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「ロッキングオンの時代」原稿入稿

実に10数年前に頼まれてたいたのだが、ようやく原稿が完成した(笑)

前半の部分は、だいぶ前から公開しているから、目にした方もいるだろう。

版元はバジリコです。社長の長廻さんに、この本を書けと言われたのは、もしかしたら前世紀(笑)。最後まで書ききれなかったのは、面倒くさいことと、他に書くこと、やらなければいけないことが沢山あったからだ。

今も新しく書きたいことはたくさんあるが、どうも、新しいことは、もういちど70年代からやり直さないといけない、という思いもあふれてきた。

80年代に日本は、見事に別の迷い路に入ってしまったような気がする。

そうこうしているうちに、ボウイの「★」が出たりして、そういうことなのか、と改めて大事なことを教えられる。

発売予定はまだ出ていないが、媒体持っていられる方で、書評などを書いていただける方は、ゲラが出たら渡しますので、橘川までご連絡ください。

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●あとがきより

 小説家にとって、処女作というのは特別なものだと思う。その時の小説家はまだ無名であり、周囲からの期待も、社会的な圧力も、また余計な自尊心もないまま、本当に自分が書きたいものだけを追求して書いた作品だからだ。文章の技術も未熟だろうし、読者との距離感も不明なままだろう。ただ、夢を見るように内的な衝動のまま現れてきた言葉やストーリーが、その人の宿命というものなのではないか。僕にとってのロッキングオンの仲間たちとの出会いと、創刊は、そのような宿命であった。人は、誰もが、社会に出て、最初にどういう職業を選ぶのかというのは、とても重要なことだと思う。

 本書は、1970年の10年間に起きた、小さな雑誌の創刊物語である。現場にいた橘川の記憶を頼りに書いたものである。記憶というのは、自分に都合よく書き換えられることがあるので、すべてが事実であるとは言わない。事実の誤りもあるだろうし、それぞれの思いが別のところにあったということもあるだろう。しかし、少なくとも、僕自身にとっての真実ではある。

●CONTENTS

ロッキングオンの時代

第一章 胎動

それは新宿から始まる

レボルーション

タイムス

大学生・渋谷陽一

制作作業

営業活動

第二章 創刊

創刊号

塚脇功

書店開拓

反省会議

短歌

フィルムコンサート

橘川榮一

編集部

第三章 荒ぶる時代

故郷・四谷

1968年のキャンパス

子ども調査研究所

真崎・守

第四章 全国販売

販売部数

取次

写植

ビートルズ武道館

デビッド・ボウイ

裂美

第五章 創刊四人組

渋谷陽一と橘川幸夫

四谷の町と岩谷宏

岩谷宏と真崎・守

松村雄策

第六章 市販雑誌

市販雑誌

滑川産彦

サニー美術印刷

5号まで来た

新宿、ゴールデン街

雑誌の仕組み

第七章 混乱の中での前進

若いこだま

広告営業

HELP&JOIN

編集の充実と、事務の混乱

10号に到達

第八章 ロックレビュー

ジャニス・ジョプリン

シカゴ

グランドファンク・レイルロード

キングクリムゾン

デビッド・ボウイ

ジョン・レノン

ディープパープル

ルー・リード

ドイツのロックに出会って

タンジェリン・ドリーム

ブリティッシュ・ロックへの批判的ふりかえり 

第九章 ロックからのテイクオフ

メディアとしてのロッキングオン

1975年、25歳ー転機

ポンプ創刊

岡崎京子や、読者のこと

「ぴあ」の話。

第十章 解散

ホットな時代の場所

解散

けじめ

21世紀

あとがき

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