水にまつわるエトセトラinヤンゴン
そのお知らせは突然にやってきました。
「Hi Gaverment will cut water supply between 10am 13th and 10pm 14th of September. Pls save water. don’t use too much on these days」
大家さんの代理のおじさんからSMSが送られてきたのです。
これは、つまり計画断水のお知らせです!
9月13日の朝10時から、14日の夜22時まで。36時間、けっこう長いな…
はじめにミャンマー・ヤンゴンの水事情について説明すると、他の東南アジアの国同様、蛇口から出てくる水は基本的に生活用水で飲むことは出来ません。日本のように、蛇口から出てくる水が飲める国って本当に少ないんですって。
ここでは、蛇口から出てくる水は、お風呂や、食器洗いや、洗濯に使うものです。
初めは、飲めない水で洗った食器って大丈夫なのかしら、とナーバスになっていた私ですが、いちいち飲料水で食器洗うのも面倒だしミャンマー生活も4年目に入るし、飲めない水で洗った食器を使う日々です。
飲料水は、水屋さんからボトルに入ったものを買うんですよ。
コンドミニアムなら、セキュリティの人に頼むと持ってきてくれます。
今の家では、近所にいる水屋さんが定期的に巡回しているのでその人から買っています。
このお水も日本の飲料水に比べたら、まあ色々問題があるようなのですが、今のところお腹を壊したことはないです。
話は戻って蛇口から出てくる生活用水ですが、これには2種類の水があります。
一つ目は、YCDC(ヤンゴン市)の水道から供給される水。
二つ目は、地下水です。
住んでいる場所によって、地下水が蛇口から出てくるか、水道水が蛇口から出てくるかは違います。
日本人の感覚だと、地下水って大丈夫か?って思うのですが、ヤンゴンに住んでいると、実はその逆です。
水道水は、茶色くて濁っていることがほとんどです。
水道菅自体がサビているのではないかと思っています。
また、頻繁に断水があったり、水道が供給される時間帯が限られています。
地下水の場合は、建物独自の井戸を掘っていて、そこからモーターで地下水を組み上げ建物全体のタンクに溜めた後に各戸に供給されます。
地下水をモーターで組み上げているため、電気が止まるとモーターを動かせないので、水の供給も止まります。
※電気が止まった後、すぐに水が止まるわけではなく、タンクに水がある間は水が使えます。
井戸水、水道水どちらの場合も、ローカルの場合は、建物全体のタンクではなく、各戸にこのような水溜め場が設置されていることもあります。
(愚連隊の家探しでも書きましたが、私はこの水溜め場がすごーく苦手。ボウフラがわきそうだし、貞子が出てきそう…最初見たときは、なんのためのものか分からなくて、こんな深い風呂に入るのか?と思いました)
高級なレジデンスは、独自の深井戸や浄水システム、大きな貯水タンク、発電機を持っているため、停電や断水とは無縁です。
現在の愚連隊の家は、
・YCDCの水道水を利用
・建物外部に専用の大きめタンクが設置
・水道の供給時間が限られているかは不明(※断水したことがないので分からない)
・最近、だんだん白い洗濯物が茶色く染まってきた
といったところです。
そんな中やってきた、大家さんからの断水のお知らせ。
我が家の近所だけかと思いきや、水道管のメンテナンスのために、ヤンゴンの多くの地域で断水するというニュースが出ていました。
36時間の断水、もうホテルに泊まっちゃおうかな、、
いや、13日の仕事終わってからチェックインして、14日は、幼稚園の弁当用意して(ん?ホテルでどうやって用意する?)息子を幼稚園に送って、チェックアウトして仕事に行って…と考えると、本当に寝るだけのホテルステイ。
うーん、ホテル代がもったいない。
それに、ホテルでも断水しているかもしれないし、断水の心配がなさそうな良いホテルに寝るだけのために1泊するなら、そのお金でどこかに旅行でも行きたい。と考えるとホテルに泊まるのはナシ。
実は、以前は、長時間の予告停電などの時には、ここぞとばかりに喜んでホテルステイしていたのですが、今はそんじょそこらのホテルに泊まるなら、大好きな愚連隊の家に居たいんです。(家って本当に大事ですね)
色々考えた末、下記の作戦で乗り切ることにしました。
・洗濯物は12日の夜までになるべくやっておく
・トイレ用に、バスタブに水をためておく
・13日の夜のお風呂はどこかに借りに行くか、我慢する
・14日の朝はなんとか水無しで乗り切る(飲料水は買い置きがあるので)
・食事は外食にする
・14日の夜22時以降に断水明けの作業をする(洗濯機のチェックなど)
ありがたいことに、数件のお宅から、「水が止まったらシャワーしにきていいよ」という連絡を頂き、ドキドキしながら13日の朝を迎えました。
朝一で、「トイレ用の水をためておくか」とバスタブに水を溜め始めた朝7時半。
わたくし、目を疑いました。
出て来たのは、コーヒーかと思うほどの茶色い水!
これは、何かの間違いかと思い、水をいったん抜いた後にまた水を溜め直したところ、さっきよりも茶色い水が…
まだ断水の時間になっていませんでしたが、水道管の中では何かが起こっている様子でした。
この茶色い水をバスタブにためておいて、断水に備えましたが、予告された期間、完全に断水することはなく、茶色い水以外は、36時間を平和に終えることが出来ました。
しかし、一度あの茶色い水を見てしまった私、普段からこれの薄まった水を使っているのね…と思うと、気持ちが萎えてしまいました。
大家さんに連絡して、私たちの負担で浄水器をつけて良いか確認し、即サンドフィルターと浄水器をつける手配を!
これで、お風呂もトイレも洗濯も茶色くない水を使うことができ、なんと、キッチンからは、飲める水が出てくるようになりました!
透明な水のお風呂に入れる幸せ。
洗濯しても、服が茶色く染まらない幸せ。
飲める水で、お米をとげて、野菜が洗える幸せ。
日本にいたら味わえなかった、水にまつわるささやかな幸せをミャンマーで噛みしめる日々。
そして、たまに日本に帰国した時には、飲める水でお風呂に入れる幸せを全身で感じています。
2014年〜ミャンマー在住。IT企業を現地でやっている夫、現地のローカル幼稚園に通う3歳の息子と一緒に、日々アレコレドタバタやってます。サポート頂いたら、新しいモノコト探しに使わせて頂きたいです!