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◇ニュース0204●69な一年宣言。

 橘川幸夫は、本年2月4日で69歳になりました。Facebookでは、たくさんの方から祝福の書き込みやメッセージをいただきました。ありがとうございます。

 僕は1950年生まれ。20世紀の折り返し点で生まれました。それは戦後社会が本格的にスタートした年でもあり、近代社会の成果が成熟してきた時代でもあります。あらゆる技術が開発され、新商品・新素材・新システムが毎日のように登場する目まぐるしい時代でした。

 そしてコンピュータ文明がはじまりました。世界は一気に狭くなり、地球の上に、新しい情報コミュティが登場しました。僕は20歳の時に、参加型コミュニティの可能性を感じて、この動きが将来、先験的な村の共同体を越える、新しい僕らの住む共同体になるのだと確信しました。そして、ネットワークが始まり、インターネットが登場しました。僕は狂喜しました。インターネットは近代を越える、新しい次元の人間の社会になるのだ、と。

 しかし、どうやら、インターネットは近代を越えるものではなく、究極の近代社会なのだと最近、気が付きました。どうすれば近代を越えた世界に突き抜けられるのだろうか。それが、今年一年、ロックな季節を生きる僕の命題です。

 現代のあらゆる混乱は、技術テクノロジーの急速な進歩に人間の進化が追いついていけない状態なのではないか。

 林雄二郎は「文明とは人間に利便性を与えるもの。文化とは人間にアイデンティティを与えるもの」だと僕に教えてくれました。インターネット文明は成立しつつあるかも知れないが、そこで生息する人間は、新しい時代のアイデンティティを獲得することなく、旧来の近代意識に凝り固まっているのではないのか。インターネット文化というものに僕らはまだ触れていないのではないか。

 信頼する友人たちは、新しい人類のアイデンティティに触れるための活動を開始しています。doremingの高崎義一は、今日もアフリカにいて、アフリカの人たちと新しい社会を一緒に築いていこうと訴えています。音楽の世界でも、スポーツの世界でも、メディアの世界でも、教育の世界でも、現実の桎梏の中で、未来を模索している意志を、多くの人達が表明しています。未来フェスは、そういう人たちの叫びの空間です。

 先日、公文俊平情報塾で、公文先生に提案をし賛同していただいたテーマがあります。僕はこれから2025年を目標に生きます。2025年は、大阪万博のある年です。1970年の万博の時代は、日本が高度成長の真っ只中にあり、企業が新製品の開発ビジョンや理想をたくさん持っていました。だから各パビリオンは成長力あふれる企業が競って未来社会を提示することが出来ました。しかし、現在は、そういう状態ではありません。70年代の主役であった企業の多くは、B2Bに引きこもり、未来社会を先導するアメリカや中国の下請けに堕しています。こんな企業群が展示するパビリオンに何の意味があるのでしょうか。せいぜん、光のショーだとかVRのこけおどかしか出来ないだろうし、そういうものは、中国などの大陸的なダイナミックスに敵わないでしょう。

 日本の未来を展示するのであれば、商品やビジネスで一帯一路や大東亜共栄圏などの覇道を行くのではなく、近代以後の新しい社会装置を示すべきだと思う。

「蓬莱」というプロジェクト名にしました。経済も、教育も、生活も、地域も、娯楽も、健康も、媒体も、行政も、関係も、近代を越える、新しい社会の仕組みとアイデンティティのあり方を示すイベントにしたい。

 2025年、大阪で開かれる万博の期間に、無数の「未来フェス」を実施したい。京都、丹波、和歌山、静岡、山梨、東京、札幌などではすでに未来フェスが行われている。もっと日本各地で実施したい。2025年の未来フェスは、大阪万博で訪れる世界中の人たちと一緒に行う国際未来フェスである。世界中の誰もが、一人10分で未来を語るトークフェスである。インターネットという文明の上で、交流そのものが、僕たちの文化になりうるのだと思う。僕らにとってのユートピア(蓬莱)は何なのか、みんなで探り合いたい。

 このプロジェクトは、旧来のように、権力や予算を握っているものに食い込み、上意下達で実施されるものであってはならない。下からの、生活の中での思いが昇華されていき、合流したエネルギーで動かさなければならない。そのためのスタートを、僕は切ります。

 70年万博で最も重要なプロデューサーであった小谷正一から教えてもらったものがあります。70年万博の最大の成果は、あのイベントに、当時の気鋭のデザイナーや建築家や実業家やメディアマンや演出家やクリエイターが結集したことである、と。そこで築かれた関係性は、その後の日本社会のクリエティブな動きにつながった、と。当時の各パビリオンに集まったコンパニオンは、生涯、同窓会を開いていたと言う。

 もう何をどうやればよいか分かっているはずだ。しかし、それぞれの人が、自分の心に芽生えたものを教えてくれなければ、僕には分からない。僕は僕の心に芽生えたものを伝えていきたい。あなたもよろしく。

 とにかく会わなければ、話にならないぜ。人生は短い。一日たりとも惰性で生きて良い余裕はないのだw
 
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