物書き宣言(3)情報心得

ちょっと話をかえて、物書きの心得を書いてみよう。

人は、環境に支配されている生物だから、どういう環境に身を置くかが自分の個性にとって大事な選択だ。これは人間だけではなく、生物すべてそうで、暑い地方に生きる生物は暑さに強く、寒い地方に生きる生物は寒さに強くなる。

面白い人間になるためには、面白い人間と付き合わなければならない。時間には限りがあるのだ。

僕は、30歳までは乱読でたくさん本を読んだが、30歳からは、新しい本はほとんど読まない。30歳までは本は読むもの、30歳からは本は書くもの、と決めたからだ。

それでどういう本を読んできたかというと、自分が生まれる以前に発行された本。

小説は読まない。大正・昭和初期の実用書を神田の古本屋で探してきた。

毎週金曜日に古書会館でやる古本市はひんぱんに行っていた。

最新の本は読まないでどうするのか。それは、最新の本をよく読んでいる奴と友だちになる。すると、概要を分かりやすく説明してくれる(笑)

自分という個性は、どういう情報を外部から引き入れたか、で決まる。

誰もが同じ情報をインプットしていたら、同じような人間になるだろう。

僕が、政党とかイデオロギー集団が嫌いなのは、みんなで争って同じ情報を仕入れて、

何かそれが価値だと思っているからだ。

さて、Twitterというのがある。ここには、同時代を生きている、あらゆる人達たちがライブな言葉を吐いている。有名・無名は関係なく、この情報量はたいしたものだ。これまでの出版というのは、こうしたライブな情報を整理し、選択は、アレンジして、作品化してきたわけだが、その生のソースがここにある。昔、松任谷由実が歌詞のネタに困るとファミレスに行って、女子高生の会話に聞き耳立ててたという都市伝説のような話があるけど、Twitterがあれば、聞き耳を立てる必要がない。

しかし、Twitterやって。普通に有名人をフォローしてタイムラインを眺めていても、このシステムの機能を使いこなしたことにはならない。Twitterというのは、投稿雑誌ではなく、それ以前の「投稿箱」なのだ。Twitterにアクセスする人は、読者の立場でなく編集者の立場で切り込まなければならない。

まず僕は、友人はほとんどフォローしない。友人のつぶやきなんか、いつでも聞いてから(笑)多様な人選と、フォロアーのフォローで流れてきた「言葉」に何かを感じたらフォローすることもある。

次に、ただタイムラインを眺めても、いつも同じようなものしか届かない。ここは思いっきって、編集者の視点で切り込むのだ。「検索」という機能がある。Googleの検索はSEO対策してあったり、業者に隠蔽されているものが多いが、Twitterだと、急げば、消されていない情報もある。そして、僕は、時々やるんだが、具体性のないキーワードで検索して見る。

ランキングに現れるキーワードなんかに頼ってるうちは、駄目だ。僕が検索窓に入れるキーワードは、例えば「親の顔がみたい」「嬉しすぎる」「金返せ」「笑える」「突き落としたい」「苦し紛れ」「どん底」など、なるべく喜怒哀楽の感情に関する言葉が多い。そうすると、見事に時代の断面が見えてくるのだ。

とにかく、普通に勉強したり検索したりしているだけでは、アウトプットに値する情報の蓄積は出来ません。(おっと、リアルテキスト塾になってしまった)

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橘川幸夫

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橘川幸夫

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