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出版と教育

 出版活動は、広義の教育であり、社会全体に対する教育(啓蒙)活動になると思う。それは哲学だろうと金儲け術だろうと旅行ガイドだろうと同じ。

 しかし出版は「ステージの上で演じるパフォーマンスである」。読んでくれる人は、その著者にシンパシーがあるか、多かれ少なかれ関心を持った人に限られる。時々、イベント会場の外から、読みもしないで文句を叫ぶ人が現れるが、そういう人は無視をすればよい。多かろうが、少なかろうが、著者の文章による演奏を聞きたい人が聞いて、楽しめればよい。

 しかし、学校における教育はそうはいかない。多くの学生は、講師の先生の実態を知らない。話を聞いて関心を持つ場合もあるだろうし、まるで関心を持てずに、単位だけ取れればよいと思う学生もいる。そういう環境の中で、著者が講演会をやるように授業やっても、まるで噛み合わない。噛み合わないからと言って、「最近の学生は感受性が低い」とか「程度が低い」と言っても始まらない。そういう現実に向かい合うことが教育である。まずは構造が違うことを知らなければならない。

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