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阪大の入学試験トラブルを見て、これからの大学を想う。

阪大の入学試験で、合格者を不合格判定してしまい、大不祥事を発生させた。
この問題の根底にあるものは何か。

阪大の入試ミス 独善性が事態長引かせた

「いびきで実力出せず」センター試験、阪大教授が居眠り

 僕も大学で教えているが、客員教授という名の非常勤講師なので、気楽にやれている。その分、ギャラは安い(笑)。講師の評価は、大学がするというよりも、受講する学生のアンケートが重要になっているようだ。「シラバス通りやっているか」「教育に情熱を持っているか」「学生を公平に扱っているか」などの多方面からの評価軸で、顧客である学生に評価される。幸い、学生からの成績はよいので(笑)方向性に安心して、今年度もすすめられる。

 友人などで、常勤の大学教授になった奴も多い。生活は安定したが、聞いてみると、大変そうだ。大学教授の役割は3つある。1.自分のテーマで独自の研究をする。2.大学の学生たちを教育する。3.事務業務。

 大学教授の実体を知らないで、イメージだけで考えていた時代は「大学の先生って、研究室で研究していて、論文書くことが仕事で、その合間に、ゼミ生や学生の指導を行う」みたいなものであった。事務業務というのが、よく分からないが、どうやら、高校生の受験勧誘から、卒業生の就職斡旋まで、いろんな作業を教授がやっているみたいだ。

 入学試験問題についても、教授たちが持ち回りで担当になって、試験問題を作り、監督もする。今回の阪大の入試ミスも、予備校の先生がいち早く指摘していた。予備校の先生は「試験問題のプロ」であり一年中、大学の試験問題のことを考えている人たちである。それに対して、大学の教授は、たまたま試験問題の当番になっただけのセミプロである。予備校の先生にかなうわけがないのである。

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