そのセンスが悔しいよ。


「センス」の一言で片付けるのがあまりにも惜しいから、この場に記しておきたいと思う。





彼女の目はいつも、人間の本性に向けられているように思う。
刃物のように鋭い視点が、心に突き刺さる。できれば探られたくない、実に痛いところを突いてくるから、中には傷つけられた気分になったり、反発したくなったりする人もいるんだろう。それでも俺は、人間の本当の部分を言い当てる彼女の着眼点に心を揺さぶられてしまったよ。

そして彼女の言葉はいつも、最短距離でやってくる。
彼女のツイートやコラムを読んでいると、バカ、お前、ブス、ブサメンなどの単語がいくつも目に飛び込んでくる。言葉選びと言い回しがストレートなぶん、彼女はきっと俺が想像する以上の批判も受けてきたのだろうと思う。ただ、これに関しても俺は素晴らしいと思っていて、なぜなら「バカ」は「バカ」と言ってしまったほうが話が早いから。一切の屈折がない、直截な表現に潔さを感じずにはいられなかったよ。

OK, いいセンスだ。


それだけに、どちらかというと冷たく、淡々としている性格なのかなと思っていたけれど、そんな先入観はあっさり覆される。

たまたま彼女のツイキャスを見つけて聴いてみたら、リスナーからのコメントを一つひとつ読み上げて、視点と言葉の鋭さはそのままに、明るく、流れるように答えている彼女がいた。そして、時に大きな声で笑っていたよ。

彼女は文章を書くとき、当然ながら受け手に伝わるよう推敲を重ねるとは思う。けれども、実際に話しているところを聴いてわかったのは、その視点と言葉遣いと言い回しの妙はもはや彼女自身に根付いていることだった。

そう。 君には一切の嘘を感じない。


俺からすると、彼女が書き、そして話す言葉のすべてが、妹尾ユウカという人間そのものだ。その、作られた感じのしない”素のままの妹尾ユウカというセンス”が羨ましく、まったくもって悔しいよ。

次のメシアを担うのは、彼女かもしれないね。