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クロナガアリ12年目 女王アリの死

2013年から飼育を開始したクロナガアリのコロニーですが、2024年4月26日に遂に女王アリが死亡しました。11年間の寿命を全うした大往生でした。女王アリに異変が生じたのは4日前の4月22日でした。女王アリに異変が生じてから死亡するまでの4日間を記録する事が出来ました。

クロナガアリの女王アリに異変が生じたのは2024年4月22日でした。働きアリ達が女王アリを集中的にグルーミングする様子が観察されました。通常でも女王アリはグルーミングされていますが、今回は、多くの働きアリ達が女王アリの周囲を囲んでいたので、いつもと全く違う状況でした。

飼育12年目 コロニー(2024年)
女王アリに異変が生じている

その後、女王アリは手厚いグルーミングを4日間もされ続けました。働きアリ達は女王アリの足・胸・腹・触角など全身をグルーミングし続けました。10匹近い働きアリ達から同時に手厚い看護を受けていました。女王アリはフラフラとよろめきながら歩いていて、寿命が迫ってるような状態でした。

状況に大きな変化が起きたのは異変発生3日後の4月25日でした。働きアリ達が『黒い団子状態』になって女王アリを取り囲んでグルーミングをしていました。まさに『集中治療』といった感じで、女王アリの全身を隙間なくグルーミングしていました。女王アリは生きてはいましたが、既に自立歩行出来ない状態で、横に倒れた状態でした。

倒れた女王アリを働きアリ達が集中的に看護する
黒団子の中心で看護される瀕死の女王アリ
働きアリ達に集中的に看護される女王アリ

そして、2024年4月26日に働きアリ達の懸命な看護も虚しく、遂に女王アリは死亡しました。4月26日には女王アリがゴミ捨て場に移されました。ゴミ捨て場に移された段階では、かすかに女王アリの触角が反応して生きていましたが、その後に死んでいるのが確認されました。

飼育12年目に死亡したクロナガアリの女王アリ

このコロニーの飼育開始は2013年です。それから、11年間飼育する事が出来ました。このコロニーは複数の女王アリが居るので、これからも存続していきます。2013年に働きアリ15匹から飼育を始めたコロニーですが、2016年には働きアリが1000匹を超え、2017年には33匹の新女王アリも誕生しました。2018年には働きアリが2000匹を超え、繁栄のピークを迎えました。

2021年から徐々に働きアリが減り始め、現在は500匹程度となっています。近年は、働きアリに対してオスアリが多くなっており、大量の働かないオスアリの存在がコロニーを圧迫しています。

クロナガアリ帝国の繁栄と衰退ですが、一つの国家を見ているようです。
帝国の成立→高度成長→増え続ける働きアリ→繁栄のピーク→繁栄を謳歌→徐々に始まる衰退→加速する衰退→女王アリの死・・・

昨年以降、このコロニーでは女王アリが相次いで死亡しています。12匹の女王アリで飼育していたコロニーですが、残りの女王アリは8匹です。
今後も飼育と観察を続けていきます。