英国とEUの意見に相違、ブレグジットの可能性増

欧州連合(EU)加盟27カ国がアイルランド国境問題の解決策 「バックストップ(安全策)」削除を巡るジョンソン英首相の要求に反対する構えで一致していることが、ロイターが確認した欧州委員会の文書で明らかになった。

ジョンソン首相は前日、トゥスク大統領に書簡を送り、アイルランド国境問題に関するバックストップをEU離脱協定案から削除するようあらためて要求し、その代わりに離脱後の移行期間中に代替策を導入するという合意を盛り込むことを提案した。
文書は「アイルランド島におけるハードボーダー(物理的な国境)復活を回避するため、バックストップは離脱協定案において必要かつ、法的に運営可能な解決策」と言明。「英新政権がこうした法的に運営可能な解決策ではなく、期日までに代替策を模索するコミットメントを望んでいることを残念に感じる。また、代替策はまだ見つかっていない」とした

さらに、英政府がバックストップに替わる「具体的な代替策」を提案していないことにも遺憾を表明。その上で、ジョンソン氏の書簡は「誤解を招く恐れがある」と批判した。

ジョンソン大統領は、合意なき離脱(ブレグジット)に積極的で、10月末には何がなんでもEUを離脱することを宣言している。
ブレグジットの可能性は増してきている。

総括

世界的な利下げ、景気刺激策の発表がなされており、世界経済は明らかに後退しつつある。

これで景気が上向けば良いが、米中貿易戦争やブレグジットなど根強い懸念材料があるなかではそれは難しい。

景気は好不を繰り返して発展していくもので、今はその境目にあるように感じる。

雨はいずれ止むもので、米中貿易戦争とブレグジットの行方をみるしかないが、次の好景気を見据えて行動したい。

出展

利回り低下でドル安、FRB議長のハト派発言期待で=NY市場

EU、英首相の書簡に反対表明 バックストップ削除巡り=文書