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S氏問題2015

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拝啓 広告関係者の皆様へ。

拝啓 広告関係者の皆様へ。

昨日に続き、本日も新刊リリース(笑)定価1000円。

だいたい3時間で一冊、まとめられる。

今回のは、広告関係者必読(笑)

広告と社会とクリエイターの未来についてまだまだ議論の余地はありますよ。橘川幸夫。

高度情報化社会において「広告」の意味と役割をもういちど見直す。
広告そのものが古い衣を脱ぎ捨てられるかが問われている時代だ。
(星山健太 コピーライター)

▼Contents

第一章

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佐野氏問題の終了

佐野氏問題の終了

 オリンピック・エンブレムを巡る剽窃問題は、佐野氏の辞退によって、ひとまずの終わりになるだろう。組織委員会の、問題の本質がまだ理解されていないような会見は、更に油を注ぐようになったが、これ以後、新しいパクリ作品が指摘されても、状況的にはそれほどのインパクトを与えないだろう。

 僕たちは、今回の問題で、この「複製芸術の時代」における「オリジナルな表現」とは何かという、本質的な問題に向かいあえる

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佐野氏問題が終わらない。

佐野氏問題が終わらない。

1.祭りは終わらない

 佐野氏問題は、潔白を証明しようとすればするほど、新たな疑惑が発生して、泥沼化している。そもそもの問題がなんなのか、佐野氏や大会組織委員会は、自覚していないのだろうか。

五輪エンブレム「原案公表しない」…大会組織委

「同委員会は当初、このデザインを使おうと世界中の商標を確認したが、似たようなデザインが見つかったため、佐野氏に修正を求め、7月に発表されたデザインに落ち着い

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ソーシャル・ワールド

ソーシャル・ワールド

 80年代、日本のバブルの最中に、そんなこととは無関係に、パソコン通信が誕生し、90年代のバブルの崩壊あたりから、インターネットが始まった。インターネットの開始ともに、日本中で地域プロバイダーが登場した。パソコン通信のホストをやっていた人たちや、大手企業を脱サラして、プロバイダーを立ち上げた人も多かった。時代の流れはインターネットだったが、プロバイダーという仕事が大変で苦戦しているうちに、大手プロ

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Singularityの時代を生きる

Singularityの時代を生きる

Singularityという言葉がある。人間は機械を創りだしたが、その機械の能力が人間の能力を超える地点があるということである。やがて、パワーアームをつけた老人は若者より重たい荷物を持つことが出来、徒競走でも負けなくなる。その地点は、確実に近づきつつある。

技術的特異点(ぎじゅつてきとくいてん、Technological Singularity)Wiki

 僕は「森を見る力」(晶文社 2014

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佐野氏問題引き続き

佐野氏問題引き続き

 佐野氏問題は、ネットの中で、引き続き作品の元ネタ探しを続けたり、事件そのものをパロディにしたりして、混迷を続けている。プロのデザイナーたちも、一部、反撃をしているようだが、単なる「素人は黙ってろ」みたいなロジックだけでは、多くの人は納得しないだろう。特権階級の特別意識と仲間褒めは、ネットの中では、もっとも反発を受ける態度だ。

 僕は、この問題はデジタル社会の重要な問題だと思っている。現在、クリ

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続・佐野氏問題の終了

続・佐野氏問題の終了

 佐野氏のメッセージは、ご家庭にイタズラなどがあり不安なのでエンブレムは撤回するということでした。そのことをもって、多くの人が同情し、問題追求はやめようという気分になっているようです。大人げない連中によるイタズラはけしからんことだと思いますが、あのメッセージは、一番、大事な問題への自覚が抜けているような気がする。「図らずもご迷惑をかけた」人々ではなくて、「意図的にご迷惑をかけた人」に対する謝罪がな

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佐野氏問題、編集中

佐野氏問題は、インターネットが日常化した生活の中で、さまざまなことを浮かび上がらせてくれた。付和雷同で、ただ攻撃することが目的となった追求も無意味だし、事の本質に触ろうとしないで、「ネット私刑」だと言いわめくことも、同じように無意味だ。この問題は、佐野氏はもろちん、ひとりひとりが、静かに向かい合うべき問題なのだと思う。

ということで、少し、再考しながら、まとめていきたいと思う。noteの良いとこ

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佐野氏問題の先に考えること

佐野氏問題の先に考えること

佐野氏問題の先に考えること

 20世紀は組織の時代であった。国家は軍備を拡張し、企業は自己資本率を高め、ライバルの組織と戦った。近代社会では、特別のスーパースターでなければ、個人は、組織の一員としてのみ評価された。国家は別の国家と世界戦争を行い支配地域を拡大し、企業は企業買収によって勢力を拡大していった。しかし、そういう方法論は終わっている。なぜなら、物理的な世界には限界があるからだ。戦後のダイ

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