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時事放談・李元大統領の逮捕と、独裁国家について


李元大統領を逮捕 収賄容疑など

 韓国の元大統領の李明博(イ・ミョンバク)元大統領が逮捕された。これで、前大統領の朴槿恵(パク・クネ)が逮捕されているので、二人獄中。韓国は、権力者が権力を手放すと、逮捕されたり自殺したりと不遇な末路となる。「恨(ハン)」の国という言い方もあるが、むしろこれが世界標準なんだろう。

 日本の場合、例えば民主党が政権をとった時に、自民党の基盤を崩そうとしてさんざん仕掛けたのは小沢一郎一派だけで、他の人達は、そういうことに無関心に、自分たちの政策だけを実現しようとした。むしろ、自民党と同調する動きになってしまい、政権交代は短期で終わった。あの時に、何人かの自民党首脳を逮捕していれば、10年間は自民党は復活出来なかっただろう。

 明治維新の時も、徳川方で切腹させられたのは、近藤勇のような現場の官僚トップだけで、多くの閣僚は明治政府に合流したし、地方の大名なども郵便局長などの職を与えられた。

 ロシアのプーチンや中国の習近平が独裁政権になったということを、呑気に批判する人も多いが、それだけ過酷な政治運営を行っているということだろう。公平な選挙制度で、選挙に負けたら、韓国のように、新しい政権が、プーチンや習近平を逮捕するかもしれないからだ。プーチンも習近平も、多数のライバルを失墜させて自らの権力基盤を固めてきたので、権力を保持し続けなければ、逆に新しい権力に、自らの権力基盤を奪われる。力の強い政治家は、独裁者にならざるを得ないのだろう。国民は、経済的な満足ささえあれば、政府に従順になる。経済的発展をさせるために、更に権力者は独裁的な政策をとっていく。いつかは、他国との争いになっていかざらを得ない道である。

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