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幾つかの視点から、物語への考察や論理のまとめ,2023年10月5日

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注意

 

 これらの物語の重要な展開を明かします。

漫画

『マンガで分かる心療内科 アドラー心理学編』
『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』
『オタク王子とベストセラー作家令嬢の災難』
『聖女の魔力は万能です』
『聖女の魔力は万能です もう一人の聖女』
『真の安らぎはこの世になく シン・仮面ライダー』

小説

『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』(web原作,書籍)
『オタク王子と作家令嬢の災難』
『神狩り』
『神狩り2 リッパー』

特撮映画

『シン・ウルトラマン』
『シン・仮面ライダー』

特撮テレビドラマ

『ウルトラマンメビウス』
『ウルトラマントリガー』

テレビアニメ

『聖女の魔力は万能です』

はじめに

 今回は、読んだ書籍と私の知る物語や漫画を、幾つか関連付けます。
 また、最近何となく考えたことも記します。

アドラー心理学を「メタ欲求」の論理で批判する

 『論理パラドクス』という書籍を読んだところ、「メタ欲求」という単語があり、それとアドラー心理学の関連が気になりました。というより、アドラー心理学の論理的に雑なところを、ようやく言い表せると考えたのです。
 アクラシア問題、「意志の弱さ」のパラドクスなのですが、「論文を仕上げなければならないときについゲームをしてしまう人が、その欲求を抑えるために鎮静剤を飲むとすれば、その人は論文を仕上げたい欲求とゲームをしたい欲求のどちらが強いのか。前者なら鎮静剤を飲む必要はなく、後者なら鎮静剤は飲まないはずだ」という疑問のようです。
 この答えは、「論文を仕上げたい欲求Aよりゲームの欲求Bの方が強いが、それを逆転させたい別の欲求M、言わばメタ欲求がある」ということでした。
 つまり、欲求を扱う別の欲求という入れ子があるのです。
 『マンガで分かる心療内科』のアドラー心理学、「個人心理学」の解説では、「人間は個人=individualであり、つまり分割出来ず、1つの目的に向かっている。お菓子を食べるのを我慢出来ないなら、それは全部の心で食べているのであり、食べちゃいけないなんて思っていない」という趣旨の記述がありましたが、これはまさに、メタ欲求の論理を無視していると言えます。
 おそらく、目に見える行動を達成した、最後に勝った欲求だけが「目的」だと解釈して、その欲求を制御する「メタ欲求」を「無意識などというフロイトなどが話したものは存在しない」と否定したのが、雑な論理で、それをアドラー心理学の人間は信じているのでしょう。
 この辺りに、論理学とアドラー心理学の関連がありそうです。
 

『ギフト無限ガチャ』のダガンの扱い

 『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』(以下『ギフト無限ガチャ』)では、現実の人間に近いヒューマンという弱い種族が他の種族に差別されるのを、例外的に強いヒューマンの主人公のライト達が覆そうとするのですが、差別する傾向の弱いドワーフ種が、徐々に味方になっています。ただし、研究に専念して「興味がない」というものでもあるようですが。
 そのドワーフ王ダガンは、権力があるにもかかわらず王になりたくない、自分の研究をしたいというもので、死者への弔いの精神などはあるものの、その研究のために自国で何をしても良い権限をヒューマンのライトに与えるなど、政治家としては問題があり、「主人公に都合の良い問題人物」とも言えます。
 しかし、ヒューマンの中で「危険」らしいライトを陰で殺そうとした各国家の決定にダガンも反対してはいなかったらしく、その点についてライトやその部下もあまり深入りしていない印象もあります。
 いずれにせよ、ダガンは人気投票で順位が高いようですから、考える余地はあります。

『オタク王子』と『シン・ウルトラマン』の動画

 『オタク王子とベストセラー作家令嬢の災難』と『シン・ウルトラマン』には予想外に共通点が多いと記しましたが、そのyoutube宣伝にも、その伏線が、よく見るとありました。
 主人公の身内が社会から糾弾される「冤罪」の場面がどちらにも、父親の逮捕とにせウルトラマンの破壊行為として映っています。また、「オーバーテクノロジー」という単語が前者にありますが、後者のメフィラスもまさしく「オーバーテクノロジー」を与えようとする存在でした。探してみると、動画1つでも考察の余地があります。

