ヤンゴン、ダウンタウンの向こう岸の街へ_vol.3
満員のフェリーが対岸のダラに到着しました。
フェリーターミナルを出てすぐ目に入ってきたのは、客待ちのサイカー集団です。
(サイカーとは、自転車にサイドカーがついた乗り物で、ミャンマーでは庶民の足となっています)
ダラのサイカー集団は、我が家の近所で昼寝しながらのんびり客待ちをしているサイカー運転手とは、明らかに違う人種の人々に見えました。料金交渉するまでもなく、ぼったくる気満々のハンターの様な鋭い目つきの運転手ばかりです。
観光用の三輪バイクも待機していて、その運転手もぼったくる気満々に見えます。
今回は、案内してくれた方が知人のサイカー運転手を手配して下さっていたので、やる気のみなぎるサイカー集団の横は素通りです。
「あの中でぼったくらない運転手っているんでしょうか?」と案内してくれた方に聞くと、「全員ぼったくりでしょうね!」との力強い答え。
(初めてのダラ、1人で来なくて良かった…)と心から思いました。
ハンターの群れにひるんだ私ですが、手配して頂いたサイカーに乗って走り出すと、最初の印象とはまったく違う、のどかな風景があることにすぐ気づきました。
田舎道の道端で魚をさばく人。
黄金色のすっぽんがあるパゴダ(お寺)。
外国人(我々)を見て手を振る子供達。
川沿いに停まる小さな船と、川に沿って密集する木造の家。
昭和初期の漁村、農村って、こんな感じだったのかしらん、というような、素朴でのんびりした景色です。
そんなのんびりした風景を見ながら走っていると、サイカー運転手が話しかけてきました。
「ジャパンはいい国だ。技術がすごい。車も、携帯も、ジャパンのものはいいものだ。でも高い。そういうビジネスだ」
「チャイナやコリアのものは、安いけれどすぐに壊れるんだ。品質はよくない。でも安い。そして広い地域で売っている。そういうビジネスだ」
「日本のSONYはいい。携帯もSONYのが良いんだ。」
「ところで、お前は、なぜ日本人なのに、SONYじゃなくてiPhoneを使っているんだ?」
まさかの!
ダラの!
サイカー上で!
始まったビジネス談義、ビジネス問答。
ジャパンの代表として、何か素敵な答えを…と思ったものの、私の口から出てきた言葉は、
「あ、iPhoneが好きだから…」
(実際初代からずっとiPhoneを使っているし、iPhone以外のスマホは使ったことがない…けれど)
「あら知らないの?iPhoneはアメリカの製品だけれど、日本のテクノロジーなしには作れないのよ」くらい言えれば良かった。
さて、そんな一抹の後悔を抱えながら、我々の乗ったサイカーは目的地であるバンブービレッジへと到着したのでした。
続く…
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2014年〜ミャンマー在住。IT企業を現地でやっている夫、現地のローカル幼稚園に通う3歳の息子と一緒に、日々アレコレドタバタやってます。サポート頂いたら、新しいモノコト探しに使わせて頂きたいです!