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メ酒'23所感#5(moonstar150th×vertere、他4本)


・MOONSTAR x VERTERE セゾン/IPA
-vertere(東京都西多摩郡奥多摩町)

also moonster #150年しよります  

福岡県民なら誰もが知る、久留米を代表するシューズブランド''moonstar''
moon star無くして、ブリヂストンはなかったとも言われる古くから革新的な業務体系で知られる企業だ。日常の靴だけでなく、学生時代は体育の授業で使用するシューズもmoon starだったという方は多いはず。
そんなmoon starの創業150周年を記念し、記念イベントが薬院のalso moonstarにて開催。展示やvertereを取材したフリーペーパーの配布、そして奥多摩のvertereが醸造した限定ビールが販売された。
vertere×moonstar限定ビール、スタイルはセゾンとIPA。10/27(金),10/28(土)の二日間のみ樽生が繋がれており、beersonicの深堀氏がサーブしてくれる。この上ない贅沢な空間で贅沢な飲み物が味わえるのだ。

初日に頂いた樽生セゾンはとんでもなく美味しかった。
優しいニュアンスに力強いボディ。軽やかで飲みごたえも欲しい私にとって理想的な味わいであった。スパイシーでハーバル、内で弾けるガスも心地よくこれは缶で買って帰らねば、という出来栄えであった。靴屋でビールを飲む機会なぞなかなかないので貴重な経験となった。

・MOONSTAR x VERTERE Saison
香りは華やかで、スパイシー。柔らかい口当たりと苦味。
ライトとミドルの中間くらいのボディで心地よい飲みごたえだ。
素晴らしいバランスではあるが、やはり樽生のおいしさが勝る。

・MOONSTAR x VERTERE  IPA
香りにミネラル感?鉄のような香りに、固いテクスチャ。
Saisonよりも遥かに香りは華やかで、しっかりとしたボディ。
伝統を痛感する、王道の味わいであった。



・Neon City 霓虹之城 / Hong Kong Pale Ale
-Young Master Brewery (少爺啤 )(中国・香港)

10/26 赤坂・NOMAD

2013年に香港に創業されたYoung Master Brewery。10月6日に発表された、山梨・宇宙ビールとのコラボレーションで知ったYoung Masterだが、これほど早く飲む機会が訪れるとは運が良かった。
柑橘類を使用した王道のペールエールながら、ボデイはライトで程よい飲みごたえ。ベルガモットのニュアンスが心地よく、オールシーズン飲んでいられる一本だ。何よりラベルのデザインが素晴らしく、ぜひグラスやマーチも欲しいものだが、取扱店はあるだろうか、。

Neon City 裏ラベル


・田中六五 火入れ,生酒(23BY)
-白糸酒造(福岡県糸島市)

2023.10/28 

今や福岡の代表酒となった白糸酒造・田中六五。山田錦の名産地である糸島に位置する白糸酒造は、蔵の前が見渡す限りの田んぼという稀有な環境下にある酒造でもある。これが8代目 田中克典氏の姓であり、「田んぼの中」という意味の''田中''
六五なのだ。個人的に白糸酒造は別ラインの白糸シリーズの美しさとその味わいで知っており、蕎麦屋で飲んだ白糸35にはいたく感動した。
田中六五は白糸シリーズとは異なり、旨み・酸味のバランスに主軸を置いているラインである。

・田中六五 火入れ
りんご様の華やかな吟醸香に、軽やかな旨み。
穏やかで落ち着き払った味わいだ。重心は軽いが旨みは程々にあり、そこのチグハグ感が気になった。しかし、味わい自体は柔らかく一つにまとまっている。このいい意味でのスケール感の小ささというかカジュアルさが大衆に受ける要因なのだと感じる。いつの間にかAlc.14%になっており、さらに軽やかになっている印象。

・田中六五 生酒
火入れに比べて穏やかな吟醸香。微かなガス感と口に含むと広がる香り。
旨みはしっかりありフルーティーな余韻も心地よい。火入れよりさらに飲みやすい設計だ。火入れのまとまったボディに比べて、生酒はそれがガスや華やかな香りで分散されているような心地よさを受ける。しかしどちらも思ったより甘さ控えめで、旨み・酸味主体で驚いた。


・FARM HOUSE Sour Ale / with Apple&Cherry
-福岡クラフト(福岡県遠賀郡岡垣町)

10/28 Farm House Sour Ale/ Apple&Cherry

福岡市から北九州へ向かう道中、宗像市の隣にある遠賀郡岡垣町。そこに福岡クラフトの醸造所はある。以前は山梨の醸造所への委託醸造であったが、今年の3月(恐らく)より自社製造となった。新商品を出すペースは国内のブルワリーでも早く、クオリティはともかく、県内での認知度は日に日に上がりつつある。
Farm Houseは名前の通りサワーエールの歴史に則った銘柄であり、夏らしい軽やかなボディにりんごジュースとチェリーピューレを加えた爽やかスタイルである。
ミドル寄りの軽快なボディに、酵母のパンのような香り。リンゴの甘みと酸味、そこにチェリーのニュアンスが来る。特筆すべき点はあまりない、普通のサワーエールである。


・RA / SOUR DIPA
-宇宙ブルーイング(山梨県北杜市)

11/2 RA / Sour DIPA

宇宙ビールの新シリーズ?。太陽神ラーの名を冠したSour DIPA。
恐ろしく軽いボディと凝縮されたパイナップルの味わい。のど越しでかろうじてビールとわかるほどの味わいである。パイナップルリキュールにホップを加えたような出来栄え。宇宙ビールでここまで軽いサワースタイルは初ではないだろうか。
前述の福岡クラフトの半端なボディに比べれば、フルーツ感に振り切っていてよかったと思われる。





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