米中第一段階合意で追加関税撤回なるか

第一段階合意の一環で追加関税撤回

米ホワイトハウスのグリシャム報道官は8日、米中が通商合意に至れば関税が撤廃される可能性があると述べた。ただ詳細については明らかにしなかった。

グリシャム報道官はFOXビジネス・ネットワークのインタビューに対し、「何らかの合意が得られると極めて楽観的に見ている。合意が得られれば、関税の一部が撤廃される可能性がある」と述べた。
米中双方の当局者は7日、通商協議の「第1段階」の合意の一環として、双方が貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意したと明らかにした。ただ、追加関税の段階的撤廃には、ホワイトハウス内外の助言役から強い反発の声が出ている。

トランプ大統領、関税撤回に「合意していない」

トランプ米大統領は8日、対中関税の撤回で合意していないと明らかにした上で、中国が自身に関税撤回を望んでいるとの認識を示した。米中が貿易戦争を終結させる時期を巡って疑念が再燃した。

トランプ氏は「中国は多少の関税撤廃を求めているが、全てではない。なぜなら、私がそうしないことを分かっているからだ。私は何も合意していない」と述べた。
また、中国側が自分以上に合意を求めているとも指摘した。
トランプ氏はこのほか、中国との合意が成立すれば米国で署名したいと表明。「農業州であるアイオワなどが考えられる」との考えを示した。
トランプ氏の発言を受け米国株は下落。ドルも対円で下落し、米中通商合意を巡る楽観論を背景とするドル高の流れが一服した。

中国共産党系メディア「環球時報」の胡錫進編集長はツイッターで、トランプ氏の発言は市場で予想されていなかったと指摘。トランプ氏は全面的に否定したわけではないとした上で「関税撤廃がなければ、第1段階の合意はないだろう」と述べた。
ナバロ米大統領補佐官(通商製造政策局長)は電子メールで、米中が関税の段階的撤廃で合意したという情報を巡り、記者が中国の「プロパガンダ」に「踊らされた」と批判した。
米中通商交渉に関する報道の多くが匿名筋に頼っているとし、トランプ大統領とライトハイザー通商代表部(USTR)代表のコメントのみを取るべきと強調。「国のために匿名筋による『サーカス』はやめるべきだ」と述べた。
USTRから関税撤廃に関するコメントは得られていない。

ペンス米副大統領の首席補佐官を務めるマーク・ショート氏はCNBCに対し「第1段階の合意は年末までに調印できるとかなり楽観的に考えている」と表明。中国製品への制裁関税引き上げが予定される12月15日までの妥結は可能かとの質問には「その頃の妥結はあり得るが、特定の日程を述べて交渉を担当するムニューシン財務長官やライトハイザー代表の手を縛りたくない」とした。

総括

情報とは、列記とした新聞社やテレビ局からのものであっても、何かしらの意図により是非関わらず湾曲されて発信されるもの。
常に真意を読み取れなければ、新聞社やテレビ局の狙い通りに操作されてしまう。

政府高官だからと言って、事実であるとは限らない。
現にトランプ大統領の米経済指標の低迷がFRBの金利であるといった発言や、6月の米中首脳会談前の通商協議に合意したというムニューシン氏の発言など、
明らかに何か話題から反らしたい意図が見える。

これから米中の署名まで、善し悪し様々な情報が発信されると予想するが、常に真意を探り、惑わされないようにしたい。

出典

ロイター 11/9 米中通商合意なら関税撤廃の可能性=米政府報道官

ロイター 11/9 トランプ米大統領、対中関税撤回で「何も合意せず」