ニュース0130●小中学校についての話。

 ちょっと仕事の相談があったので、教育デザイン研究所の吉田和夫さんに会ってきた。仕事の話以上に、いろいろと雑談が楽しかった。

 吉田さんとは、10年ほど前、文科省の受託で、ODECO(おでこ)という、オンデマンド型の教育コンテンツ・プラットホームを運営している時に知り合った。当時は、藤原和博くんの和田中の隣の大宮中学の副校長だった。僕は、藤原くんとは彼がリクルート時代から古い付き合いなので、和田中にも何度も行った。大宮中は、素晴らしい女性校長がいて、その下で、吉田さんも学校改革に取り組んでいた。しかし、どんなに新しい試みをしても、マスコミは和田中ばかり取材して、自分らの取り組みを知ろうともしないので怒ってた(笑)

 その後、八王子の城山中学校の校長になり、ODECOの気分調査に協力してもらった。そして、その次に、なんと、僕の母校の新宿区立四谷中学校の校長になった。母校ということもあり、吉田さんが仕掛けるいろんなイベントなどにも参加し、校長室にもよく行った。そして定年になり、校長を卒業して、中学校の近くのビルの一室に、教育デザイン研究所を作って、さまざまな活動をしている。

 ODECOというのは、これまでの学校の教材やメソッドは、文科省の中央が認可をして全国一律に展開する。その方式により、標準的な基礎学力を誰もが身につけられるようになった。しかし、ある程度、時代が豊かななってくると、全国一律のグローバル・サービスでは対応出来なくなる問題も出てきた。例えば、ある学校で不登校(ニート)が大量に出たけど、となりの学校では、そうではないという場合、全国一律に不登校対策を行えば、膨大な予算がかかる。しかし現実に不登校や引きこもりの子どもたちに対応しなければならない学校もある。そこで、ODECOという教育コンテンツのプラットホームを作り、それを全国の小中学校に告知して、必要な講座やメソッドが必要な場合はリクエストしてもらい、利用してもらうシクミである。例えば、不登校でいえば、ニュースタートというニートと長年付き合っているNPOがあり、そこのスタッフは、ニートに対する対応ノウハウを経験的に身につけている。「こういう場合にこういう言葉を使ってはいけない」というようなノウハウだ。その講座をODECOに掲載して、希望する学校に派遣するというもの。企業やNPOで、これまでの教育機関にはなかったようなコンテンツを提供していた。実験プログラムは3年間実施した。

 吉田さんとは、もう一度、ODECOのような教育コンテンツ・プラットホームを作りたいね、といつも話している。

 吉田さんは、定年後、たくさんの本を出している。「なぜ、あの学校は活力に満ちているのか?」(東洋館出版社)という本は、4刷だそうだ。昨今の出版業界で、これは見事だ。長い学校現場の教育で身につけた経験や事例は貴重だ。吉田さんは「最近は、学校現場のダメな部分やダークな部分ばかりが、面白おかしく取り上げられているが、それでも、教育という仕事はとても魅力的な仕事だということを若い人たちに伝えたい」と言っていた。

 今年の春にも新しい本が出るというので、全国の教員や校長を集めたシンポジウムみたいなものをやろう、ということになった。学校は、問題は多いが、現実に、子どもたちと先生がいて生活しているわけだから、批評や批判だけではなく、社会全体として具体的なサポートが出来るような道を探りたいと思う。

 新しい教育環境に関心のある人は、吉田・橘川の議論に加わってください。

▼吉田さんの本

▼吉田・四谷中学校前校長

おまけ。

 大宮中の女性校長は、その後、文京区の中学校校長となったが、ある時に連絡があって「大人」という授業をやりたいから来てくれ、と。女性校長の考えは、最近の子どもは、両親と学校の先生以外には、大人との関係するきっかけがないまま成長する。昔は、地域や商店や親戚など「他人の大人」との関係があったが、今は、コンビニでも機械的に買うだけ。なので、いろんな大人を呼んで、子どもたちに大人へ質問する授業をやりたい、ということだった。僕は「雑誌の編集をする大人」ということで教室に行き、子どもたちが、いろいろ質問をしてくるのに答えるだけの授業だった。他にも「商社マン」や「カメラマン」の大人が来ていた。

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橘川幸夫

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橘川幸夫

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