『オタク王子』と『聖女の魔力』とウルトラシリーズ

 以前『聖女の魔力は万能です』と『ウルトラマンメビウス』の関連を記しましたが、『メビウス』と『シン・ウルトラマン』の共通点から、共に女性向けの『聖女の魔力』と『オタク王子』の関連も考えてみます。
 『聖女の魔力』と『メビウス』の共通点は、「基本的に善人が多い」、「珍しく悪く扱われる序盤の人物も、異世界に呼び出して戦わせるのは良くない、宇宙人に防衛を頼るべきでないという常識でジャンルを台無しにしているに過ぎない」、「人間の敵、会話しない敵が環境を破壊していると示すことで、人間全体を悪にせず、その敵に容赦しない」と言えます。
 一方『オタク王子』と『シン・ウルトラマン』の共通点は、「キリスト教を連想させる強者の暴力と折り合いを付ける」、「日本の公安の人物が科学や法律を超えた事象に対処する」、「一部の人物には常識であるオーバーテクノロジーが、劇中世界を混乱させる」ことなどがあります。
 そして、『シン・ウルトラマン』と『メビウス』の共通点は、「人間がウルトラマンに近い生命に進化出来る可能性が示唆される」ことです。
 『シン・ウルトラマン』のゾーフィはそれを防ぐために滅ぼそうとして、『メビウス』のゾフィーはそれを促すために守ろうとしています。
 人間を神が羊のように守るとされるキリスト教の考えから、幾つか考えの余地があります。
 聖書の創世記では、人間が大地を不毛にして、環境破壊の責任を負うと解釈される記述もあるようです。
 また、『環境と経済の文明史』では、羊は植物を大量に食するために環境への負荷の大きな家畜だとされます。
 ここから、神にとって羊のような存在である人間が環境を荒らすとすれば、その問題点を軽視して、あくまで人間を善として敵に立ち向かうのが『メビウス』と『聖女の魔力』であり、聖女やウルトラマンがそれを守り促す存在なのでしょう。
 一方『シン・ウルトラマン』では人間の環境破壊が禍威獣を目覚めさせたとして、それをさらに操るメフィラスは、人間を資源として、他の外星人から守るためにも管理しようとします。『オタク王子』は出版技術や大量生産や資本主義が始まったばかりらしいヨーロッパ風の異世界が舞台で、環境問題への示唆は見当たりませんが、キリスト教風の宗教を信じるらしい犯罪者集団「アルティスタ」が、現実に近い世界の拳銃などの知識で異世界を操っているようです。メフィラスやアルティスタが、人間を管理する神を目指す存在だとも言えます。
 人間が文明を問題も含みつつ、神の羊のように進んで行く中で、「進みたい」という願望を前向きに描くのが『聖女の魔力』と『メビウス』ならば、「進める側の言うなりで良いのか」という疑問を描くのが『オタク王子』と『シン・ウルトラマン』だと考えます。

『シン・仮面ライダー』の残った疑問

 『シン・仮面ライダー』では、仮面ライダー第0号=チョウオーグになる緑川イチローにより、人間の魂に当たるエネルギー「プラーナ」が「嘘のつけない」ハビタット世界に転送されそうになっています。
 それを止めようとした特殊部隊がその犠牲になっていますが、外傷はなく、笑顔で心停止したようです。これは、『ウルトラマントリガー』のマナカケンゴが「世界中のみんなを笑顔にしたい」と願ったのを、皮肉に強制的に実現したとも言えます。
 問題は、その特殊部隊が、仮面ライダーを支援する「政府の男」曰く、「勇み足で勝手に強襲した」らしいことです。
 「政府の男」は犠牲を出しながらも敵の毒を利用して別の敵にとどめを刺すなど、純粋に善とも言えないところがみられ、本当に強襲した部隊が「勝手に」行動したか怪しいと言えます。その隊員が「嘘のつけない」世界におり、仮にルリ子の指示したように体を火葬してもそのプラーナが残るとすれば、ハビタット世界の住人は、その隊員の知る全てを知っていることになります。隊員が「本当は、自分達は捨て駒だった」と認識して、その証拠も知っていれば、「政府の男」にとって不利になったでしょう。
 ハビタット世界がイチローの死後も残るとすれば、それを観察出来るらしいルリ子のような人物がいれば、政府に不利な情報をつかもうとする人間も現れるかもしれません。政府に反発するところのある一文字の元同僚などがいずれ登場して、そのようなことをするかもしれません。
 また、プラーナだけになったルリ子が安全な場所に守られているらしいですが、生身のときに着替えや買い物も難しかったので、それはどこなのか、という疑問の余地もあります。一文字の新しい装備に「ショッカー」のマークがあることもあり、ショッカーの技術を政府が流用しているとすれば、イチローの能力を使った結界などがルリ子を守っているのかもしれません。

『シン・仮面ライダー』漫画版と本編で珍しく繋がる人物

『シン・仮面ライダー』の悪役と、その漫画版での行動がいまひとつ繋がらないと書きましたが、珍しく繋がりそうなのは、今の時点では、緑川弘です。自己犠牲的な、というより自分の命に無頓着なところは似ています。
 それが何を指すのかは分かりませんが。

