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「ロッキング・オンの時代」橘川幸夫

僕は1970年代の「ロッキング・オン」で、考えることを知り、書くことを学び、行動する楽しさを感じることが出来た。本書は、1972年に創刊された小さな雑誌の創刊物語である。

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「ロッキング・オンの時代」橘川幸夫 

単行本: 272ページ

出版社: 晶文社 (2016/11/19)

言語: 日本語

ISBN-10: 4794969406

ISBN-13: 978-4794969408

発売日: 2016/11/19

あとがき

 小説家にとって、処女作というのは特別なものだと思う。その時の小説家はまだ無名であり、周囲からの期待も、社会的な圧力も、また余計な自尊心もないまま、本当に自分が書きたいものだけを追求して書いた作品だからだ。文章の技術も未熟だろうし、読者との距離感も不明なままだろう。ただ、夢を見るように内的な衝動のまま現れてきた言葉やストーリーが、その人の宿命というものなのではないか。僕にとってのロッキングオンの仲間たちとの出会いと、創刊は、そのような宿命であった。人は、誰もが、社会に出て、最初にどういう職業を選ぶのかというのは、とても重要なことだと思う。

 本書は、1970年の10年間に起きた、小さな雑誌の創刊物語である。現場にいた橘川の記憶を頼りに書いたものである。記憶というのは、自分に都合よく書き換えられることがあるので、すべてが事実であるとは言わない。事実の誤りもあるだろうし、それぞれの思いが別のところにあったということもあるだろう。しかし、少なくとも、僕自身にとっての真実ではある。

 60歳をとうに越えて、みんなクソジジイになったが、未熟な時代に、彼らと一緒に生きることが出来たのは、幸福な時間であった。デビッド・ボウイは、69歳の生涯を終えて「★」を残して地球から消えていった。「私の死を嘆き悲しむのではなく、私の音楽を共有してくれた素晴らしい時間を思い出してくれ」と、言ったのだろう。ボウイが「あと5年しかない」という、切羽詰まった叫びをあげた、あの5年間を、僕らは生きた。その時のロックファンは、みんな、自分にとっての「★」は何なのか思っているだろう。僕も、そのことをいつも意識して、次の時代シーンを生きることにする。

 登場した皆さんには、あらためて友情に感謝して、今後ともお付き合いをよろしく。

追伸

出版記念パーティを行います。どなたでも参加歓迎いたします。

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