米中、追加関税の段階的撤廃に合意も米国内では反対論も

米中は7日、通商協議の「第1段階」の合意の一環として、双方が貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意した。

中国、追加関税の段階的撤廃に合意

中国商務省の高峰報道官は7日の会見で、中国と米国がここ2週間の間に、双方が貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意したと明らかにした。
米政府高官も同日、匿名を条件に、第1段階の合意の一環として関税撤廃が計画されていることを確認した。
米中の「第1段階」の通商合意には、米側が12月15日に発動する予定の携帯電話やラップトップPCなどの中国製品を対象とする追加関税を取り下げることが盛り込まれているとみられている。
中国商務省の高報道官は「ここ2週間、双方の交渉代表らが、様々な核心的事項の適切な解決に向け真剣かつ建設的に討議した」とし「交渉が進展し、追加関税を段階的に撤廃することで合意した」と述べた。
中国交渉団に近い筋によると、中国は米国側に「すべての追加関税をできるだけ早く撤廃」するよう要求したとされる。

高報道官は「第1段階」の通商合意が成立するためには、両国が互いに発動している追加関税を同時に撤廃しなければならないとし、撤廃は、合意を成立させるための重要な条件と表明。
撤廃する追加関税の割合は同じでなければならず、撤廃する対象品目数は交渉可能とした。
「貿易戦争は関税で始まっており、関税撤廃で終わらせるべきだ」と述べた。
「第1段階」の通商合意の署名はトランプ米大統領と習近平中国国家主席がするとされるが、その時期も場所も情報が錯綜している。

高報道官は、署名の時期や場所についてコメントを差し控えた。

米国内では反対論も

米国と中国が通商協議の「第1段階」合意の一環として既に発動した追加関税を段階的に撤廃する合意について、米ホワイトハウス内や外部の顧問から激しい反対論が出ていることが、複数の関係筋の話で分かった。

それによると、追加関税撤廃はトランプ米大統領と劉鶴・中国副首相が10月に交わした当初の合意案には含まれていなかった。
追加関税を撤廃すれば、米国が交渉で切り札を失うことになるとの意見が政権内で出ているという。
中国商務省の高峰報道官は7日の会見で、両国がここ2週間の間に、貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意したと明らかにした。

総括

過度に課した関税なので徐々に撤廃されるのは自然な流れであるが、
一度撤廃されたからといって再追加される保証もない。

一度は撤廃しておいて、第二段階の交渉で、圧力をかけるために再び発動させるかもしれない。

また、トランプ大統領は次期大統領選挙も控えているのでこれも視野に入れてのパフォーマンスかもしれない。

いずれにせよ、第一段階合意のあとは第二段階に向けて更なるまた圧力の掛け合いが待っていると予想する。

出典

ロイター 11/8米中、追加関税を段階的撤廃 「第1段階」合意の一環

ロイター 11/8 追加関税の段階的撤廃、米政権内に強い反対論=関係筋