数学と経済学

 佐藤優さんは池上彰さんとの共著で、「偏微分の知識がなければ金融工学の理解は難しい」と書き、「マルクスは数学が苦手だったので、経済学における商品の交換の論理的な条件をあまりよく考えていない」、「マルクスは国家や税金の話を経済でしておらず、それは部分積分のように外した方が良い」と書いている書籍もあります。
 私が調べた偏微分の知識なども、文系のように解釈して、いずれ経済学で考える予定です。

論理学の難しさ

 論理学の書籍を読み、数学のような記号で考えることの難しさを確認しました。
 たとえば、「食堂で彼はカレーかラーメンを食べる」という日本語において、「カレーだけかラーメンだけを食べる」の2通りと解釈することが多いものの、コンピューターでは「カレーだけかラーメンだけか両方か」の3通りに考えてしまうので、その辺りの誤解を防ぐ工夫が、論理学にはあるとされます。
 つまり、カレーを食べるのをA、ラーメンを食べるのをBとすれば、「または」が「∨」、「かつ」は「∧」、「でない」は「~」と表し、「A∨B」は先述の3通りで、イメージの「カレーだけかラーメンだけか」は「A∧~B」∨「~A∧B」としなければなりません。
 こういった紛らわしさを、以前論理学で習った記憶があります。
 また、「~A∨B」は「A⇒B」と同義であり、このような論理をとっさに思い浮かばないのが私の未熟なところです。

 宗教と言語学の基本的な論理を扱った小説『神狩り』及び『神狩り2 リッパー』との関連も、いずれ扱う予定です。

まとめ

 まとめというほどまとまっていませんが、これまでにない要素も扱えたようです。

参考にした物語

漫画

ゆうきゆう(原作),ソウ(作画),2014(発行),『マンガで分かる心療内科 アドラー心理学編』,少年画報社(出版社)

作画/大前貴史,原作/明鏡シスイ,キャラクター原案/tef,2021-(未完),『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』,講談社

藤小豆,橘由華,珠梨やすゆき,2018-(未完),『聖女の魔力は万能です』,KADOKAWA
亜尾あぐ,橘由華,珠梨やすゆき,2021-(未完),『聖女の魔力は万能です〜もう一人の聖女』,KADOKAWA

日部星花,一宮シア,『オタク王子とベストセラー作家令嬢の災難』,(BOOKWALKERなどに連載)

山田胡瓜,藤村緋二,石ノ森章太郎,庵野秀明,八手三郎,2023-,『真の安らぎはこの世になく-シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE』,集英社

小説

明鏡シスイ,『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』,小説家になろう(掲載サイト)
https://ncode.syosetu.com/n9584gd/

2023年10月5日閲覧

明鏡シスイ,tef,2021-(未完),『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』,ホビージャパン

日下部聖,『オタク王子と作家令嬢の災難』魔法のiらんど(掲載サイト)
https://maho.jp/works/15591074771453312177

2023年10月5日閲覧

山田正紀,1975,『神狩り』,早川書房
山田正紀,2005,『神狩り2 リッパー』,徳間書店

特撮映画

樋口真嗣(監督),庵野秀明(脚本),2022,『シン・ウルトラマン』,東宝

石ノ森章太郎(原作),庵野秀明(監督・脚本),2023,『シン・仮面ライダー』,東映

特撮テレビドラマ

村石宏實ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2006 -2007 (放映期間),『ウルトラマンメビウス』,TBS系列(放映局)
坂本浩一ほか(監督),ハヤシナオキほか(脚本),2021-2022,『ウルトラマントリガー』,テレビ東京系列(放映局)

テレビアニメ

橘由華(原作),井畑翔太(監督),渡航(シリーズ構成),2021,『聖女の魔力は万能です』,BS11ほか(放映局)

YouTube

https://m.youtube.com/watch?v=FkqTsFsVXLU&pp=ygUk44Kq44K_44Kv546L5a2Q44Go44OZ44K544OI44K744Op44O8

『オタク王子とベストセラー作家令嬢の災難』PV

2023年10月5日閲覧

https://m.youtube.com/watch?v=2XK23KGM-eA&pp=ygUh44K344Oz44Km44Or44OI44Op44Oe44Oz44CA5YWs5byP

『シン・ウルトラマン』PV

2023年10月5日閲覧

参考文献

細田衛士,2010,『環境と経済の文明史』,NTT出版
野矢茂樹,2006,『入門!論理学』,中公新書
三浦俊彦,2002,『論理パラドクス 論証力を磨く99問』,二見書房
ポパー哲学研究会,2001,『批判的合理主義』,未來社
池上彰,佐藤優,2016,『僕らが毎日やっている最強の読み方』,東洋経済新報社
池上彰,佐藤優,2015,『希望の資本論 私たちは資本主義の限界にどう向き合うか』,朝日新聞出版
佐藤優,2018,『いま生きる階級論』,新潮社
旧約聖書翻訳委員会,1997,『旧約聖書1 創世記』,岩波書店

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