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メ酒'23所感 #4(クラフトサケ,シードルとの邂逅)


・翔空 SAKEマルゲリータ(R4BY)
-【翔空】LAGOON BREWERY(新潟県新潟市北区)

10/14 渡辺通・ビア基地にて

翔空の最もアイコニックな作品 SAKEマルゲリータ。その製法もさる事ながら、味わいも衝撃である。加熱され加工されたトマトと熱されたバジルの香り。まさに、イタリアンという概念そのものの味わいがする。
粒感も残るほどの赤みがかったにごりに、トマトの酸味・バジルの清涼感のアクセントが加わる。先日、愛媛のDD4Dのハラペーニョのビールを飲んだが、それよりもピザやポテトとの相性が良さそうだ。

・原料米:新潟県阿賀町産たかね錦・原料:トマト・バジル(新潟市北区 タカギ農場産)・精米歩合:65%・アルコール度数:13.5%・日本酒度:-6・酸度:3.0・アミノ酸度:1.4


・テキカカシードル ライチ
-もりやま園(青森県弘前市)

10/14 渡辺通・beer基地にて

リンゴ生産の中心地、青森県弘前市のもりやま園。そこで摘果したリンゴを原料に醸す、テキカカシードル。ジャパンシードルアワード2023 テイスト部門5つ星のライチ果汁を使用した作品。
りんごの芳醇でフレッシュな甘みはそのままに、酸味と渋み、そしてライチの南国果実様のニュアンス。シードルの入り口としては入りやすく、カジュアルながら気品のある味わいだ。しかしどうしてもワインや日本酒ビールのように美味しさの奥には行けない、伸び代を感じることができない。シードルはさらに学ぶ必要がある。

・DREAM SMOOJEE / BLACKCURRANT & BLACKBERRY SMOOTHIE SOUR GOSE
-Friends Company Brewing(スウェーデン・ヘルシンボリ)

10/14 渡辺通・beer基地にて

2016年にスウェーデン・ヘルシンボリにて"友達と一緒に楽しめる味わい豊かなビールを作る"というシンプルなミッションをかかげて設立されたブルワリー。
スムージースタイルのビールついては #1 PHOTON Blackberry&Bluberry/ SMOOTHIE SOUR ALEのみならず宇宙ビールの複数酒を飲んできたが、ここで海外のスムージースタイルを知るべく飲んだ一本。
テクスチャはさらりとしており、ドロドロ系のスムージーとは異なる。このテクスチャとカシスとブラックベリーの深い酸味と果実味が非常に相性が良い。酸味主体の味わいも、濃くも穏やかな果実味との対比がひき立ち、そしてゴーゼの塩の心地よい凝縮感が後口を締めてくれる。少し重たいと感じていた国産のスムージースタイルよりも好みであった。

・参考
DIG-THE-LINE store(https://dig-the-line-store.com/collections/friends-company)

・LIBROM バナナスムージーサワーサケ
-LIBROM(福岡県福岡市)

写真が下手

恐らく国内のシーンでは、山梨のうちゅうビールに端を発する「スムージーサワー」というクラフトビールのスタイル。いちごを使用したATOMやブルーベリー,ラズベリーのCRYSTAL、個人的に最高峰のスムージサワースタイルだと思うブラックベリーとシークワーサーのKIMONO。先日のPHOTON。
溢れんばかりの果実感と濃醇なテクスチャ。ハイアルコールを忘れるほどの飲み心地の良さである。

8月上旬、発売初日にLIBROMに駆け込み、調達した今作品。
一貫して黄色くにごった外観に、甘く芳醇なペースト状のバナナの香り。どぶろくベースのテクスチャは、スムージーサワーサケと言うだけあって、とても滑らかでとろりとしている。 
ともすれば重たく感じる飲み方を、程よいガス感で緩和している。心地よい舌触りと甘みが押し寄せ、後口は残らない。この滑らかなテクスチャとガス感の共存は大きな発明だと思っていて、例えば木花之醸造所のどぶろくなどは味わいこそ新しいものの、粒感が目立ち少し重た過ぎる傾向にある。そういう意味でも、どぶろくとは一線を画す。クラフトサケのスタイルとしての可能性をまた大きく広げた作品だ。

商品詳細:https://www.instagram.com/lib.rom/


・総乃寒菊 Discoveryシリーズ Adapt うすにごり ふさこがね50 無濾過生原酒(22BY 仕込み68号)
-寒菊銘醸(千葉県山武市)

2023 8/22

近年名前を聞く機会が多くなった千葉・寒菊。総乃寒菊、OCEAN99など複数のラインナップがあるが、ひとまず福岡の一番近い特約店''ひさや酒店''に赴き、飲んだ一本。寒菊の正体は総称してガス濁り甘々系の潮流ど真ん中であると認識しているが、これが非常に難敵であった。香りは穏やかながら、微かなガスと濁り、そしてグッとくるもろみの感じがあまり好みでなく、全体を覆い尽くすかのような甘みにも辟易した。梨のような厚みのある甘味は、味わいの詳細を探る気を阻害し全てを無に帰す。非常に飲み疲れる一本であった。同じ系統でも、産土の奥行きというか、飲むごとに増す深みみたいなものの凄さに改めて気付かされた。





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